異業種交流研修でいただく質問に全部答えます!前半(事業戦略立案プロジェクト編)

今回は、当社で実施している異業種交流研修の中で、『事業戦略立案プロジェクト』と呼んでいる30-40代の次世代リーダー層向けに経営に関する知識を、実際の課題に取り組みながら学ぶプログラムについて、よくいただく質問に回答いたします。(事業戦略立案プロジェクトに関しては、こちらをご参考にしてください。)

今回の内容に関しては、『事業戦略立案プロジェクト』に関するご質問ですが、一般的な異業種交流研修に派遣される際にも考え方やチェックポイント等は役に立つと思いますので、参考にしてみてください。また、この記事を見てプログラムに興味を持っていただけたら、ぜひ、弊社営業までお問合せください(お問合せはこちら)。

それでは、早速


目次

《研修の進め方・概要》

Q : 9日間の進め方を教えてください(講義・グループワークなど)

A  : 第一会合(最初の3日間)で、事業戦略・マーケティングの基礎的な知識のインプットとテーマ企業さまからの説明があります。その後は、グループワークを中心に研修が進行します。クラス内発表、講師が直接議論する時間、クラスディスカッションが設定され、最終日に発表という構成になっています。詳細は、別途、資料をご覧ください。全体的に、インプットのセッションは少なく(実質的には23日程度)、ディスカッション中心で進行します。実テーマを扱っているため、進捗に応じて柔軟に運営していますので、この点、ご了承ください。進行中に不明な点や学習が足りないと感じた点がありましたら、事務局または講師にご相談ください。こちらも考慮しながら進行いたします。

Q : 事前説明会では何をしますか?

A  : 事前説明会では、参加者様にコースの概要、過去の取り組み例を紹介、参加者間・事務局の顔合わせ、質疑応答を実施いたします。本研修は性質上、第一会合で集合したらすぐに「スタート」なので、そのセットアップという位置づけで行っております。テーマ企業にて業務として何年も担当している方に対して、第三者が数ヶ月で分析して『提言(=こうするべきだ)』を行うので、のんびりしている時間はありません。 第一会合のスタートで、いきなり「試合開始」なので、そこまでに準備運動やウォームアップは終えておいて、第一会合のスタート時には全力で走りはじめられるために行っております。事前説明会に参加いただき、求められるレベル、参加者の層、雰囲気などを見ていただいて、その後は、1ケ月で各人で準備していただくということを狙いに実施しておりますので、必ずご参加ください。
 第一会合の午前中から、すぐにクラスに貢献することを求められますので(アイスブレイクして、まずは、テーマを定義して、というのんびりした進め方にはなりませんので)、万全の態勢でスタートできるようご準備ください。

Q : 地方から出張のため、当日の朝10:00に間に合わないのですが、参加する方法はありませんか?

A  : 実際には、東京外からの参加者様もいらっしゃいます。もしよろしければ、前泊の手配も可能ですのでお申し付けください(別途、費用がかかりますが、この点、ご了承ください)。これまでの経験で言うと、無理して朝一番の新幹線(や他の電車)で参加されるよりは、前泊いただいて余裕を持って、研修に参加される方が、負担は少ないようです。

Q : 研修後のフォローについて教えてください

A  : 当社としてのフォローについて、先に回答いたします。当社として、ご用意している範囲では、本研修は最終発表会、その日の振り返りをもって研修終了です。その後、当社より参加者のみなさまのアンケート、グループの他のメンバーからのアンケート、発表会の採点、講師からのフィードバックをまとめて、参加者様別に、「個別フィードバックレポート」をまとめてお持ちさせていただきます。こちら、研修での貢献、周囲の方からのフィードバックをまとめておりますので、ぜひ、ご参考にしてください。

精神的にも肉体的にも結構な負荷をかけてご参加いただいた研修なので、任意ですが、集まれる機会を持ちたいというご希望をいただいて、卒業生パーティーを実施しております(最終日は、体力が残っていなくて、ゆっくり話せなかったという方もいらっしゃいますので)。卒業生パーティーでは、研修の復習だけではなく、皆様のお仕事の様子をお話しいただいたり、他のクラスの参加者とも交流できるようゆったりと立食パーティーを行おうかと、企画しておりますので、ぜひ、ご参加ください。参加したみなさまの関係が研修で終わらず、ビジネスパーソン人生で長く続くとよいなぁと考えていたりします。

各社様でも、参加者向けに個別にフォローされているようです。①レポートを書いて上長 or 人事部に提出、②上長 or 部内に報告というのが、一番、多い形式のようです(教育学的にも「自分の口から人に話す / 教える」ことで知識や学びが定着するというデータがありますので、有効な方法かと思います)。

私達としても、参加者のみなさまの業務に実際に活用できているのか、数ヶ月経った後でも、学びが残っているのか確認したいところではありますので、みなさまの取り組みもお教えください。

Q : 参加費用以外に別途必要となる費用はありますか?

