顧客事例:「10年後も覚えている研修」新たな気づきと多くの学び、人脈を広げる異業種交流プログラムの魅力とは

パナソニック コネクト株式会社
人事総務本部
CONNECTers’ Academy L&D推進課
マネージャー 日置 有沙様
津田 仁美様

当社がご支援させていただいているお客様にインタビューをし、その内容を掲載いたします。
今回はパナソニック コネクト株式会社様です。


目次

「越境学習」によって、ラーニングカルチャーの醸成やイノベーションの創出を目指したい

人材育成に関する課題を教えて下さい

日置さん:
パナソニック コネクトでは、2017年に前身のパナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社に、現CEOである樋口が代表に就任して以来、一貫してカルチャー&マインド改革を推し進めてきました。2023年4月からはジョブ型人事制度を導入し、従来の年功序列に基づくメンバーシップ型の人材育成から、自律的なキャリア形成を推進しています。ただ、長年メンバーシップ型で働いてきた方に対して、いきなり「自分のキャリアは自分で決めてください」と伝えても、自分のやりたいことやキャリアを明確に描ける方ばかりではありません。社員一人ひとりのキャリアオーナーシップが定着し、理想の自分に向かって挑戦してもらうための自発的な学習の手段として、昨年から「CONNECTers’ Academy」という企業内大学を設置しました。CONNECTers’ Academyは「コアバリュー」「リテラシー」「スキル」の3軸で、研修の実施とラーニングカルチャーの醸成を行っています。

アイディアポイントの研修の魅力を教えてください。

日置さん:
アイディアポイントさんとの取り組みが始まったのは、CONNECTers’ Academy 設立よりも前の2018年頃です。当時の人材戦略課の企画担当が、社外の方との交流・学びを通じて視野を広げることを目的に、異業種交流のご相談をさせていただきました。当社と同じような課題感を抱える企業を募っていただき、10社20名ほどの異業種交流研修を実施しました。

その後、幾度かの異業種交流研修の実施を経て、現在はCONNECTers’ Academyのプログラムのひとつとして、社外の多様な思考に触れて気づきを得る「越境学習」という研修コンテンツになっています。越境体験によって参加者のキャリアオーナーシップを高めるだけでなく、ラーニングカルチャーの醸成やイノベーションの創出などを期待しています。会社の外には様々な考え方があり、仕事の進め方も多様です。越境学習によって自分の強みを把握し外の世界を知ることで、参加者も会社も多様化を図ることができるでしょう。

津田さん:
越境学習後は、研修全体の細かいフィードバックレポートをいただいています。レポートからも、参加者一人ひとりを丁寧に見ていただいていると感じます。また、越境学習は参加者同士が打ち解けるまでに時間がかかる傾向がありますが、アイスブレイクや懇親会などを通じて盛り上げていただき、参加者のみなさんも本当に楽しそうでありがたいと思っています。


参加者からの口コミによって、申込者が定員の倍以上に

越境学習の反響はいかがですか?

日置さん:
現在の越境学習プログラムは昨年から実施していますが、今年は定員の倍以上の申込みがありました。越境学習は、上司の立場からすると「社外を知ることでどのように変化するのか?」という不安が少なからずあると思います。また、研修プログラムによっては3ヶ月に渡り、研修時間外に自主的に集まって議論や調査をすることもあります。数日間の研修であれば上司としても承認しやすいですが、数カ月ともなると業務にも影響が出るため参加の承認に迷う気持ちも理解できます。

そのため、CONNECTers’ Academyでは、社員一人ひとりがキャリアやラーニングと向き合い、アクションにつなげるためのイベントを年2回設定し、期間中は様々なイベントを開催しています。昨年は参加者だけがイベントに登壇しましたが、今年は「参加者と上司に聞く越境プログラム」というタイトルで、参加者の上司もお呼びしました。パネルディスカッション形式で生の声を伝えていただき、ときには受講を検討しているメンバーの上司から、参加者の上司に質問することもあり、研修への理解を深めることができたと思います。

そのようなイベントの効果があったのか、昨年は「上司の承認を得られず行けなかった」という声がありましたが、今年はそういった話はありませんでした。ジョブ型を導入して1年が経ち、みんながキャリアオーナーシップの感覚を掴んできたのかもしれません。上司も部下も自分でキャリアを考えていかなければならないし、上司はそれを支援しなければなりません。少しずつ、社内にキャリアオーナーシップが浸透してきた感触があります。

