
アイディアポイント岩田です。気がつけばもう8月…本当に暑い時期になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私の方は、7月からラジオ番組スタート!ということで、絶賛、放送中です。次回は、8/13(木)放送予定。聞いた人からは、ほぼ間違いなく「昭和のラジオっぽさがよかった」と言われるのですが…誰か令和の(あるいは平成の)ラジオ教えてください。どの辺が昭和っぽいのか…。お便り・質問コーナーもあるのでお待ちしています!お便り・質問コーナーで読まれた方にはステッカーをプレゼント!ってこの辺が昭和なのか…。
最近、たまたまですが、経営者に必要な「やりぬく力」を鍛えるような研修がしたい!というご相談をいただきましたので、今回は、そこで議論した内容を紹介します。覚悟、必要ですよね。どうやって鍛えたらよいのでしょうか?ということで、早速、本日の内容です。本日は、提案書をAIに読んでもらってブログを作成してもらって、それを書き直して完成させてみました。どうでしょう?AI活用の議論もまたしていきたいと思います。
経営者に求められる「覚悟」とは何か──GritとResilience
経営者に求められる資質として、よく挙げられるのがGrit(グリット)とResilience(レジリエンス)です。
Gritは「やり抜く力」、Resilienceは「逆境から立ち直る力」と訳されることが多く、どちらも困難な状況を乗り越えるために欠かせない力です。Gritは、次の4つの要素から構成されると言われています。
- Guts:困難やリスクに立ち向かう勇気
- Resilience:失敗や逆境から立ち直る復元力
- Initiative:自ら課題を見つけて動く主体性
- Tenacity:最後までやり抜く粘り強さ
つまりGritとは、「勇気」「復元力」「主体性」「粘り強さ」が組み合わさって発揮される総合的な力なのです。
中でも重要だとされているのが、Resilience(レジリエンス)です。経営者であれば、失敗や想定外の出来事は避けられません。そのたびに落ち込んで立ち止まっていては、会社を前に進めることはできません。重要なのは、失敗しないことではなく、失敗しても立ち直り、また挑戦できることです。まぁ、落ち込むんですけどね。しなやかに立ち上がれと。
こうした力は、「あの人はもともとメンタルが強いから」と生まれつきの資質として語られることがあります。しかし、レジリエンスは後天的に鍛えられる能力だと考えられています。実際、多くの人は20代の頃の自分と比べると、年齢を重ねたほうが失敗への向き合い方はずっと落ち着いてくるものだと言われています。これは確かにそうだなと。

では、その力はどのように身につくのでしょうか。この点が次のテーマです。
『経験学習』の原則──人は経験から学ぶことで成長する
人材開発の分野では、「覚悟」や「やり抜く力」はストレッチ経験とそこから学ぶことで育まれると考えられています。
ストレッチ経験とは、現在の実力より少し(あるいは大きく)背伸びをしなければ乗り越えられない仕事のことです。タフアサインメントや修羅場経験と呼ばれることもあります。一般的には、下記のような経験をタフアサインメントや修羅場経験とすることが多いようです。これらに共通するのは、正解がなく、関係者も多く、これまでの経験だけでは対応できないという点です。
- M&AやPMI
- 新規事業の立ち上げ
- 海外事業への挑戦
- 事業再建
- 全社横断プロジェクト
重要なのは経験することだけではありません。経験したあとに何を学び、次にどう生かすかを振り返ることではじめて成長につながります。ここが経験学習と呼ばれるものです。修羅場だけ経験させても、振り返る機会がなければ、単なる消耗で終わってしまいます(意外とのど元過ぎると忘れる人は多い)。このプロセスが『経験学習サイクル』と呼ばれるものです。詳細は、過去ブログをご覧ください『大人の学習』の基礎理論 – 経験学習サイクル

余談 : 私自身のストレッチ経験
私にとって最大のストレッチ経験は、新規事業 / ファーストキャリア、アイディアポイントの立ち上げがそれに当たります(振り返ってみればですが)。これまでの仕事ではある程度、「決められた枠組み」の中で成果を出すことが求められていましたが、新規事業では、その枠組み自体を自分でつくらなければなりません。誰も正解を持っていない中で、「これでいいのだろうか」と自問自答しながら前へ進む。その経験は、どんな研修にも代えがたい学びになりました。
もう一つ印象に残っているのが、トラブル案件の解決です。関係者一人ひとりの話を聞き、それぞれの立場や思いを理解しながら、全員が納得できる着地点を探る仕事でした。誰か一人の意見だけを採用すれば済む話ではありません。それぞれが「自分こそ正しい」と考えている状況で、全体最適を考えながら意思決定していく必要がありました。
この経験を通じて強く感じたのは、「話を聞く」ということは想像以上にエネルギーを使う仕事だということです。相手の言葉だけでなく、その背景にある不安や期待まで理解しようとすると、面談が終わる頃にはぐったりすることも少なくありません。しかし、その積み重ねによって少しずつ全体像が見え、最終的な解決策が見えてくる。そのプロセスは、今でも私の仕事の土台になっています。
それ以外にも「あんな経験」や「こんな経験」… 思い出したら腹立ってきた。ふざけんな。は置いといて、『修羅場が人を育てる』のは間違いない事象です(だからと言って、成長するために修羅場にいったわけではありません。あしからず。結果論です)。
振り返ってみると、これらの経験に共通していたのは、「答えを持っている人が誰もいない状況で、自分で考え、自分で決め、自分で動く」ということと「その責任を取る覚悟を持つ」でした。これこそが、ストレッチ経験の本質なのだと思います。
ここで、ひとつ注意。ストレッチゾーンの外に行くとパニックになって壊れてしまいますから、どの程度がストレッチなのかはきちんと見極めてくださいね。自分の経験だとパニック一歩手前でしたが…まぁ、ギリギリセーフでした(アウトだったかもしれないと思わなくてもない)。ドラクエと一緒です。最初の城の周りでウロウロしていてもなかなかレベル上がらないけど、一気に次の次の町を目指すと死にますからね。ちょうど、次の町にたどり着けるくらいがいいのです。

