異業種交流研修を成功させるポイントは、目的・交流の設計・相手企業の探し方・事務局運営

異業種交流研修というキーワードは耳にするものの、実際にどう企画・設計すればよいのか、「何から始めたらよいのか」「相手企業はどこが良いのか」「どうやって相手企業を探せばよいのか」と悩んでいる人材育成担当者の方は多いのではないでしょうか。

社内に閉じた研修では得られない視点や気づきを取り入れたいというニーズは高まっています。当社においても、事業戦略策定のアクションラーニング(実際の業務課題を題材にした実践的な学習手法)、職種・業務に特化した専門知識研修、ビジネススキルを他社と共に学ぶ研修など、さまざまな形の異業種交流研修をご支援してきました。

本記事では、異業種交流研修を独自に設計・実施するうえで押さえておきたいポイントを解説します。なお、ここでの「異業種交流研修」とは、研修会社が提供するパッケージ型・公募型の研修ではなく、自社の目的に合わせて独自に設計・実施する研修を想定しています。


目次

研修の目的は、3つのどこに重点を置くか決める

異業種交流研修を企画するにあたって、最初に取り組むべきことは目的の明確化です。一見当たり前のように思えますが、異業種交流研修は通常の社内研修と異なり、検討を始めるきっかけがさまざまなケースが多いため、慎重に進めることが重要です。

異業種交流研修の目的は、大きく分けると「学び」「交流」「成果物」の3つに整理できます。

  • 学び:ビジネススキルや専門知識の習得。アクションラーニングにおける実践的な学びも含まれます。
  • 交流:他社人材との議論・情報交換を通じて、社内では得られない視点や気づきを得ること。
  • 成果物:チームでの発表内容や、個人・グループによる提言など、研修を通じて生み出すアウトプット。

この3つはいずれも重要ですが、「全部取り」は難しいという点に注意が必要です。3つの目的は絶妙なバランスの上に成り立つものであり、目的の設定が曖昧なまま研修を実施すると、終了後に以下のような声があがることがあります。

「良い経験はできたが、すぐ実務に活かせるかはわからない」 

「盛り上がってはいたが、アウトプットがいまひとつだった」

「さまざまな部署の人と議論できたのは良かったが、新しい学びがあったかは微妙」

こうした結果を避けるためにも、この研修の目的3つのうち、どれを中心に置くかを最初に決め、それを軸に設計を進めることが大切です。


学びや成果物の結果として「交流」が生まれる

異業種「交流」研修という名称のため、「まず参加者同士を交流させること」を目指してしまうケースがあります。しかし、交流を意図的に演出しようとすると、その意図が参加者に伝わってしまい、場がシラケてしまうことがあります。

当社では、「交流」は学びや成果物に取り組む過程で自然に生まれるものだと考えています。

  • 一緒に学び、課題を解くための議論を重ねた結果として交流が生まれる
  • ひとつの成果物を共同でつくり上げるプロセスの中で交流が生まれる

交流そのものを目的化するのではなく、「学び」や「成果物」という目的に向かって参加者が協力する場を設計することで、結果として質の高い交流につながるといえます。


相手企業の探し方 ― こだわりより目的を重視して選ぶ

相手企業を探す際は、企業の知名度や業界上の格といったこだわりを手放し、目的に合っているかどうかを判断軸にすることをおすすめします。体感値としては、相手企業の選定にこだわりを持つ企業は半数以下であり、こだわりが強いほどマッチングが成立しにくくなる傾向にあります。

他社の人事部にコネクションが少ない場合は、研修会社に相談するのも有効な手段です。研修会社は数十社から100社以上の顧客リストを持っているため、おおまかな条件を伝えて候補を探してもらうことで、マッチングの確率が高まります。候補企業が決まったら、面談の機会を設け、目的や課題意識を共有できるかどうかで最終判断をするとよいでしょう。

また、いきなり全く接点のない異業種に声をかけることに抵抗がある場合は、グループ会社から始めるのも一つの方法です。同じグループ内でも、業種・業界が異なる企業や、採用の入口や企業風土が大きく異なる企業は多くあります。特にM&Aによって加わった企業は、文化の違いが大きいため、良い刺激になりやすいといえます。

グループ企業の場合は人事制度が共通していることも多く、人材育成における課題意識が自社と近い可能性が高い点もメリットの一つです。


事務局運営 ― 綿密な連携と役割分担がカギ

異業種交流研修では、各社の人材育成担当者が事務局を担うことになります。研修会社に仲介してもらっている場合でも、担当者同士は必ず対面で会い、綿密にコミュニケーションをとることが重要です。

事務局運営で難しいのは役割の分担です。通常の社内研修で使っているオペレーションはほとんど使えず、日程調整・会場確保・受講者への案内・講師調整・コスト管理など、複数社が関わりながら合意を取って進める必要があるため、相応の工数がかかります。

こうした事務局業務を外部の研修会社に委託するという選択肢もあります。当社でも、複数社が参加する異業種交流研修の事務局業務をご支援しています。運営委託費はかかりますが、担当者の負担を大きく軽減できる点でメリットがあります。


まとめ

異業種交流研修を成功させるためには、「何のために実施するのか」という目的の設定を起点に、相手企業の選定と事務局運営の設計を丁寧に進めることが重要です。「交流」は自然に生まれるものという考え方を前提に置き、学びや成果物を軸にした研修設計を行うことで、参加者にとって意義のある場をつくることができます。

当社では、目的の設定から相手企業のマッチング、プログラム設計、事務局運営まで、異業種交流研修に関わる一連のプロセスをご支援しています。「どこから手をつければよいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
企画開発部
今井 裕也

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