顧客事例:街に出て市長にプレゼンする実践型デザインシンキング研修を実施!研修を通じて新しいモノの見かた・考え方を学んだ

ビッグローブ株式会社
人事部 人材開発グループ
グループリーダー 熊谷 淳様
エキスパート 中川 亮様

当社がご支援させていただいているお客様にインタビューをし、その内容を掲載いたします。今回はビッグローブ株式会社様です。

目次

これからのビッグローブを創造していけるマインドに切り替えるために、デザインシンキングのスキルが必要になった

御社の課題を教えて下さい

ビッグローブはインターネット回線からスタートし、いわゆるストックビジネスを中心に展開してきました。「回線契約数を増やせば売り上げも増える」という事業構造でしたが、競合他社が多くなり以前より価格競争が激化したり、モバイルの普及率も高止まったりしていることから、事業環境は厳しくなっています。社会に対して、ビッグローブの新たな価値をどのように提供していくかを、全社員が真剣に考えなければならないフェーズに突入しています。

現在はKDDIのグループ会社ですが、ビッグローブはもともとNECの通信事業部門でした。生真面目な社員が多いのですが、一方で、新たな価値を考え、提供していくことに対しての経験が少ないという側面があります。5年後、10年後もビッグローブが存在していくために、トライアンドエラーを繰り返しながら、新たな価値を創造していくマインドに切り替えなければなりません。そこで、デザインシンキングの研修を導入することになりました。

アイディアポイントを選んだ理由は?

KDDIがデザインシンキングの研修をやっていると聞き、紹介してもらったのがきっかけです。デザインシンキング自体はたくさん書籍が出ていますし、研修ベンダーも多く、eラーニングのプログラムもあります。デザインシンキングを一通り学ぶだけであれば、自ら書籍などを読めば済む話です。そうではなく、ビッグローブの想いを理解した上でキーワードを伝えたり、受講者の傾向を見て研修の方法を変えたりするなど、フレキシブルな対応をいただけるかどうかがアイディアポイントを選定した軸でした。

アイディアポイントの研修は、デザインシンキングというコンテンツを使いながらも、ビッグローブの目的に従って非常に有意義なファシリテーションをしてくれます。柔軟性の高さが選定の理由ですし、常に期待値として持っています。


一方的な座学の講義ではなく、楽しく触れて自然に理解が深まるような研修が理想的

最初に行った研修を教えてください

2020年の新入社員研修です。4月に対面で行うつもりで準備していたらコロナ禍になり、対面研修からオンラインへの切り替えを余儀なくされました。アイディアポイントにコンテンツ内容や進め方などを調整いただき、5月にようやくオンラインの研修体制が整いました。

この時の新入社員研修はオンラインではありましたが、対面に近い形で、プロトタイプを作って実施してみる感覚や、受講者を観察するうちに見えてきた気づきなど、様々な発見がありました。研修が社員のマインドチェンジに大きく繋がりそうだったので、全社員向けのeラーニングやマネージャー・中堅クラスにも対象を広げて実施しました。

2020年に実施した研修

  • 新入社員向けデザインシンキング研修(2日間研修、1クラス)
  • マネージャー層向け新規事業創出に関する講演(2時間講演、3クラス)
  • 若手社員向けデザインシンキング研修(3日間(1日×3回)研修、3クラス)
  • 中堅社員向けデザインシンキング研修(半日研修、4クラス)

普段研修を考える時には、「やるべき」「覚えるべき」という一方的なものではなく、「自分が受講者だったら楽しいか」という視点で工夫しています。デザインシンキング研修に関しては、アウトプットを披露したら盛り上がるのではないかとコンテストをセットしてみたり、机上では発想が広がらない面もあるのでフィールドワークを組み込んでみたりと、工夫の形式は多様です。スライドを映して座学で説明することもできますが、あまり記憶に残る研修にはならないのではないかと思っています。新入社員研修も、現場に飛び込んで先輩社員とお客様を訪問したり、実際の会議に出たりする方が、生の体験として仕事の理解を深めることができます。デザインシンキングも同様で、直に触れて、自然と理解が深まるような研修が理想ですね。

2021年に実施した研修

  • 新入社員向けデザインシンキング研修(2日間研修、1クラス)
  • SDGsワークショップ(2日間(半日×2回)研修、8クラス)

2022年の新入社員研修は、市長にプレゼンする機会を得た歴史に残る取り組み

最近の研修の傾向を教えてください

先ほどもお話ししましたが、ビッグローブの研修は体験重視です。最近は何事もオンラインが多いので、便利ですが現物を見て感じる機会が減っています。こうした環境だから、なおさら体験という大テーマを持っておきたいと考えています。例えば外資系大手IT企業のオフィスを訪問したり、衛星通信を学ぶのに現場を見学したりしています。机上で衛星通信の話を聞くのと、実際に巨大なパラボラアンテナを目にしながら説明を聞くのとは、理解度が全然違いますよね。

ビッグローブでは温泉地でテレワークする「ONSEN WORK」を提唱しているのですが、その一環として温泉地でオフサイトミーティングや研修を実施することもあります。

2022年の新入社員研修はいかがでしたか?