A  : 参加費用 60万円(税抜)に受講に関する費用はすべて含まれています。事前の課題図書、テキスト代も含まれております。研修施設までの交通費は各自でご負担いただくようお願いいたします。研修施設までの距離が遠い参加者の方の前泊も手配いたしますので(別途、料金が必要)、事前にお申しつけください。有志で飲んだり、休憩中のコーヒーなど、 個人で楽しまれるものは個人の負担になります。不明な点がございましたら、お問い合わせください。

Q : どのような方が講師を担当されますか?講師によって内容が異なるのでしょうか?(進め方、関わり方なども含めて)

A  : 講師は当社コンサルタント・提携パートナーの講師が担当いたします。コンサルタントとしての実績だけでなく、実際に事業責任者として活躍された経験豊富な講師をアサインしております。詳細は、担当講師プロフィールをご覧ください。講師とは本コースの目的、狙い、そして、テーマの意図や背景に関して入念に打ち合わせしております。

テーマに関わらず、事業戦略、マーケティング分野で最低限学んでいただきたい内容は参加者が十分に理解できるよう講義・演習いたします。大きな構成(最初に講義・演習があって、フィールドワーク、中間発表会、最終発表会という形式)は同じですが、実際の進行は講師が参加者の皆様の様子を見ながらベストだと判断した方法で(と言っても事務局と相談、キチンとフォローしながら)進めております。講師により進め方には違いがありますので、この点はご了承ください。経験、信頼のある講師ですので、私達としてもこのような進め方が良いと考えております。途中、分からないこと、意図が不明な点やご要望がありましたら事務局にお申しつけください。

Q : 参加者にはどの程度の負担(時間外のワーク、宿題等)がかかるのでしょうか?

A  : 実際は、みなさん、研修期間中は夕食後もワークをされたり、会合の間には自主的に集まってワークされたりしています。過去には、研修期間以外に7回集まったチームもあったようです。この点から考えると実際に、参加者には負荷の大きい研修になっています。

本研修は構成上、参加者の自主性にお任せしている部分が大きくあります。ただし、テーマ企業さまの実際の担当者に提案をするため、提案の質に関しては一定以上の成果物があがるよう強く求めます。(期待をかけているという表現の方が正確でしょうか)。みなさん、研修期間中は夕食後もワークをされたり、会合の間には自主的に集まってワークされたりしています。

グループの中で稼働できない方がいると、他の方に大きく負担がかかるので、可能な限りご参加ください


《研修の狙い・位置づけ、効果について》

Q : この研修の『一番』の狙いは何ですか?

A  : 事務局・講師、一同、この研修の『本当の良さ』、『狙うべきことは何か』を毎年議論しているところです。私達としては、ひとつ挙げるとすると、「参加者のみなさまが最高のアウトプットを出すことで学ぶこと」を一番の狙いにしています。これだけ達成いただければ、この研修は成功です。最高のアウトプットが出せなくても学ぶことはありますし、最高のアウトプットになったけれども学ぶことは少なかったということも(さすがになさそうですが)あるかもしれません。

その過程で、自分とは異なる考え方に触れて触発されたりすることもあり、そこで得た仲間は一生付き合えるビジネス上の「ちょっと距離があっても信用できる仲間」だったり、そこで学ぶ戦略立案、マーケティングの知識、スキルは一生使えるものだったりします。ですが、 私達が目指す(そして、参加者様に目指して欲しい)ところは、『ベストを尽くして最高のアウトプットを出す』ことです。その中で学ぶことこそが最も大きいというのが、私達が大切にしている価値観です。

このご質問に関しては、毎年、講師・事務局で議論を続けています。何度も何度も、この点をすり合わせており、私達として信用・信頼できる講師にパートナーとなっていただいて実施しております。ベストを尽くして最高のアウトプットを出す、そこで得られるものがあるという考え方は今後も変わることなく取り組んでいきたいと思います。

Q : 具体的な『研修効果』を教えてください

A  : 具体的な研修効果について。本研修では、タフな状況を設定して、講師、グループの他メンバーからのアンケート、ご自身の評価、最終発表会ではテーマ企業さまから、オーディエンスからのフィードバックを受けられるように設定しております。歯切れの悪い回答になって申し訳ないのですが研修の性質上、実際には「ご自身で気がつくこと」がとても多くあります。

とは言え、私達としては以下のような『研修効果』を実感いただけるよう研修を進行しておりますので、こちらをご参考にしてください。

『身につける』スキルこちらは直接的にお伝えしますので、必ず効果があるとお考えください。

  • 事業戦略、マーケティングの基礎知識
  • 事業戦略、マーケティングの基礎知識を実業務に活用するスキル
    (ぜひ、ご自身の仕事で活用ください!)
  • ディスカッション、ファシリテーションのスキル(自己流、自社流を越えてください!)
  • 資料作成、プレゼンテーション(自己流、自社流を越えてください!)

