秀逸な課題 – 谷を越えろ!

アイディアポイント岩田です。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

研修プログラム開発秘話?シリーズ第2弾です(これまで、ほとんどのシリーズは第2弾で終わっているので、今回もこれで終わるかもしれない…)。今回は、同僚と議論したときに出てきた「本当はこういうワークやりたいよなぁ~、ってどんなのがある?」と話したときに紹介した動画です。


目次

レゴ(マインドストーム)を使って、谷を越えよう!!

この動画は難しいものではありません。最初、机の間が5cm空いていて、それを乗り越える。その後10cm、15cm……と間が伸びていくのを試行錯誤しながら越えていくというものです。もしよければ、最初の方を見てみて、10cm超えたあたりで、最後、何cmまで越えられるようになるのか予想して最後まで見てみてください。いかがでしょうか?


私が『本当はこういう課題をやりたいんだよなぁ』と思う理由

この動画、私自身は好きです。純粋に変わっていく様子が楽しいです。もちろん、レゴが男子の心をくすぐるというのもあります。精密機械工学科の血が騒ぐのかもしれない。ただ、それ以上に、『あぁ、こういう課題を設定してワークをできたら楽しいし、学ぶところも多いだろうな』と感じることが多くあります。具体的には…

  • とにかく課題がわかりやすくて、おもしろいこと。「何cm渡れるか」という誤解のしようがない明確さ。何をすればよいのか誰も迷わない。明確さがすばらしい。最初のゴールや期待の時点で『?』となると、ワークしにくいですからね

  • 徐々に?勝手に?課題が伸びていくこと。その人の能力や志向によって課題が徐々に高度になっていくこと。そうなっても他の条件が変わらないところ。実際の研修だとできる人 / できない人、知識の差などがどうしても出てきてしまうのでこの設定はすばらしいと思います
  • 『正解』がないこと、複数のアプローチができること、工夫の余地があること。動画では1通りでしたが、おそらく、様々な方法があるのではないかと思います。『これ、正解がないですからね』、『それぞれが工夫して取り組んでくださいね』というのを言わなくてもそういう性質の課題であることがわかる点もいいですね
  • この課題であれば、必ずどこかで行き詰るし、必ずどこかで発想を転換しなくてはいけないという点も秀逸です
  • 上記に関連しますが、その結果、チームで議論する意味もありそうです。どうしても、「正解」があるものは頭のよい人が1人でサラサラ解いた方が早いものです。あるいは、じっくり考えたい人がいても「正解」がでたらそれで終わりになってしまいがちです。必ずどこかで「ここから先はみんなで考えなくては」というタイミングが出てくるのもよいところです
  • 失敗が楽しい!動画を見るとわかるのですが、前の方法でチャレンジしてその失敗を活かしながら次に進みます。「あ~、うまくいかなかった!」がわかりにくかったり、悲しいとなかなか試行錯誤しにくいでしょう。もちろん、人によると思いますが、「あぁ、うまくいかないんだ。なんでだろう?」と考える失敗がしやすいのは、レゴを使うよいところなのではないかと思います(簡単に作れるし、簡単に壊せる)
  • そして、成功はもっと楽しい!この動画は淡々と進みますが、多分、成功したらうれしいですよね
  • 試行錯誤の中に、「理論的な解説」もできそう。もちろん、何を学ぶかという目的次第ですが、なぜ、それが起きるのか、それは物理的にはどう説明されるのか等、失敗を活かしながら学べそうなポイントも多く作れそうです。大学の授業でもやってみたいかなと。何の授業になるのだろうか。構造力学?メカトロニクス?

よいワークになるのではないかと思います。


わかりやすく挑戦したくなる課題 x 適切なツール = おもしろいワーク

今回も同僚との「よいワーク / おもしろいワークって何だろう?」という議論で出てきた動画を紹介しました。実は、ワークは作るのは大変なんです、簡単だとおもしろくないし、難しいとわからないし、しっかり学ぶようにするとつまらなくなるし、おもしろくすると学びが少なるなる…そんな議論を進めながらプログラム、絶賛製作中です。近日、公開、乞うご期待!!ということで、本日のブログはおしまいです。

PS.. 私が以前、企画・運営に携わっていたレゴを使ったロボコンの世界大会では、相当、「国による違い」がありました。もの凄く大きいロボットを作る国、意味もなく?人形が乗っていたり、カラーリングにこだわっていたりと…やはり、『工夫の余地』があるとのはおもしろいものだなと15年ほど前を思い出したりしました…。

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株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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