研修プログラムでストレッチ経験 / 修羅場体験を「擬似的」に再現する方法
とはいえ、本物のストレッチ経験を誰にでも用意できるわけではありません。新規事業の立ち上げや大規模プロジェクト、トラブル対応などは、タイミングや環境に左右されます。
そこで人材育成では、こうした経験を擬似的に再現することが重要になります。例えば、留職や異業種交流研修への派遣、社内横断プロジェクトへの参加、経営者への提案活動などが代表的な手法です。必要に応じて、スキル研修を組み合わせることで学習効果を高めることもできます。
形だけを真似ても意味はありません。ストレッチ経験として機能させるためには、少なくとも次の3つの要素が欠かせないと考えています。
① 自分自身を見つめ直す機会をつくる
まず大切なのは、自分の価値観や強み、キャリアについて考える時間を持つことです。特に若手~中堅社員の場合、十分な自己理解がないまま課題だけ与えられることがあります。しかし、自分は何を目指し、何に挑戦したいのかが整理できていなければ、せっかくの経験も受け身になってしまいます。ストレッチ経験は、「やらされる仕事」ではなく、「自分自身の成長につながる挑戦」として受け止められてこそ意味があります。
② 適切なストレッチ課題を設計する
次に重要なのは、課題そのものの設計です。理想は、これまでの経験が活きつつも、それだけでは乗り越えられないテーマです。会社への影響が大きく、多くの関係者を巻き込み、自分で考えながら進めなければならない──そのくらいの難易度が望ましいでしょう。簡単すぎれば成長はありませんし、難しすぎれば自信を失ってしまいます。参加者一人ひとりにとって「少し背伸びをすれば届く」レベルを見極めることが、プログラム設計者の腕の見せ所だと思います。
③ 振り返りを必ずセットにする
そして最も重要なのが、経験を振り返る機会です。ストレッチ経験は、経験しただけでは学びになりません。「何が起きたのか」「なぜそうなったのか」「次に同じ状況ならどう行動するか」を言葉にすることで、初めて経験が知恵へと変わります。実際、同じ経験をしても、「大変だった」で終わる人と、「次はこうしよう」と学びに変えられる人とでは、その後の成長に大きな差が生まれます。だからこそ、上司やメンター、1on1では答えを教えるのではなく、問いを投げかけながら本人の内省を促すことが重要なのです。
まとめ – 経営者に必要な「やりぬく力」は一朝一夕には身につかないが、「きっかけ作り」はできる
GritやResilienceは、生まれ持った才能ではなく、ストレッチ経験と振り返りの積み重ねによって育まれる力です。私自身、新規事業の立ち上げやトラブル対応を経験していなければ、経営者として今ほど落ち着いて意思決定できていなかったと思います。当時は必死でしたが、その経験の一つひとつが、少しずつ自分を鍛えてくれました。
企業で人材育成に携わる方には、ぜひ「本物のストレッチ経験をどう用意するか」と、「それが難しい場合に、どう擬似的に再現するか」の両方を考えていただきたいと思います。
もちろん、万能なプログラムはありません。対象者や組織によって最適な方法は異なります。ただ、一つだけ共通して言えることがあります。経験なしでは人は育たないし、経験させるだけでも、人は育ちません。
経験を振り返り、自分の言葉で学びを整理し、次の行動につなげる。そのプロセスまで設計してこそ、ストレッチ経験は本当の成長につながるのだと思います。
ということで、今回は経営者に必要な「やりぬく力」をどう鍛えるかをテーマに書いてみました。人は経験からしか学べないことも多くありますが、実際に経験できなくても取り組めることはあります。当社でも、「やりぬく力」を(疑似的に)鍛える研修、取り組んでおりますので、興味のある方はご相談ください!!
本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹
PS.こちら、冒頭のステッカー。犬がかわいい(と思っている)この辺も昭和なのか…