『気がつく』種類の効果こちらは“結果的に”得られる効果です。多くの方は気がついていただいていますが

  • 『経営』の視点。バックグラウンドの異なる方が集まったときの最終的な議論の出発点は、『その会社とは何か』『経営として何を大切に考えるか』というところに行きつきます。多くの方にとって自身の考えを越えて、本当に『経営者の視点』を考えていただく機会になっています。
  • 『異なる考え方』を持つ人とのコミュニケーションの大変さと面白さ。多くの方は、同年代の人とでも「こんなに話すのが難しいんだ」ということに驚きます。同時に、きちんと議論を重ねることで「分かり合える部分」をさぐり、さまざまな意見から「新しい価値」を生み出せることにも気がつきます。日々の業務で、ご自身が「社内(あるいは社内最適)」になっていることに気がつきつつ、自分とは異なる考え方の人と議論し、新しいものを創り上げる大変さんと楽しさに気がつくことが多いようです。

この辺りをどのように「具体的な効果」としてお示しできるかは私達、運営側の責任だと考えております。みなさん、「充実した気持ち」で職場に戻っていただいているという自負はありますが、この「充実した気持ち」「ご自身で気がつかれたこと」が職場でどのように活かされているのかを具体的にして、次の参加者のみなさまの指針にしていただく点は、今後も私達にとって大きな課題です。

Q : 他の異業種交流研修と違うところを具体的に教えてください

A  : 『異業種交流』研修と名のついている研修コースは、多くあります。このような研修コースは大きく分類すると3タイプに分類されると思います。1つめは、『公開コース』型です。これは、1企業さまだと対象者が集まらない(該当する人数が少ない)ため、研修会社が主催して参加者を募るタイプの研修です。内容は通常のインハウス(企業内で実施される)の研修と同様で、いろいろな会社から参加者が集まるという形式です。このタイプの研修は、一般的にはリーゾナブルで、内容もきわめてオーソドックス(どの会社でも役に立つ一番、オーソドックスな内容を実施するため)なものが多いです。『異業種交流』の要素はコースによって様々ですが、あまり、明確に交流しているところは少ないように見受けられます。

2つめは、『私塾』型です。『○○塾』という形式で、講師 / ファシリテータ―が全面に出て、そのコンセプト(思想?)に参加者が集まるものです。この形式の研修は、講師の考える『○○とは?(ex. 経営とは?)』という思想をベースに研修が展開されるものです。講師のリーダーシップが非常に強く発揮される研修コースなので、講師を中心に非常にクラスがまとまる(=結束が固くなる)のが特徴です。考え方が非常に近いが、異なる業種の方達が集まっているので、非常に結束が固く、『仲間づくり』としてはもっともよいと考えられます。ただし、この種類のコースは、講師の思想、コンセプト、進行の影響が大きいので、必ず講師の思想が自社の社員にふさわしいか吟味されることをお勧めします。また、この種類のコースは非常に数が多いので、コースとしての『特徴』をどうしても強く出さざるをえません。この点からも、極端な思想になりがちなので、この点、考慮いただくとよいと思われます。

3つめは、これが一番多いのですが、異業種交流会に勉強会がくっついたものです。景気がよくなると増えて、景気が悪くなると減るのが、このタイプのコースの特徴ですが、最近は、あまり流行らないようです。一番、リーゾナブルなものは、ルノアールの会議室での名刺交換会ですが実際に名刺交換会で人脈を築くのは、一部のビジネスに携わる方(BtoCの対面営業をしている方)には現実的かもしれませんが、多くの方には不向きなように感じます。このような会合も、様々なものがありますので、とても役に立つものもあるように感じますが、『研修コース』とは異なるものだと考えていただきたいと思います。

当社のコースですが、タイプの1つめと2つめの『良いところ』を上手にミックスさせようという位置づけで行っています。その際に、『実践力』を重視するために、実際の企業さまのテーマを題材に取り組むようにしています。実際の企業さまのテーマを扱うことで、様々な苦労(研修コースとしての)が発生しています。実ビジネスを題材としているせいで「不足している情報がある」し、「理屈とは全然異なる力が働くこともある」し、「わかっていてもできないこともある」わけで実際には『これこそがビジネスである』ということで、あえて実ビジネスを題材とするということを続けています。この点を理解しつつ、基本もきちんと身につけられるよう、講師には、実務経験もコンサルティング経験も十分で、この手間(講師から見ると)をおしまず、理論の限界も理解しつつ、逆に理論をどうやって武器にできるかお伝えできる講師を揃えております。参加者のみなさまにも、負荷を許容していただきつつ、必ずしも正解がない中で、その時点、限られた情報の中で最善の解を求めることに取り組んでいただいています。

私達としては、このような『きわめて、実務的な場面で真剣に議論し合う』ことこそが、『異業種交流』の価値だと考えております。この点は、基本的なコンセプトとして継続していきたいと考えております。いまどき、こんなに「やらされる(やらざるを得ない)」研修も珍しいと言われますので、それも特徴かもしれません。


長くなってまいりましたので、今回はここまでとさせて頂きます。次回は、『参加企業・受講者』についておよびその他によくいただくご質問について回答させていただきます。次回の記事はこちらよりご覧ください。

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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