アイディアポイント岩田です。みなさん、さて、書籍のボツネタ第2弾です。今回のテーマは、『社内起業家(イントレプレナー)は育成できるのか?』です。みなさんはどんなご意見をお持ちでしょうか。この文章も日の目を見て、無事に成仏させることができました。余談ですが、私の文章は、最初の下書きから完成まで、大体、文字数が半分になります。なんと効率の悪い & 治したいと思っても治らない…今年は、文章を効率よく書けるようになりますようにと七夕にお願いしようと思う今日この頃です。流れ星が流れたらお願いしよう…
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これまでは、「社内起業家(イントレプレナー)」や「起業家」と呼ばれる「新しい事業を起こす」人材は、育成できない / 育成するようなものではないという考え方が主流でした。
もう少しわかりやすく言うと、「やる人はほっといてもやるし、やらない人は促してもやらない」ということです。現状を鑑みると確かに、その通りだと感じます。
実は、これと同様の議論が20-25年前に『経営者の育成』でなされていました。『経営者は育成できない / するようなものではない』というものです。「できるようになる人は自然にできるようになるし、できない人は育成してもできるようにならない」というものです。
とは言え、その後、様々な試行錯誤がなされる中で、もちろん、本人の素養や志向はあるけれども、選抜をした上で、必要なことを学び、計画的に経験を積むことで、ある程度、戦略的に育成することはできる / このように戦略的に育成していかないといけない(自然栽培、野生に任せていては安定して力のある経営者を獲得することはできない)ということになりつつあります。少なくとも一定割合で経営を担える人材は育成可能ではないだろうかということになりつつあります。
社内起業家(イントレプレナー)に関しては、まだまだプログラムも少なくサンプルも少ないため確実なことは言えませんが、上記と同様のことが言えるのではないかと思います。もちろん、本人の素質や志向はあるものの、環境を整えた上で、方法論を学び、適切な経験を重ね、しっかりとサポートをすることで新規事業を担う人材を戦略的に育成できる可能性は高いと思います。
この取り組みに関しては、経営者育成の場合と異なり、必ずしも社内で経験者やメンターとなる人がいるわけではないので、モチベーションを維持して、ときには業務上のアドバイスをしたり、利害関係なく話を聞き、導く役割の人、あるいは、「事業を立ち上げる」ことに関して、「それが当たり前だと感じる」ようなコミュニティが必要だと思います。下記は、「事業を創る人の大研究」の中に、掲載されている図です。これによると社内起業家(イントレプレナー)の好業績 /中~体業績グループの差に大きな影響を与えるのは、「経営陣からの内製支援」、業務に関しては、「社外の同様の職種の仲間(できれば、自分よりも少し先に進んでいる仲間)」からの支援が大切だということがわかります。
現時点で、当社での経験をまとめると社内では下記のような取り組みが必要なのではないかと思います(個人的には、これは経営者育成の際にも同じ議論がされたように感じます)。
- フェアな環境づくり(条件、キャリアパス、各種の“損をしない”ようなルール作り、インセンティブ設計)
- 本人の意思、志向の確認
- ステップバイステップで計画的に経験を積む
- 適切な方法論を用いること、必要なスキルを身につける機会の提供
- 適切な支援の整備(社内からの支援:特に、振り返り機会、社外とのネットワーク)
- 上記を戦略的に取り組み、『成功例』を作りだす
『社内起業家(イントレプレナー)は育成可能』だとは言い切れませんが、上記のような取り組みを継続的に行うことで、戦略的に社内起業家(イントレプレナー)を育成することを検討していくことができるようになるのではないでしょうか。
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残念ながら書籍には掲載できませんでしたが、当社では上記のように考えて、日々、新しい事業を起こす会社様をサポートしています。今度、出版する本は社内起業家を題材にして経験談とその解説で構成されています。新しい事業にチャレンジしたい人だけでなく、そのような人材を育成する人も、ぜひ、ご覧ください。今回の本は、本当に、おもしろい!ぜひ、お読みください!(ということで、これから、ラストスパートです。がんばります)
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株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