朝礼でやっているGood & Newの話

アイディアポイント岩田です。今日はチームの運営について書こうと思います。と言っても、難しい話ではなくて、私のグループで実施している朝礼について書こうと思います。当社で働く様子の一部?だと思って、参考にしてください。  


目次

そういえば、朝礼を始めたきかっかけは、リモートワークだった

元々は人数も少ないこともあって、毎日のミーティングは実施せずにチームを運営していたのですが、気がついたら、なんとなく心理的な距離が出てきたような気がしてきたのと、そうは言っても、1日に1回くらい話す機会は欲しいなと思ったのと、リモートワーク下では、私がどうしても仕事のスタートが上手に切れなかったので(ダラダラしがち)ある日、「よし、毎日、朝礼をやろう!」ということで、朝礼をスタートすることにしました。

『よさそうなら続けよう』、『意味なかったら止めよう』というつもりで始めましたが、半年ほど、続いていますので、一旦、私たちにとっては、『必要なこと』なのだろうと思います。今回は、実際に、どんなことをしていて、どんな様子なのかを書いていこうと思います。

朝礼は、↓こんな感じで進みます。このメモがカレンダーに入っていて、毎日、同じように進めます(完全に定型化しています)。実は、この「決まっている」のがポイントで、2-3日は慣れが必要ですが、慣れてしまえば、頭がこの順番になれるので簡単に報告できるようになります。

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朝、前向きな気持ちで仕事をスタートするために朝礼します!

<< 約束ごと >>

  • ファシリテータ(進行役)は、いる人のうち↓の順番
    岩田→Aさん→Bさん→Cさん
  • 話す順番は↑の逆
  • 9:00のタイミングでoViceにいる人でやります ※:oViceはバーチャルなオフィスのこと
  • 欠席の連絡は不要。カレンダーを外しておけばOK(もちろん、してもいいけど

<< アイスブレイク 10-15>>

□:おはようございます!今朝のコンディション
□:Good & New!!

<< 報告事項10-15>>

□:前日の活動
□:本日の活動
□:全体への共有事項
□:工夫・気づき、学び

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意外な発見の多いGood & New!! がおすすめ

話すことの中に『Good & New!!』という項目がありますが、人材開発 / 組織開発業界の人はよく知っている言葉だとは思いますが、一般的には、あまり知られていない言葉なので、紹介しておきます。『24時間以内にあった「良かったこと(Good)」や「新しい発見(New)」を共有する』ことです。アメリカの教育学者ピーター・クライン氏により提唱されたもので、組織やチームの活性化、信頼関係づくり、ポジティブな思考や雰囲気を生み出す効果があるとされています。きちんとした書籍で読みたい方はこちらがおすすめです。

こうすれば組織は変えられる!―「学習する組織」をつくる10ステップ・トレーニング

本当ならクッシュボールと呼ばれるふにゃふにゃしたものを持ちながら話す(そして、次に話す人にそれを投げる)と話をしやすいというのもあったりしますが、オンラインなので、特に使用してません。ちなみにクシュボール↓こんなのです。おっ、意外と高い百均で買えそうな気もおするべし、ピーター・クライン。

クッシュボール(kooshball) レギュラーサイズ  並行輸入品

私たちのグループでは、基本、毎日、やっているので、いろいろなGood & Newが共有されます。「大谷翔平がホームランを打った」、「ベランダのミニトマトがなった」、「子どもが学校で試験を受けた」、「新しく本を読んだ」、「セミナーを受けたらおもしろかった、おもしろくなかった」、「商談がうまくいった」、「お客さまとおもしろい議論ができた」、「夜中に公園で警察官に職質された」等など、プライベート、ビジネス、自分で勉強したことなど、いろいろなものが共有されます。そしてそれぞれ、本当におもしろい!のと、やはり、チームにとって、よい影響があるなと感じるので、実際に、Good & New!!を通じてよかったと感じたことをいくつか、紹介します。

1.自分が、Good & New を探して話す(で、反応してもう)ことでポジティブな気持ちになる

多くの人は、最初、「何かよいこと、新しいことあった?」と聞かれても、普段考えていないので、すぐに答えられないと思います。私たちのチームも結構、苦戦しました。なのですが、よく考えれば、「よかったこと、新しいこと」って、意外と1つや2つ、必ず見つかるものなのです。それを話して、チームで「へー」、「おもしろいですねー」と反応してもらうとやはり、うれしいものです。当たり前のようですが、実際にやってみると、結構、気持ちがポジティブになります。さすが、ピーター・クラインです。

2.他人のGood & New は、実は、本当におもしろい。なるほど、なるほど、ひとつ賢くなった、の連続

ちなみに、他の人のGood & Newもおもしろいです。もちろん、「その人」のことをよりよく理解できてくると、「なるほど、そういうのがよいと感じるんだな」等、味わい深い話も出てくるのですが、純粋に情報として知らなかったこと、自分が普段生活しているだけでは聞かないような話も聞けておもしろいです。チームメンバーのお嬢さんの保育園の話、当社でベランダ菜園が流行っているのは、この朝礼の影響なのではないかと思ったりします。参加したセミナーや読んだ本の話、趣味の話も全部、聞いていて楽しく、発見が多いです

3.日々の過ごし方、仕事の様子がわかる

私たちのチームでは、仕事でもプライベートでもどちらのことを話してもよいことにしていますが、どちらかに偏ることはなく、半々?くらいになっています。それぞれがプライベートや仕事の中で「よかった」と思うことや「こんな新しいことがありました」という話を聞くことができるので、お互いの過ごし方がよくわかります。特に、「新しく取り組んだこと」は、成果として報告する以前のやってみて気がついた、意外なところに難しさがあった等、少し本筋とは関係ないんだけど発見があったという話もでるので、きちんとした報告とは異なる話ができるので、結果的によいタイミングでよい話を聞けることが多いようです。