津田さん:
越境学習の応募者が倍に増えた理由として、イベントなどでの発信もありますが、参加して下さった方が口コミで評価してくれたことが大きかったと思っています。研修の告知先のひとつに「学びの広場」というグループチャットがあるのですが、越境学習の告知をしたら、過去の参加者が返信する形で「みなさん、この研修いいですよ!」と反応してくれました。他の研修も同じような告知をしていますが、越境学習のようにレコメンドのリプライが続く現象は見たことがありません。参加者が他の人にも広めたい、お知らせしたいという気持ちがあったからこそ、自発的に発信してくれたのだと思います。CONNECTers’ Academyに、少しずついい広がりが見えていますね。

越境学習プログラムで工夫したことはありますか?

津田さん:
越境学習は、さまざまな年代、居住地域、職位の方々のニーズにフィットする複数のプログラムを用意しています。たとえば、若手の場合、入社して3年くらい経つと「このままでいいのかな」とキャリアにモヤモヤする人が増える傾向があります。転職するほどではないかもしれませんが、ある程度社内の状況を理解できて「社外にも目を向けたい」と考えている方に、ビジネス寄りの越境学習プログラムがマッチします。一方、40~50代でキャリア自律度が高い方は、地域活動や社会貢献に興味がある方が多いという調査結果があります。「定年」というキャリアのゴールを意識する方が増えるので、キャリアの先が見えるようなプログラムだと興味を持ちやすくなるようです。

その結果、越境学習でも若手の方はビジネス、マネージャーの方は交流、ベテランの方は地域創生と、年代に合わせてテーマを変えています。また、上司や人事からの指名だと受け身になってしまうので、公募制で積極的に手を挙げてもらうようにしています。業務と研修の両立は大変なので、自分から手を挙げて困難に立ち向かっていただくことで、達成感も味わえるし研修効果も高まると考えています。


社外に仲間を作れるのも越境学習の魅力。「10年後も覚えている研修」という声も

受講後の参加者の変化を教えて下さい。

日置さん:
研修では自分の強みや弱みのフィードバックがあるので、自分自身を見つめ直すきっかけになります。研修で社外の方の話を聞いているうちに、自分ももっと社内で発言していいことに気づいて、研修後は積極的に発言ができるようになった方もいます。また、定年までずっと当社で働くものだと考えていたベテランの方が目を輝かせて、「研修で思わぬ選択肢が広がっちゃった!」とすごく嬉しそうに話してくれたことも印象的でした。研修で新たな役割や使命を見つけた結果、異動や転職などの意思決定をされる方もいますが、どのような選択でもご本人のキャリアを応援したいと思っています。

津田さん:
異業種交流研修事業戦略立案プロジェクトは、実企業の経営課題に応えられる、とても貴重な機会になっています。あえて負荷の高い研修に参加したいという意欲的な参加者もおり、「10年後も覚えている研修だった」という声もありました。越境学習の場合は、研修後も関係を続けたいと思う仲間ができるのも魅力のようです。研修の内容が濃密で参加者同士が本音で語り合えるので、終わった後も関係性が続いている方が多かったですね。

異業種交流研修事業戦略立案プロジェクト プログラム概要

今後、取り組もうとしていることはありますか?

津田さん:
越境学習プログラムは参加者に気づきを与えキャリアオーナーシップを高める機会ではありますが、現場に戻ってすぐに成果を出すという性質の研修ではありません。上司の立場からすると日常業務を優先してほしいケースもあるかもしれませんが、メンバーの挑戦を快く応援してもらえる風土づくりを推進していきたいと考えています。そのために、学んできたことを自組織に還元できるような取り組みや、社内イベントで発信してもらうなど、社内により良い影響を広げていきたいと思います。

日置さん:
参加者から研修プログラムのフィードバックをもらう機会がありますが、みんな目がキラキラしていて、得たものがたくさんあるのだと感じています。今後の人生・キャリアを考えた時に、越境体験はとてもいいきっかけになります。これからも、社外に触れることで自分の価値観を変え、自分を高めていくことが当たり前のカルチャーを形成していきたいですね。ラーニングに限らず、一人ひとりの気づきやきっかけによって、会社全体に多様な思考が広がっていくといいなと思っています。

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