DX実現に向けての活動が滞らないようにするための打ち手

以前、「DX実現に向けて、進め方としてまず知っておくべきこと」という記事で、

  • DX実現と掲げていても、同じ企業の中でもその実現イメージは人によって違う
  • DX実現は、(特に、大企業にとっては)難易度が非常に高い
  • まずは、どの範囲でDXを実現したいのかを考える

といった内容をご紹介しました。

今回は、DX実現に向けての活動が滞らないようにするため、どのような工夫を行うべきなのか、参考になる考えを紹介したいと思います。


目次

DXを実現したい範囲を明確にすることが限界であれば、現実的には、(ある程度範囲を決めたら、)そのまま進める

以前の記事でもご紹介しましたが、DX実現に向けて考えるべきこととしては、まずは、  

  • 社外に影響ある業務の範囲で行うか / 社内に影響がとどまる業務の範囲で行うか
  • 既存事業の中での業務改善を行うか / 新市場開拓、新製品・新サービス・新規事業開発を行うのか

という観点で、どの範囲のことを実現したいのかを考える必要があります。

企業によっては、「ある範囲に限定してDXを実現する」といったように、範囲を明確にして進められている企業もあるかと思いますが、大企業では特に、範囲を明確にできていないことが多いでしょう。大企業では、様々な部署で、様々な事業部門で、DX実現を掲げ、全方位的に取り組まれていることが多いです。つまり、上記のように「どの範囲のことを実現したいのかを考える」と言われても、範囲を限定できないという悩みが発生しているかと思います。


DX実現は、複数のプロジェクトを立ち上げ、プロジェクト内でも複数のアイディアを挙げ、ポートフォリオを組んで取り組むべし

DX実現の範囲を限定できず、複数のプロジェクトが実行され、それぞれのプロジェクトの成果が出るか否か読めない中で、とは言え、限られた予算や社員の稼働で無制限に取り組むわけにもいかない状況の場合は、ポートフォリオを組んで取り組むとよいです。  

ある程度成果が読めそうなプロジェクトの割合を多めにして、リスクの高いプロジェクトの割合を少なめにするなどのポートフォリオを組むことで、全体として最低限の成果を得られるようにしておく工夫が必要となります。ただし、リスクの高いプロジェクトに関しては、難易度が高いため、他のプロジェクトと同じ扱いにせずに、プロジェクトを担当する社員のマインドセットや検討するプロセス、検討アイディアを多く生み出すなど、工夫する必要があります。

また、各プロジェクト(例えば、セールスのDXのプロジェクトもあれば、オペレーション業務のDXのプロジェクトもあり、それぞれにおいて)の中でも、色々と企画のアイディアが挙げられると思います。例えば、オペレーション業務のDXの中で、「あるプロセスとあるプロセスの間をつなぐために、デジタル化してデータ連携する」といったアイディアもあれば、「あるプロセスの完全自動化・無人化」といったアイディアもあるかもしれません。このように、各プロジェクトの中で、複数のアイディアが挙がったら、そこでもポートフォリオを組んで取り組むことが重要です。複数挙げられたアイディアのうち、半分くらいは、成果が出なさそうであれば中断するというくらいのつもりで、残りの半分のうち8割(全体の半分の8割なので、全体の4割)くらいは24倍くらいの効果が出そうなことを狙い、残り半分のうち2割(全体の半分の2割なので、全体の1割)くらいは10倍くらいの効果を狙った企画を進めてみる、といった感じでポートフォリオを組むわけです。  


小さくてもいいから手をつけやすくて、すぐに成果が出せそうなところから手をつける(Quick Win)ことがコツ

DX実現と言っても、実際に形にしたものが、事前に想定したような成果を出せるかということについては、最終的にはやってみないと分からないというのが正直な話です。

従って、ここで重要になってくるのが、綿密に企画して、綿密に開発を行って、成果を狙いに行くのではなく、(DX実現の範囲を決めた上で、)まずはすぐに始められるところから手をつけていって、可能な限りお金と時間をかけずに形にしてみてすぐに検証していく、というサイクルを早く回すことです。これがいわゆる「リーンスタートアップ」や「アジャイル開発」と言った手法と密接に関係があり、DXにおいては、このような手法を用いることが多いです。

弊社では、新規事業創出のご支援を行っておりますが、新しいことに取り組んで確実に成果を出すということは、本当に難しいことです。試行錯誤的なアプローチを取らざるを得ないですし、成果が出ないものは方向転換するか、中断するか、意思決定していかなければなりません。手法ももちろん重要ですが、まずは、この基本的な考え方を認識しておくことも重要になります。  


良い意味で「そんなもんでもいいのか」という雰囲気づくりが大事

  • すぐに始められるところから手をつける
  • 半分くらいは、成果が出なさそうであれば中断するくらいのつもりで

と言われても、社内でDX実現に取り組んでくれている社員に対して「成果が出なくていいぞ」と言うわけにもいかないですし、真面目に取り組んでくれる社員の方がいらっしゃればいらっしゃるほど、慎重に綿密に進めてしまいたくなってしまうかと思います。

ここで大事なことは、社内の雰囲気づくりとなります。弊社がDXに関連するプロジェクトをご支援する場合は、弊社のコネクションのある、DXに関するプロフェッショナルのコンサルタントの方にプロジェクトに入っていただくのですが、そのプロフェッショナルの方がよくおっしゃっていることが、「『そんなもんでいいのか』と社内で広く知らしめることが重要」ということです。

以下は、上記のプロフェッショナルの方が、ある大企業にてDX実現に向けて支援をしている中で、上手くいった施策になります。堅苦しくなくフランクな雰囲気で、小さな成功体験(小さいことが重要!)をお披露目する場を設けたそうです。その発表を聞いた他の部署の人たちが、「なんだ、そんなもんでいいのか」となったことで、他の部署の取り組みがグッと進み始めたそうです。  

大企業でのDX実現となりますと、デジタル化・自動化して、その業務に関わっている人が不要になる、みたいな印象もあるようで、DX実現に対して現場の抵抗が発生するということも耳にすることがあります。そのような抵抗を回避していくには、DX実現に関わる社員・部署、DX実現に前向きに取り組む社員・部署を増やしていく必要がありますし、そのためには、雰囲気づくりが必要になってくるわけです。

上記の事例は、すぐにでもできそうな施策だと思いますので、試しに実施されてみてはいかがでしょうか。

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
営業部
内田 智士

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