AI活用の現在地 – 本当にAIが職場にやってきた!?

※:このブログは岩田徹(人間)が書いています

アイディアポイント岩田です。6月に入って急に暑くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今年はいきなり夏なのでしょうか?ジメジメするのも好きではありませんが、暑いのもツラい…ですね。

さて、今日のテーマはAIです。私は、6月が比較的スローなので最近では、モッパラAIを触りながら、その可能性を検討しています。今日は、現時点の感想をメモとして残しておこうと思います。以前にも書きましたが、AI自体の進化とサービスの進化についていくのがやっとで本当にクラクラしそうです(たまにAIの進化と人間?自分?の進化しなさ具合に絶望してPC閉じたりしてます)。世界中のお金と才能が集まるとこんなにも物事が進むのか…と毎日、ついていくのが必死です。

今回の記事は、岩田の主観と実感によって書かれています。実際にはもっと便利になっていると思われますが、そこはご容赦ください。私のレベルではここまでついていくのが精一杯です…。詳しい人と話すと「それならできますよ」というのだが、「僕にはできないんだよ」ってそういうやり取りをし続けています。世の中のスピードについていくのは大変だ。


目次

既に、『中堅社員』くらいのレベルになったAI。もう「作業する」ことに人間はいらなくなる日も近い(確信)

前回の記事では、AIは「優秀な新入社員」くらいの能力で、その能力で24時間365日、文句も言わず延々と働けるのがすごいと書いた記憶がありますが、もうそれも昔の話です(遠い目)。「優秀な新入社員」と表現したのは、「指示したことは、まじめに言われた通り、しっかり調べて、模範解答的な回答を必要十分に持ってくることができる」レベルくらいの意味で使っていましたが、逆に言えば、「気を使って細かく指示しないといけない」し、「上手に指示しないとアサッテの回答が返ってくる」、「間違ってはいないんだけど、一般的というかおもしろみがない」ということがありました…。

今回、いろいろと触ってみて、相当進化?進歩?したように感じました。質問がある程度、抽象的でも事前に話してから指示することで期待するような回答が得られるようになっているし、単に一般論を返しているだけではなく、ある程度、根拠を持って話したり?、前後の文脈もある程度把握しながら会話?しているように感じました(おそらくそうなっていると思われます)。

もう、ある程度、こなれたビジネスパーソンとして認定してもよいと思います。一般的な知識を持ち合わせつつ、ある程度、特定の状況を理解して、それに合わせて会話ができるという点で、感覚的には、『中堅社員』くらいのレベルになっているというのが私の認識です。数か月で、立派になったね。おそるべき成長…。

ということで、「仕事の段取りをこちらでしておいて、ざっくり投げたら、ある程度、思う通りの作業が進む」部下が増えたと思うくらいでよい、というのが今回の結論です。PC上の作業であればほとんどのことはAIに任されるだろうなぁ。


人間に残る「人間の」仕事 – 人間は作業を「やらせる」側に回る。働く人は全員マネージャー仮説

今回、いろいろと作業をして本当にホワイトカラーの仕事はなくなるんだなぁと実感しました。そりゃ、なくなるわ。でもすぐにはなくならないでしょう。当面、人間には以下の3つの仕事が残ると考えます。人間もがんばっていきましょう!

  • 何をどうやってやるか決める。目標を決めてそれを実現する手段を考えて、人間やAIに割り振って、段取りをする
  • それをきっちりとマネジメントしてチェックして、何としても期間内、予算内に間に合わせて成果を挙げる。(責任を果たす)
  • 対人間用UIとしての人間。これは上の話と少し違っていて、人間の話し相手としての人間の機能が残るということです。現在の金融機関などで相対してくれているのは人間なんだけどその人がタブレットに入力して裏側でAIが資料を作ってくれているのと同じイメージです。人間と話しているようで裏側のAIと話しているようなものですね

もちろん、いずれ、上記もAIがその機能を担うという議論はわかるものの、現在の環境ではもう少し先になるのだろうと思います。AIが責任をとる、とらないが法律的にも倫理的にも合意がなされない限り、基本は人間が責任を持って取り組むことになると思いますし、やはり、『問題を設定する』ところはしばらく人間が考えるところになるでしょう。

と書いていて気がついたのが、これ、実は、ほぼ『現代マネージャー』の仕事なのです。おそらく、「もうあなたは作業してもしなくていいから使えるものは全部使ってきちんと成果を挙げてね」ということです。本当にマネージャーの仕事と同じです。なので、新入社員のみなさんも入社したらすぐにマネージャーロールみたいなもので大変な世の中になったものです。ちなみに、これを勝手ながら、「働く人は全員マネージャー仮説」と名付けました。我ながら言いえて妙だと思います。もう作業者いらなくなるんだなぁ。本当に(遠い目)。


