当社では『異業種交流』型研修の派遣を検討されている方から、「社内で行う研修との違いは何か?」、 「受講した際には、どのような学び(価値)が得られるのか?」といったご相談をいただきます。今回は当社が考える『異業種交流』型研修と社内研修の違いについて説明いたします。
そもそも『異業種交流』型の研修とは何か?
『異業種交流』型研修とは、一般的には自身の会社とは異なる会社、業種の社員が、複数社集まる環境で、交流しながら学ぶ研修のことを呼びます。当社では、名刺交換会のような交流のみの比較的手軽なものや、単に複数の業界の人が集まって実施するだけの研修(内容は社内研修と同じもの)ではなく、もう少し踏み込んで『異業種で実施する意味のある研修』のことを『異業種交流』型研修と呼んでいます。
『異業種交流』型の研修は社内研修とどのように違うのか
学ぶテーマ・内容が同じでも、『異業種交流』型の研修と通常の社内研修では、学び方や得られるものがどのように違うのか説明します。違いは大きく分けると、①より正確なコミュニケーションが必要になる、②他者 / 他社と比較しながら構造的に学ぶことができる、③同じ『テーマ』を取り組むプロセスを通じて『社外の仲間』ができる、の3点です。それでは、その内容について、個別に説明していきます。
より正確なコミュニケーションが必要になる
社内研修では、同じ社内の人しかいない環境です。一方で、『異業種交流』型の研修では、自社とは異なる様々な業種の人と一緒に受講することになります。異業種交流研修に参加する人は、それぞれの企業文化の中で育ってきています。同じ言葉を使っていても微妙に意味が違っていたり、日々の業務の中にある「暗黙の了解」、「社内用語」が通じないため、スムーズにコミュニケーションやワーク(共同作業)を進めるためには、普段よりもより正確なコミュニケーションが必要です。
このような環境で、受講生はあらためて客観的に考え、自分の言葉で相手に伝わるように話す経験をします。
他者 / 他社と比較しながら『構造的』に学ぶことができる
他社の受講生がいることで、自身 / 自社と比較をしながら学び、その中で「気づき」を得ることができます。
研修では一つのテーマについてプロジェクトワークや講義を通じて学んでいきます。『異業種交流』型研修では、テーマで得た学びを自社に当てはめ、説明したり、それを複数社 / 複数業界で比較するプロセスを経ます。その中で、共通点や違う点に気付くことができます。自社 / 事業界の「代表」として議論に参加することで、よりテーマに対しての理解を深めることができます。
上記を行うことで、理論を一般的なケースとして学ぶのではなく、様々なケースをそれぞれ当事者と議論しながら自社のことを理解できるようになります。
このように、『異業種交流』型の研修では、自社だけでは得ることができないことを、より深く『構造的』に学ぶことができます。
同じ『テーマ』を取り組むプロセスを通じて『社外の仲間』ができる
『異業種交流』型研修では、受講生は、ひとつの『テーマ』について、それぞれの会社 / 業種の立場から多角的に議論します。同時に、お互いを理解しながら最終的には一つの成果物を作り上げます。
議論の進め方や考え方が異なるために、最初は苦労しますが、その苦労を乗り越える中で、お互いの理解を深め、ひとつの「チーム」になっていきます(最終的には、すっかり打ち解けて、仲良くなって帰っていかれます)。
このように研修を通じて得た「社外の仲間」は、直接的な利害関係もなく、かつ気軽にビジネスの話をできる仲間として、多くのビジネスパーソンのみなさんにとって、非常に重要な財産となっていくのではないでしょうか。
『異業種交流』型研修に参加した受講者の声
当社で実施する『異業種交流』型の研修を受講された方々からは、下記のような感想を多くいただきますので、ご紹介します。
- 他者 / 他社の異なる仕事の進め方や発想、物事の考え方(価値観)に触れることができて参考になった
『異業種交流』型の研修では、情報共有、意見交換、ディスカッション、資料作成等、様々な作業を行います。その中で、受講生は、仕事の進め方や発想、物事の考え方(価値観)の共通点や違いを実感します。
その中で、「なぜそう考えるのか?」、「自社はどうなのか」、「その違いはどこからくるのか」を具体的に話す中で、自身の思考の幅と視野を広げることができます。 - 自社のポジションや自身の能力、考え方を客観的にみることができた 『異業種交流』型の研修では、普段とは異なるメンバーで議論を行います。あらためて自分が普段取り組んでいることや自社の仕事の進め方を、他社から「変わっているね(やり方が違っている)」、「なぜ、そうしているのか」、「本当にその方法が最適なのか」を問われる中で、これまで主観的にしか考えられなかったことを客観的に見ることができるようになります。
このような経験をする中で、常に、『主体的な自分』とそれとは別に、ある程度切り替えて『客観視する自分』を使い分けて物ごとを見ることができるようになります。 - あらためて、自身 / 自社をより高い視点でみることができるようになった
これまで述べてきたような経験を通じて、自身 / 自社をより俯瞰的な視点から見ることができるようになります。一般的に、多くの会社で『経営者(や事業部長)』の視点になって物ごとを考えなさいと言われますが、実際に、どうすればそのような視点が持てるのか、具体的に説明されることはあまりありません。
異業種での議論を通じて、抽象度や具体性、時間等もバラバラのあらゆる観点からの指摘を受けたり、説明を求められる中で、あらためて、経営者に必要となる俯瞰的な視点、中長期的、かつ幅広い範囲をカバーして考える能力を身につけていただきます。 - 研修を通じてよい仲間ができた。今後もこのつながりを大切にしていきたい
研修を通じて、ひとつテーマについて真剣に取り組んでいただき、限られた期間の中で成果を挙げる経験をしていただきます。社会人になってから、仕事とは直接関係のない(利害関係のない)人と共同作業をする経験は多くありません。完全プライベートな趣味の集まりとも違う、あくまでビジネスをベースとした議論をした仲間というのは意外と少ないと思います。研修を通じて、多くの方が、研修後も続く仲間、つながり、ネットワークを得ています。
まとめ – 『異業種交流』型研修の価値
最後に当社として考える『異業種交流』型研修の価値についてまとめます。
- 社内だけでは、知ることができない他業種(他者 / 他社)の情報を知ることができ、違いを実感できる
- 自社と他社を相対的に比較して、また、他社から自社を客観的に評価してもらうことで、より深く自社のことを理解できるようになる
- 上記を通じて、社内からの視点だけでなく、より客観的、俯瞰的に見ることができるようになる
- さらに上記を一緒に考え、議論する中で社外の仲間ができるようになる
今回は、『異業種交流』研修の価値についてご説明しました。この記事を通じて、ぜひ『異業種交流』型の研修実施、派遣のご検討の参考にしていただければ幸いです。ご興味を持っていただけたら、ぜひ当社研修をご検討ください。
今後も『異業種交流』型研修について寄せられている様々な質問に対して当ブログでは順次掲載をして参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。
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