新規事業を生み出す風土をどのように作るのか?(BBTセミナーより抜粋)

アイディアポイント岩田です。本日は、先日、12/12(火)に実施したBBT社セミナー『企業を成長させるイノベーション人材~次世代の社内起業家育成~』から抜粋して、『新規事業を生み出す風土をどのように作るのか?』について書いていきます。

今回は、最近、あれこれ使い倒しているChatGPTさんに手伝ってもらいました。ありがとうChatGPTさん。感覚的には書く時間が半分になったような感覚です。


目次

そもそも組織における『風土』とは何か? - 『よくも悪くも』共有された価値観、行動パターン

組織風土は、組織内における共有された価値観、信念、慣習、および行動のパターンを指します。これは、組織のメンバーが共有し、実践する特有の文化や雰囲気を指し、組織のアイデンティティや個々の役割、目標達成へのコミットメントに影響を与えます。

組織風土の概念は、組織の成功や失敗、効率性、創造性、コラボレーションなどの側面に深い影響を与えます。健全な組織風土は、共通の目標に向けた協力とコミュニケーションを促進し、メンバーのモチベーションや仕事への取り組みを向上させる一方で、不適切な風土は問題や課題を引き起こす可能性があります。


組織風土(文化)は戦略を朝飯のように「食べて」しまう!! – Culture eats strategy for breakfast

これはピーター・ドラッカーの言葉で、「文化は戦略を朝食のように食べてしまう」という意味です。組織の成功において組織文化が非常に重要であり、戦略だけではなく文化も考慮する必要があるということです。

この言葉が示唆するのは、どんなに優れた戦略や計画があっても、組織内の文化がそれを支えなければ実現が難しいということです。組織文化は、メンバーの価値観や行動様式、相互の信頼関係などを含む組織の「空気感」であり、これが組織の方針や目標に一致していないと、戦略の実行は難しくなります。

例えば、リーダーが新しい戦略を立てたとしても、組織文化が変革に抵抗するようであれば、戦略の実現が難しくなります。逆に、組織文化が変革を受け入れる柔軟性があれば、戦略の実行がスムーズに進むでしょう。

戦略を実行するための『前提条件』としての組織風土(文化)づくりという視点が必要です。


私たちは意図的に『組織風土』を作ることができるのか? – 理屈としては変えることができるが…

ここは、ChatGPTと私で意見が異なるものなので、別々に書いておきます。

<< ChatGPTの回答 >>

組織風土は創り出せるもので、具体的な手段を取ることで変えられます。まず、組織全体で共有するビジョンや目標をクリアにし、リーダーがその方向を示すことが重要です。リーダーが模範となる行動を見せ、メンバーとのコミュニケーションを強化することも大切です。

また、組織メンバーに積極的に参加してもらうことも鍵です。彼らの意見や価値観を尊重し、組織内でのコラボレーションを奨励することで、より良い風土を築くことができます。定期的なフィードバックやコミュニケーションの場を設け、オープンで透明性のある環境を作り上げることも効果的です。

重要なのは、これらの変化を一度きりでなく継続的に行うこと。組織風土の変革は時間を要するプロセスであり、コミットメントを持ち続けることが成功の鍵です。そのため、柔軟性を持ちながらも着実に変化を進め、組織全体が共有する理想の文化を築いていくことができます。

<< 岩田の見解 >>

『組織風土』は、日々の活動を積み重ねた結果。もちろん、本当に「すべてを変える」不退転の決意で取り組めば、数年単位で変える / 変わることはできると思うが、軽々しく「変えます」、「変えなさい」と言えるものではないはず。

したがって、『組織風土を変える』宣言は、『やり方を全部変える』くらいの覚悟をするべき。『組織風土を変える』宣言の後には、あらゆる施策が提示されてそれが実際に実行されていないと実現はできない。

個人的には、様々な施策を実施する結果、最終的に『組織風土が変わった』ということになると思う。なので、『組織風土を変える』ことは施策ではなく、目的やゴールに近いものだと考える。

年末 / 年始に様々な方と議論する中で、組織風土とその『変えやすさ』について議論する機会が多くあります。『組織風土』を変えなくてはいけないという問題意識には賛成するものの、それが『変えられる』ものなのか、『変えられない(正確には、すぐに変えられない、変わりにくい)』ものなのかが議論になることが多いようです。個人的には、すぐに変えられない、変わりにくいものなので、それ自体は施策にならないと考えますが、みなさんはいかがでしょうか。


『組織風土』を作るのは誰の責任か?