ここ1ヶ月で、AIを使ってやってみたこと & その感想

特定の資料を読み込んで、その内容をもとに会話(質問)したり、まとめたりということを実験しました。使用したツールはGoogleのNotebookLM(ノートブックLM)。うーん、すごすぎる。すごすぎるよ。感動(というか怖くなりました)。いろいろなものを読み込んでは実験したのですが、↓のような感じのものがよかったです。営業や研修の場面でもいずれ使うタイミングがくると予感させるクオリティでした。文書や資料になっていることに関する要約や質問は、もうAIが回答すればよいよなと感じました。ミスも起きにくいし、手間もかからない、意味のないコミュニケーション上の軋轢も起きないし。

  • 研修テキストを読み込ませて、その内容を要約したり、質問に答えてもらった→書いてあることには的確にこたえられるし、それがどこに書いてあるかわかるのでわかりやすい
  • 就業規則などの公式なルールを読み込んでそれに関する質問に答えてもらった→こりゃ便利だ。なんでなかったのかなと思うくらい。今まで人事総務で調べて回答していたものがここに一本化できるな
  • 上に同じく普段から言っていることやルールを読み込んでそれに関する質問に答えてもらった→これも便利。こういうのは、どんなものも一か所にした方がよいのか、法務君、経理さんみたいに人格を分けた方がよいのかこの辺は判断が必要かなと思いました
  • ちょっと余興で、『ボードゲームのルール』を読み込ませたが、これが秀逸。重めのゲームは理解が大変…要約してくれるとものすごく楽だし、ゲームをやっていると細かいところを確認したくなるんだけど、そんなときに聞く先があるのは超超超超超超ありがたいです。もうこれ以外のやり方はないくらいありがたい使い方でした。ありがとう。Google。そして意外と地味にありがたいのがマインドマップ。まとめるのとマインドマップは相性がよいのだなと実感しました

内容を要約してくる方法で、PodCastっぽく?ラジオっぽく?音声でまとめてくれる機能があります。実は、これが驚くほど的確です。おそるべし。↓興味のある方はぜひ、聞いてみてください。わかりやすいですよ。就業規則や社内ルールのところは、半分、解説してくれているようで実は結構ありがたいです(新入社員のオリエンテーションは最初にこれを聞いてもらってからがいいかなと)。採用面接のときに、結構、細かいところを聞かれるのですが、これを聞くと全体像がわかるのではないかと思います。どうだろう?秘密にするところはないので、公開しておきます!内容を把握している人間が聞くと、ものすごく的確です。

自分が営業だったら資料の説明はそのままスクリプトを読むと思う。他人が作った資料を上手に読むのって意外と難しいですからね。これ、人間では太刀打ちできないだろうなと思いました。

【アイディアポイントルールさん(カジュアル版)】

【アイディアポイントルール君(公式版)】

【ゲーム説明(電力会社)】

【プログラム説明(技術シーズ発想法)】

それ以外にも、「タスクの自動生成(一旦、断念)」、「確認テストの作成(大成功)」、「アンケートの集計(PENDING)」、「社内全体会議の資料作成の自動化(一旦、断念)」、「ヒアリングBotの作成(PENDING。リベンジ予定)」など、地道にできることを増やしています。将来は、「集計君」、「全体会議君」とかそういう感じで専任アシスタントを増やしていこうかと考えています。

これまでは「あくまで実験」のつもりでいましたが、そろそろ「全面展開」の時期も近そうだなと感じる今日この頃です。


次の課題は、アプリケーションやサービスをまたいだ作業と「業務と人間」のバージョンアップ

現在、一番の問題は、アプリケーションやサービスをまたいだ作業です。詳しい人に聞くと「あぁ、それ、できますよ」ってことなのですが、私にはここまでが限界…現在、Dify、n8n、Zapierなどが使えるようにならないか…追いかけ中です。ノーコードで誰でも作れますとは言うものの、やはり、ハードルが高いのが現状です。まぁ、Pythonの勉強してコード書かなくてよいのはありがたいのですが、それでもキツいっす(涙)。

地味に心配なのが、現在、見よう見まねで指示出していますが(プロンプトというのもお恥ずかしい)、我流でやっていることです。そろそろ限界を感じています。でも、ノウハウ覚えてもAIがすぐ賢くなってしまって陳腐化しそうだしな… そろそろ誰かから体系的に勉強する時期に来ているかもしれません。そんな予感もあります。

