長時間 or 長期間のグループワークの「進め方」についてアドバイスします

アイディアポイント岩田です。みなさま、いかが、お過ごしでしょうか。私の方は、1月中に仕事のコントロールを取り戻しつつあります(ひとまず、安心。もう少し時間があれば、もう少し回復するはず)ということで、引き続き、がんばっていきましょう!

さて、最近、いくつかのワークショップやプロジェクトで、グループワークの「進め方」についてアドバイスをする機会がありましたので、今日はその内容について、書きたいと思います。これから説明する内容は、1時間、数日、数週間かけて取り組むものです。

数十分のものや数か月に及ぶ「本当の」プロジェクトは対象外です。あしからず。短いものは、基本的には「ダッシュで取り組む」だけですし、数か月のものはさすがに設計しない人はいないと思いますので対象外です。

目次

『プロセス』と『時間』をコントロールすることを忘れない

基本はどんな場合でも同じです。必ず、最初に、目的・ゴールを確認しましょう。何のために取り組んでいるのか(目的)、いつまでにどんなアウトプットが必要なのか(ゴール)を全員で確認するところがスタートです。

実は、研修やワークショップで「1時間後に発表してください」、「明日の昼に発表してください」、「来週までにグループで検討してその内容を発表してください」というのは、意外に時間がありません。

情報収集をすべて行い、じっくりと納得がいくまで話し込んでしまうと時間が足りなくなってしまいます。

逆に、パッと話して、サッと成果物を作るには時間に余裕があります。普通は、かけた時間に対して相応の成果物が期待されることを考えると、時間をかけないものを提出するわけにはいきません。

実は、時間が「ありそうでない」ので難易度が高いと言わざるを得ません。と言いながら、普通は、そういうことは言われませんので、「おっ、なんか時間あるな」と思ってしまいがちです。その考え、甘いです。


議論を始める前に… 大事なこと言います。議論は書くべし!書くべし!書くべし!

実は、効率よく議論することは、難しいことです。思いついたことを「あーでもない、こーでもない」と話しているとあっという間に、1時間くらい時間が過ぎてしまいます。そこで話した内容が残っていなかったとすると後で見返すとその時間は、「ほとんど無駄」だったことになります。

そんなこと、あるよね?(アメリカの通販番組風)

なので、必ず話したことは書きとめておきましょう。ツールはデジタルでもホワイトボードや模造紙などのアナログなものでも構いません。共有して、見えるようにしておきましょう。

大事なのは「残っている」ことなので、キレイに書く必要もありません。まとまってなくてもOKです。話したことは必ず書くことが必須です。

人間は驚くほど忘れますので、書いておきましょう。大切なことなので、もう一度、言います。書きましょう。書くんだよ。わかったな、書くんだ!数時間後?明日?来週のみなさんが、今の皆さんに感謝するときがきます。書きましょうね。


最初に必ず『発散する』プロセスを確保する ← ここが実は超大事!!

お題やワーク、課題が提示されると、つい、「どんな内容を提案、発表しようかー」、「そうだなー」、「こんなのはどうかなー」、「でもそれってさー」となんとなく議論がはじまりがちです。

それも悪くはありませんが、そのまま、「どうしようかなー」が続いて、時間がなくなって、「そろそろ決めようかー」、「そうだな―。他にないしな―」と決まったり、最初の段階で飛びついたアイディアのまま進めることが多く見受けられます。

そのまま最後まで検討を進めようとした結果途中でそのアイディアがダメでも引き返せなくなったり、イマイチ、本当にそれでよいのか自信が持てなかったり、せっかく話しても、「全体像がわからない」、「ジャストアイディアなんじゃないの」と言われたりするというケースが後をたちません。

グループの中からも「他にもよいアイディアがあるのではないか」と意見が出て、議論が戻ったりと非効率です。精神衛生上もあまりよくありません。

プロセスを設計する際には、最初に、アイディアを『発散させる』プロセスを確保しましょう。

ここは、大事なプロセスで、新規事業の提案では現時点で考えられるアイディア、課題解決であれば現在課題だと感じていること、お互いの興味や課題意識など、最初に、話しておきたいこと、言っておきたいことを全部吐き出しておくプロセスのことです。

このプロセスを実施することで、全体像が把握できますし、相互理解も深まります。また、その後、「そういえば、思いついたんだけど」、「実は、最初から思っていたんだけど」ということがなくなります。

進んだ議論が戻ることほど、非効率でストレスなことはありませんので、ぜひ、最初にこの『発散』するプロセスを入れておきましょう。


タイムマネジメントで見落とされる『休憩』の意味、意義 ← 集中力が切れたら休憩しよう

これは、個人的な感想ですが、みなさん、議論の時間が長いです。集中できているのであれば、それで構いませんが、疲れたら休憩しましょう。ちなみに私は、極端に集中力が持たないのですぐ休憩したくなります。飽きっぽいのです。ごめんなさい。