4.お互いの人となりがわかる & 結構、雑談が弾む

私たちのチームでも、最初の1週間は「そこそこ仕事っぽい話」が多かったのですが、毎日だと、あまり、「仕込む」わけにもいかず、結果的には、『日々あったことを振り返って、よかったことや新しいことを探して話す』という自然な形に落ち着きました(毎日、そんなに劇的なことは起きないもので)。結果的に、日常のことで少しよかったことや新しかったこと、普段考えていることが話題になるようになりました。そうすると、お互いがプライベートでどんなことをしているか、どんなことに関心があるか(へー、テレビドラマ好きなのかーとか、家族でこんな会話してるのねとか)、何をやっているのかとか(岩田さんは、100kmマラソン走るんだーとか)、そういう話になり、多少、自由に話してもよいことにしているので、それなりに雑談が弾んだりします。当社もバーチャルにオフィスは用意しているのですが、本当の『ザ・雑談』をする機会は、実際にはしていない&しにくいので、お互いのことを知るよい時間になっているのだと思います。

話すスキルと日々の過ごし方がよくなっている!!!

これは意図したものではありませんが、メンバー、全員、話すのが上手になっています!特に、意識したわけではありませんが、仲間内とは言え、話す場があること、話すべきフォーマットが決まっていて、みんなが聞いてくれるので、意識的 / 無意識的にトレーニングになっているのだと思います。私も含めて全員で同じフォーマットで話をしているので、お互い、参考にしあっているのかもしれません。理由はいくつかありそうですが、話が非常に上手になりました。また、私も含めて、周りが楽しそうに聞いてくれるので、「せっかくだから、何かよかったことないかな、新しいことないかな」と思いながら、毎日(本当に毎日!)過ごすようになるので、割と気持ちも明るくなります。この辺は、メンバーと話したことはありませんが、割と、「あるある」なのではないでしょうか。


実際に、朝礼とGood & New!! を進めるときのポイント

今回は、当社で実施している朝礼とその際のGood & New!!という方法について説明しました。基本的には、特に、今回書いた以上の仕組みや仕掛けはありませんが、実施する際の3つのポイントを解説して、おわりにしたいと思います。

ルール、フォーマットに沿って進める / 話す(内容は自由なんだけど、フォーマットは守る)

事前にルールやフォーマットを提示しておいても、その場になると、「自分が話したいように話す」人は意外と多いです(悪気はなくても)。また、そのような人は、根本的に、「話すべきこと」よりも「自分が話したいことを優先する」傾向があるため、ダラダラ話しがちです。朝礼はテンポよくさわやかに進めたいものです。なので、基本的には途中で遮ったり、訂正しなくてよいのですが、フォーマットから外れたときには、必ず戻るようにします。できれば、事前にある程度、準備してすっきりと話すような習慣がつくとよいでしょう(みんな、どれくらい準備しているんだろう?)

小さなことでもOK。意識的に楽しそうに話す、楽しそうに聞く

普通の人は、人前で話すとき / 人前で自分の意見を述べるときには不安なものです。特に、Good & New!!のように「私は〇〇だと思いました」というように個人を主語にしなくてはいけないときは、より不安になるものです。なので、まずは、聞く人が楽しそうに聞くことを意識してください。また、話す人も、あまり、言い訳したり、びくびくしたりせずに(「おもしろくない話なんですけど」、「あまり新しくないんですけど」といった枕詞は不要です。「特にありませんが」も余計な一言ですね)、堂々と楽しそうに話すことを心がけてください。聞く側のみなさんにとっても、グチグチ言い訳っぽい前置きをして話されるよりも、「みなさん、こんなことよいこと、新しいことがありました。すばらしいでしょ」と話してもらった方がさわやかですので、ぜひ、話してしまってください。実際に、その方がスマートです。

サラッと進めて、最後はさわやかに、前向きに終える

これはファシリテータが意識するべきことですが、朝礼の目的は、「するべき確認事項をきちんと確認して、よい気分で、1日をよーい・ドンでスタートする」ことです。なので、可能な限り前向きな雰囲気で終わるように意識してください。部下を詰めるなんてあり得ません、深刻な相談や注意、混み入った難しい話は後に回して(その件は、後で個別に話そうねでOKです)、朝礼では、1日の初速をつけるつもりで終わらせましょう。私の場合は、つい、口から出てくる、「お疲れさまでしたー」という言葉を飲み込み(言いそうになる)、「では、今日もみなさん、1日、がんばっていきましょう!」で終わることにしています。ちなみに、心の中のイメージは、めざましテレビのアナウンサーが最後に言う『今日も元気にいってらっしゃい』です。


ということで、今回は私のチームで実施している朝礼の内容とその運営のコツについてご紹介しました。リモートワークになって、それぞれがそれぞれの場所で働いていると小さなコミュニケーションミスが積み重なりやすく、日々、コミュニケーションが取れていないと上手に問題に対処できなくなりそうに感じることも多くあります。

個人的には、朝、どうしても、ダラダラ、仕事をスタートしがちになるので、あらためて、自分なりに仕事を整理して、チームで共有して、「今日も、がんばっていこー!」というのは朝礼の一番の価値だと感じています。

テレワークで毎日憂鬱で仕方がなかったり、どうしても仕事のやる気が出なかったり、心が荒んだりしている方、チームの中のコミュニケーションがうまくいかなかったり、なんだか疎遠になってしまったり、イライラ・カリカリしたり、チームが崩壊しかかったりしているみなさんだけでなく、もうちょっと話す機会があればなーというみなさんもぜひ、参考にしてみてください!!

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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