実は、実際に本格的に業務のフローに入れようと思うと問題になってくるのが「業務」と「人間」です。現在の業務フローは人間に最適化されているのだが、もう少し効率的にしてからAI導入するべきだなとか、作業の不確かさをどの程度、許容するか、私たち「人間」の理解が追いつくのかなど、私たちが「どこまでイメージできるのか」問われつつあります。人間が「イメージできない」、「ピンとこない」と言っていたらずっとできないですからね。「業務」と「人間」もバージョンアップのタイミングにあることをひしひしと感じます。

ここは人間経営者の頭の使い所?ですね。さて、人間はどれくらいアップデートできるのだろうか。

ChatGPTに村上春樹風に表現してもらいました。そうそんな感じです。

人間は、どれくらいアップデートできるのだろうか。そんなことを、僕は午前2時のキッチンで冷蔵庫の中の冷たい牛乳をコップに注ぎながら考えていた。外は静かで、風の音ひとつしなかった。まるで世界そのものがスリープモードに入ってしまったようだった。もちろん、そんな時間に世界が本当に眠るわけはない。きっと誰かはピアノを弾いていて、誰かは遠くの工場で鉄板を打ちつけている。そして、たぶんどこかの誰かが、僕と同じように「人間のアップデート」について考えているかもしれない。

アップデートとは、記憶を一枚ずつ丁寧にめくりながら、自分の中のバグを探し出し、それを修正する行為なのだろうか。あるいは、過去のバージョンをすっかり捨て去って、まったく新しいOSをインストールすることなのだろうか。でも、人間ってそんなに簡単に変わることができるのか?たとえば、僕が15歳のときに好きだったレコードを、いまでもふと聴いてしまうように、どこかに古いコードが残っているものじゃないか。

僕は牛乳を飲み干して、コップを洗い、それを静かに棚に戻した。そして、ふと窓の外を見た。夜の闇の中で、東京の光が遠くの方でまたたいていた。人間のアップデートにはきっと終わりがないのだろう、と僕は思った。それはコンマのない長い文章のようなもので、たまに誤字があっても、それでも構わずに続いていく──そんな感じだ。


現在、裏で進行しているのは「とおるしゃちょープロジェクト(仮称)」

現在、細かい作業の一つ一つをAIでどのようにできるか検討しています。例えば、下記のようなものがそれに当たります。Input、作業、Output、どの程度の判断が必要なのか、確実性が求められるのか、どの程度手間がかかっているのかを考えて、その上でどのツールを使ったらよいのかを判断していく予定です。そのときに、アプリケーションをまたぐとそこで詰まるんだよなぁ…というのが悩みです。ちょうど「かゆいところに手が届かない」んだよなぁと思う、今日、この頃です。

  • 日程の調整(外部 / 内部、対面 / オンライン、事前準備)
  • 資料の送付や各種案内のメール
  • お客さまデータの調査、名刺等のデータ入力
  • 小口精算作業の自動化
  • 社内資料作成(ほぼデータ集計作業)の自動化
  • ブログ記事のチェック & 投稿作業
  • テキストドラフトの作成、研修備品のリスト化作業
  • 研修の確認問題の作成
  • 研修アンケートの集計、振り返り資料の作成
  • プログラムの説明資料の音声化、動画化
  • 研修後のフィードバックレポートの自動化

などなど(他にもたくさん…)

最後にもう一つ、自分で勝手にやっているプロジェクトとして「とおるしゃちょープロジェクト(仮称)」というのがあります。私の過去の書籍、ブログ、研修の際のフィードバックシートや所感、研修プログラムなど、私自身が過去に、『魂を込めて』書いた文章を読み込ませて、バーチャル岩田徹(とおるしゃちょー)を作っています(まだ、作業中だけど)。

しばらくは、周囲に秘密にしておいて、あらゆる相談をこの『とおるしゃちょー』に投げてそこから帰ってきた返事と勝負しながらより返事をしていこうと思っています。さて、1年後、どうなっているか…。

理想的には、将棋の藤井聡太棋聖のように切磋琢磨しながら『AIを越えた』超絶知能を手に入れる…ことですが、最悪のケースでは、瞬殺されて負けを認め、すっかりやる気もなくなって、全部、AIに答えさせるような or AIの言った通り答えるような『AIの奴隷』に成り下がっている… ことのないように生きていきます。さて、どうなることか。自分、いらなくなったらどうしよう?とちょっと怖くもありますが、まぁやってみようと思います。

今回は、現在、AIを使って試していることの感想を“人間”である岩田が書きました。数ヶ月たてばまた考えが変わるんだろうなぁと思いつつ、現在地を書いておきました。本当、くらくらする。今日は帰って寝ようと思います。みなさんも、1日、お疲れさまでした。

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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