新入社員向けのデザインシンキングのテーマを探した時に、新入社員自身がお客様の気持ちになって「街ゆく人々を観察しながら課題を見つけていけるもの」として、「テーマを観光にしてみよう」ということになりました。「東京から行きやすく、人が多く集まっていて観察しやすく」、さらに「観光というテーマに対して若者の意見を市政に生かしたい」と思われていた小田原市を選択しました。

2022年の新入社員研修は、宿泊を含め3日間かけて実践的なデザインシンキングの方法論を学びました。小田原市の観光活性化というテーマに対して、実際に小田原市でフィールドワークなどを行い、デザインシンキングのプロセスを一通り実践し、最終的には小田原市長はじめ、市役所の方に対してプレゼンテーションを行うという内容でした。

結果としてはとても面白い、ビッグローブの歴史に残る取り組みでした。一般的な新入社員研修だと、街に出てフィールドワークを行い、直接市長にプレゼンする機会はなかなかありません。フィールドワークの楽しさやデザインシンキングで得た気づき、プレゼンの緊張感など、どれも貴重な体験になったと思います。

2022年に実施した研修

  • 新入社員向けデザインシンキング研修(3日間研修、1クラス)
  • ESG経営支援プロジェクト(実施中)

新入社員研修の反響は良好。来年度はさらにもっとじっくり取り組める研修を検討中

新入社員研修の反響はいかがでしたか?

入社式で1カ月の研修カリキュラムを聞かされた時、新入社員は「知らない人と泊まりがけでやるの?」と全員思ったそうです。でも、終わった後のアンケートでは「研修でコミュニケーションが密になって良かった」「本当の仲間になれた」という回答が上位を占めていました。課題を出したわけではないのですが、夜になったらチームメンバーが部屋に集まって、飲みながら色々話したそうです。「泊まる」という体験は、横の連携の強さや個人の理解の深さが大きく変わります。また、学生のうちは誰かに向けてプレゼンする機会は滅多にないので、新入社員研修がいい機会になりました。

今回は3日間で、2日かけて観察して発想してプロトタイプを作るところまでたどり着いたものの、プロトタイプをユーザー候補に試してみてブラッシュアップする時間までは取れませんでした。そして3日目はもう市長へのプレゼンだったので、「来年はもっとじっくり取り組めるようにしたいね」と話しています。これまで回を重ねるごとに進化してきているので、次回も楽しみです。

実は、その研修に参加した新入社員のひとりは、今はONSEN WORKの営業をしているのですが、どんどん契約を取っているようです。自分で体験しているからこそ、魅力も理解しているしアピールしやすいのかもしれません。意外な成果がありました(笑)

デザインシンキングの効果は出ていますか?

社員のスキルセットとして、デザインシンキングの作法が身についていると感じています。中期経営計画を立てたり、将来的なビジョンを考えたりする際に、「既存のものをどうにかする」という一辺倒の発想ではなく、自分たちができることを探して可視化する要素のひとつになっているのではないでしょうか。

新入社員も、機会さえあれば発想を形にして人に伝えることができるし、発想も豊かであるという発見がありました。中堅クラスのデザインシンキング研修に参加した受講者は、社内の色々な取り組みをしている社員が多い印象でした。


デザインシンキング研修を通じて、新しいモノの見方・考え方ができるようになった

今後、取り組んでいきたいことを教えて下さい

現在の人事体制になってまだ3年。研修を通じて、ビッグローブで必要な人材育成が少しずつ言語化できるようになってきました。現状のビジネスを維持するだけでは進化がありませんが、かといって突拍子もない新規事業を生み出すのは難しい。いきなり大きな事業を考えるのではなく、スモールビジネスをコツコツと積み上げて大きく育てていくような、ビッグローブにフィットした人事・組織戦略を行っていきたいですね。

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管理本部
高橋 佑季

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