ここでもChatGPTの回答は正しいのですが、教科書的なので、ご紹介して、私の意見と併記しておきます。

<< ChatGPTの回答 >>

組織風土を作るのは、全体のリーダーと組織内の各メンバーの仕事です。リーダーシップは組織のビジョンをクリアに示し、模範となる行動を示す責任があります。また、組織の中で風土を構築するプロセスに参加し、メンバーとのコミュニケーションを強化し、協力関係を築くことも求められます。

同時に、各メンバーも自らの行動や態度が組織風土に影響を与えることを理解し、協力して理想的な文化を作り上げる責任があります。コミュニケーションや協力の場を活用し、自らも変革に積極的に参加することが重要です。

組織風土は組織全体の共同作業であり、誰もがその一部として関与し、貢献していくべきです。組織メンバー一人ひとりが共有された価値観や行動様式に貢献し、組織全体で望ましい風土を築くことが成功の鍵となります。

<< 岩田の見解 >>

どんな『組織風土』を作るのかは、経営者の仕事だと考えます。『組織風土』は、戦略を実行するために極めて重要な要素のひとつであること、実際問題として「あらゆる業務に関わる」ことを考える、その責任者は組織のトップである経営者の仕事であると考えます。

その経営者をサポートする役割としては、人事部門 / 経営企画部門が担うのがよいと考えます。全社最適で動きやすいこと、各部門とのパイプがあること、特に、人から人への働きかけが必要なことが多いので、人事部門が担当するのが妥当だと考えます。

そして、その上で、組織のメンバーも『組織』を担う一員として、『組織風土』づくりを意識して、日々の活動を行うべきだと考えています。

『みんなの問題だからみんなに責任があって、みんなで考えよう』というのは、正しいと思うものの、特に、「変える」、「作り直す」タイミングでは現実的でないのではないかと考えます。


そして、本日の本題!『組織風土』をつくるときに気をつけること – BBT社セミナーより抜粋

ここからが本日の本題です。BBT社セミナーでお話ししたスライドの1枚です。セミナーのテーマは『企業を成長させるイノベーション人材~次世代の社内起業家育成~』です。社内起業家とはどんな人材なのか、その中で何が起きるのか、どうしたら組織として社内起業家が生まれる環境を作るのかについてお話ししました。

その中の論点として、「新規事業を生み出す風土をどのように作るのか?」を挙げて、これについて議論をしました。その際のスライドがこちらです。

こちらのスライドを参考に、組織風土を作るために必要なことを解説していきます。

組織風土を変えるのであれば、『本腰』を入れて、中長期の体制で臨む

組織風土は何かをすればすぐ変わるものではありません。社内の全ての活動に反映させて、さらにその結果が表れるのはその後です。少なくとも人の入れ替えをしないのであれば、数年(2-3年?)かかるつもりでじっくりと取り組むべきです。

何はともあれ「トップメッセージ」がスタート。そして、そのメッセージは消えないように継続する

組織全体の変革はやはりトップからスタートするべきです。明確に方針を打ち出すのはトップの仕事として行うべきでしょう。「変化」はなかなか伝わりにくいものです。「口を開けば必ず言う」と周囲が嫌になるくらい何度も伝えるようにしなければいけません。

重要なことは「日々の業務」、「会社の仕組み」に反映させること

トップからのメッセージでは「新しいことにチャレンジしよう」と言われても、日々の業務で「何も考えずに言われたことをやれ」と言われては「新しいことにチャレンジする」組織風土は生まれません。同様に、「新しいことにチャレンジする」人が損をするような評価制度でも「新しいことにチャレンジする」組織風土は生まれません。採用でも同様です。まじめで大人しい人を採用していては「新しいことにチャレンジする」組織風土は生まれません。営業の場面でも顧客と「これまで通りの取引をお願いします」というやり取りをしていては「新しいことにチャレンジする」組織風土は生まれません。すべての業務、すべての仕組みは、トップメッセージに沿った形に作り直さなくてはいけません。

意識的 / 無意識的に『邪魔する』心や行動を排除せよ!本音、建て前なんか関係ない

これは声を大にして言いたいことですが、何か変化を起こそうとすると、必ず、「嫌なこと」を言う人がいます。意識している / していないに関わらず、変わろうとすることにブレーキをかける人です(私の知り合いの社長が、『必ず袴の裾を踏む奴がいる』と表現していました。上手な例えだなと)。


「いやいやそうは言っても…」、「社長はああ言っているが実際は…」、「理想と現実は違う」、「〇〇というデメリットがある、懸念がある」など、表現は様々ですが、微妙に「そうかもしれないな」と思うようなことを言います。

では、正面から反対意見を述べればよいのですが、そう聞くと、「いや、本音と建て前は違うから」とのこと。オープンな場で反論できないのであれば、黙って従わなくてはいけません(それが組織のルールのはずです)。裏でゴチョゴチョ反論するのであれば、きちんとオフィシャルな場で議論しましょう。と思うのですが…せめて、中立くらいでいるべきです。

これは自分自身にも起こり得ることなので、注意しておくとよいと思います。「いやいや、そうは言っても」、「実際のところは」と言いたくなったら、自分がひょっとして『足を引っ張る』ことを言ってないかなと意識してみるとよいでしょう。


今回は、『組織風土』を題材に議論をしてみました。私個人としては、「まったく歯が立たない / 倒せる感じのない大きな敵」のような気持ちで見ていますが、『組織風土』についてどのような意見をお持ちでしょうか。機会があれば、ぜひ、議論してみたいと思います。

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。


株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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