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新規事業提案制度 : 提案の評価は誰がどのようにするのがよいか?


 
本日のコラムは、新規事業提案制度における提案の評価について解説します。新規事業提案制度のご担当者様から、「他社はどのように審査を行っているのか?」、「自社の審査プロセスに課題があるので一般的な内容でよいのでどう考えればよいのかを教えてほしい」といったお問い合わせをいただくことがありますので、それらに回答していく形で書いていきます。
 


 

一般的な審査項目は?

 
まずは、審査項目の一般的なケースをご紹介します。
 

  • 顧客 / 世の中の困りごとが明確に定義できているか?
  • 提供価値が明確に説明できているか?/ 困りごとを解決できるか?
  • 時流やトレンドに乗っているか?
  • (将来的に)大きな事業に育つ可能性があるか?
  • 自社の目指す方向性に外れていないか? / 自社が取り組む大義はあるか?
  • 自社の強みを活かすことができるか? / 相乗効果は期待できるか? / 勝てる見込みはあるか?
  • 本人の熱意は十分か?

 
これらの項目の中から、多すぎず、少なすぎないように、4-5個が取り入れられているケースが多いように見受けられます。

要は、審査として見たいポイントは、
 
 

  1. 何をやりたいかが明確で
  2. 市場や時流に乗っかっていて
  3. 自社のスコープに収まっていて
  4. 本人がどうしてもやりたいと言っている

 
 
という4つの観点が網羅されていればよいのです。

よく聞かれる項目としては、「新規性は問わなくてよいのか?」、「競争優位性の有無をチェックしておく必要はないか?」などがあります。新規性については、極論を言ってしまえば、アイディアが新しいかそうでないかは事業の成否に関係ありません。後発でも勝てる見込みがある勝負はいくらでもあります。むしろ大企業の新規事業こそ、資金力とブランドとチャネルをフル活用して、後発から一気に捲るという勝負ができるものです。結論としては、よほどゼロイチの発想に拘るならば新規性を項目に入れてもよいですが、通常は必要ありません。

競争優位性については、厳密に審査できないので審査しない方が良いと考えます。明らかに勝ち筋が見えている事業であれば迷いなく取り組むべきです。勝ち筋が見えないからこそ、これから頭と手足を動かして検討していくわけですから、応募の段階で競争優位性を見極めることはできません。むしろ、応募者の熱意やポテンシャルそのものが競争優位性を作る可能性があるので、優位性の分析よりも人物を見た方がよいでしょう。
 


 

審査の基準は?

 
審査の基準や採点については、フェアに見ましょうということをお伝えしたいです。一般的には定量的に評価してスコアをつけることが多いようですが、定性的な判断のみでもよいと考えています。ポイントは必ず、落選者に説明ができるような審査を行うことです。審査の難しいところは、当落線上の案件を通過させる判断より、落選させる判断です。通過させるのは、比較的簡単であり、ある意味では判断を先延ばしすることを意味しています。かたや、落選させる場合には、明確に説明できなければ本人は納得しないばかりか、密室での意思決定には、周囲から不信感が生じるリスクすら孕んでいます。当社のお客様には、落選理由をフィードバックすることを推奨していますので、その際に納得度の高い説明をして、気持ちよく再チャレンジしてもらえるようにしましょう。
 


 

審査において「社外の目」を入れた方がよい?

 
外部審査員を置く企業も増えてきました。社内だけでは判断のつかない分野の提案を評価したり、審査の納得度を高めることに役立ちますので、弊社としてもおすすめすることが多いです。

人選は好みが別れるところがあり、ベンチャーキャピタリストやコンサルタントなど、目の肥えた人をアサインするケースや、社内起業の経験者やシリアルアントレプレナーなどの実践者をアサインするケースがあります。誰もが正解を知っているわけではありませんので、色々な視点を入れるとよいでしょう。

外部審査員が得意なのは、数多くの成功例・失敗例を知っているので「鼻が利く」ことです。ニーズが高まっていて筋が良さそうなテーマへの感度が高かったり、過去に似たような失敗事例を知っていたりするため、審査をする上で参考となる情報を提供してくれるでしょう。彼らの意見は経験値や直観に基づいていますので、逆に冷静な分析としての審査は少々苦手です。コンサルタントとして活躍している方でも、ひとつひとつの案件に精緻な分析をかけることは不可能ですから、多少なりとも主観が入ってきます。その点は織り込んで、割り引いたスコアとして見ると間違いがないと考えます。

注意点は、外部審査員はある種の「無責任さ」をもって審査しますので、最後はきちんと社内の意思決定者が見ることです。特に、人物に関しては社内の方が誰よりもわかっていますので、きちんと見ることは欠かせません。
 


 

人物の見かたは?

 
起案者本人についての見かたは、熱意をきちんと見ることと、不安がある場合は躊躇せず落とす、の2点だけ気をつけましょう。以前の記事、「提案するのは個人がよいのか、チームがよいのか」でも言及したとおり、個人の熱量が新規事業の推進力を左右することは明らかです。審査プロセスの中で、面談やプレゼンの場を必ず設けて、本人の熱意を測りましょう。オフィシャルな審査の場ではなかなか測りづらい場合は、カジュアルな会話の中で本音を漏らしてくれることも案外多いので、事務局が上手に立ち回るとよいと思います。

その結果、少しでも人物的に不安がある場合は、どんなに提案内容が良くても落とすことをおすすめします。

大企業だと、個人のパーソナリティを知らない場合もあると思いますので、水面下で人事部や所属部署にヒアリングを行うなどして、普段のパフォーマンスも把握して考慮しましょう。
 


 

提案のよい / 悪いに加えて、『恣意的な』判断が入るのは当然

 
企業の意思決定なので、恣意的な判断があっても構いません。内容の精度はイマイチでもテーマとして注力すべき分野なので通す場合や、起案者の人材育成の観点からチャレンジさせる場合など、様々な思惑が絡み合って意思決定されるものです。「自分には判断できないからとりあえず通す」なんてこともあったくらいです。

ただし、仕組としては公平で透明である必要がありますので、審査基準の項目で書いたとおり、説明ができるようにしておくことを忘れずに。
 


 
本日は、新規事業提案制度における審査についてまとめました。色々な工夫はあるものの、最終的には「フェア」で「オープン」であることが何より大切です。今一度、自社の審査プロセスをチェックしてみて、不透明な箇所などの改善すべきポイントがあれば是非参考にしてみてください。

本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

 
 

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