実は、休憩にはいくつかの効果があります。ひとつめは、リフレッシュする効果です。これが本来の目的です。議論していると疲れるのでリフレッシュしましょう。ふたつめは、「区切り」、「節目」という意味です。休憩を入れることを決めればそのタイミングまで集中できますし、休憩を入れるとその後、次の話題にも移りやすくなります。みっつめは、「一人で考える時間」です。意外と見過ごされがちですが、グループで考えていると意外とゆっくり考えることができません。休憩を入れることで少し落ち着いて考えられることも確かにあります。

ということで、休憩は有効に使いましょう。適宜、休憩しましょう。あらかじめ、時間を決めておいても構いませんし、逆に、ある程度、行き詰ったら休憩することにしても構いません。

個人的には、①話が進まなくなったり、②同じ話が繰り返され始めたり、③内職するメンバーがではじめたり、④疲れの色がではじめたら、休憩の合図だと思います。

ずっと話し合っていることがよいことではありませんので、上手に休憩を入れて、集中力を保ちましょう。本当に、みなさん、よく集中力が持つなといつも感心します。無理をしていなければよいのですが。


議論が行きづまったら、『手を打つ』 – 悩まないで考える –

議論が堂々巡りになったり、先に進まなくなったら、手を打たなくてはいけません。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、意外と気がつかないで、ダラダラと話し続けているケースが多いようです。

手が動かなくなったら、以下のことを試してみましょう。

  • とりあえず、休憩して新しいアイディアが浮かばないか考えてみる
  • 気晴らしに、他の人と話してみる
  • 何かを調べて、今までにないことを話してみる

・・・
実は、やることは何でも構いません。とにかく、「今までとは違う」ことをすることです。「何かないかなぁ」、「困ったなぁ」と悩んでいる時間は、結果的にはほとんどムダです。どんなことをしても、とにかくアイディアを考えて、書く作業をしましょう


実はなんとかなる『資料づくり』の時間

資料をまとめる時間は、意外となんとかなるものです。実作業なのと間に合わないとモロにばれるので、とても気になる気持ちはわかりますが、実は、極限まで削ってOKです。

特に、大企業で働かれている方は、大体、得意なので、最後はなんとかなるものです(若干、無責任な発言ではありますが)。ここは、ギリギリまで議論して、一気に資料を作るように時間をコントロールしましょう。

逆に、資料作成の時間は「確保したら無限にやっていられる」作業でもあります。実際に、グループワークの様子を見ていると、中には、グループワークと言いながら、個人が「延々と資料を作っている」ような状況にも出くわします。グループワークなので話せばいいのにと思ったりするのですが

資料作成はいくらでも時間を使えますので.. 勇気を持ってこの時間はギリギリまで削ることをおすすめします。


プレゼンテーションの『準備、リハーサル』はコスパのよい時間の使い方

報告、発表の準備、リハーサルは、実は、コスパのよい時間の使い方です。ある程度、直前になったら、資料の作成は切り上げて、発表の練習をした方が効率的です。

たまに、直前まで資料を作りこんでいて、「ぶっつけ本番!」と発表するグループがありますが、やはり、ほとんどの場合、うまくいきません。不思議なことに、ご本人は、うまくいったと思っていることが多いのですが

結論が変わらないのであれば、多少の見栄えは、プレゼンテーションの成功 / 失敗には、あまり関係がありません。それよりも、きちんとわかりやすく説明する、誤解のありそうなところに関しては、詳しく話すなど、直接、聞き手に関わるところの方が成果に影響を与えやすいようです。

さらに、練習するのであれば、プレゼンテーションの「最初」と「最後」です。最初にプレゼンテーションの目的、概要をきちんと話すことができれば、ほとんど大きなミスをすることはありません。逆に、最初に概要をきちんと話せなくて、「何について話しているのかわからない」ケースが多く見受けられます。最後の「締め」は、特に、印象に大きな影響があります。最後に、きちんと結論を述べることで内容がよりはっきりと頭に残ります。時間がないときには、最初と最後だけでも何度も練習するのがよいと思います。

プレゼンテーションの準備、リハーサルは、どれだけタイトなスケジュールでも必ず確保するようにしましょう。


『時間がきたら終わる』わけではない。『なんとなく』取り組まない

ということで、今回は、長時間 or 長期間のグループワークの「進め方」についてのアドバイスについて書きました。「時間がありそうでない」場合には、意外と時間の使い方や進め方(プロセス)で失敗しているケースがありますので、自分たちで『コントロールする』ことを覚えておくと、より効率的に議論ができると思います。ということで、みなさん、少し長めのグループワークを実施するときには意識してみてください。

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株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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