アイディアポイント岩田です。最近は天気が不安定ですね。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。私の方は、企業様からご依頼いただく仕事の納品は一段落して、最近では、主に、9月以降の打ち合わせが中心です。リピートいただける仕事も新しいお仕事も楽しみです(リピートいただく案件も、毎回、メンバーが違うので、毎回、楽しみだったりします)。
7-8月は、外部セミナーの登壇がスタートします!ということで、今回は、その宣伝…と少し舞台裏を書きたいと思います。どのプログラムも、私はメインのファシリテータではなくて、一部のコマを担当させていただくだけですが、どのプログラムも大変素晴らしいプログラムなので、ご興味があればご連絡ください。!今年はもうスタートしてしまいますが、来年度の分はご案内させていただきます。
私が登壇するプログラムは↓↓↓こちらです。
日本生産性本部 経営アカデミー イノベーション・デザイン コース
東京理科大オープンカレッジ 企業変革を推進する4つの最新経営コンセプト
基本的には、どのプログラムも「様々な会社」が集まって、「会社 / 社会を変えていこう!新しいことをやっていこう!」という趣旨で実施されているものです。比較的、時間をかけて、じっくり取り組むプログラムになっています。「ちょっと話を聞きたい」くらいだと苦労するかもしれませんが、しっかりと気合いを入れて、聞いて取り組めば、社内にいるだけでは知り得なかった、あんなことやこんなことを知ったり考えたりするきっかけになるのではないかと思います。ということで、熱烈な推薦はここでおしまいにして、参加者からは見えにくい裏側について、主観的に解説していきたいと思います。
講師、ファシリテータ、事務局の『志』が非常に高い(何度も、時間をかけて議論している)
参加者としてパンフレットを見るとわかりにくいかもしれませんが、実際にプログラムを作る前に、何を『テーマ』にして、どんな『人、会社』に集まってもらい、『何を』してもらうのかについて、何度も話し合いを重ねます。
それぞれの主催者が音頭をとりますが、講師、ファシリテータ、事務局、それぞれの考えをぶつけながら決めていきます。所謂、「意思決定者」と呼ばれる人が決める(決めてくれる)わけではないので、チームで何度も推敲しながら検討します。当然、講師、ファシリテータ、事務局、それぞれにやりたいこと(必要だと思うこと)はあるので、その内容が重要です。チームで納得するまで議論するので、ここは、結構、時間がかかっています。
実際は、参加する企業や受講者に打診しながら反応を見てみたり、プログラム上の制約(期間や予算、他プログラムとの兼ね合い)等もあるので、「うーん、全部、やりたいけど、削らざるを得ないとしたらどこか」、「うーん、反応が悪いけど、なんでだろう」、「こんな話が出たな」、「ここだけは譲れないというところは死守」みたいな話も出てきます。
実施の際にも意図通り進むところ、進まないところが出てくるため、都度、修正、細かいフォローが必要になってきます。講師、ファシリテータだけなく、事務局のみなさんも、連絡や運営だけでなく、細かいところまで、参加者、参加企業をフォローします。
私は講師、ファシリテータとして参加者の「前に立つ」のが仕事ですが、その仕事に集中できるように(他のことは気にしなくてよいように)、事務局のみなさんには、あらゆることに気を使っていただいているのは本当にありがたい限りです。いつも、ありがとうございます(毎回、お伝えはしていますが、あらためて…)
実は、異業種の複数社が集まるプログラムは準備がものすごく大変 – 10社集まると10倍以上!?
まともな講師、ファシリテータは、あらかじめ、参加企業のことはきちんと調べてプログラムに臨みます(既に知っていたとしても、その会社の最新の動向は必ずチェックしています)。5社集まっていれば、5社分、10社集まっていれば、10社分、会社とその業界について、事前に調べておきます。
さらに、今回、自分が話す内容がそれぞれの会社にとってどんな意味があるのか、置き換えるとどのような意味があるのかも同様に考えておきます(話しているうちに、違っていてその場で修正することはありますが)。
さらにさらに、『なぜ、その違いが生まれるのか(ビジネスの性質による違い、業界におけるポジションの違い、組織のカルチャーによる違い)』、『違いから生まれるそれぞれへの示唆』まで考えておくことを考慮すると、相当、準備しておくことになります。
ということで、声を大にして言いたいのは、「教科書的なことを話して、『後は、それぞれの会社に合わせて考えてくださいねー』とか、『相互学習』と一言で片づけられるほど、楽なもんじゃない!」ということです(そういうプログラムもあるのかもしれませんが)。
難しいのは、『交流』の設計 – 仲良くなるだけではない『気づき』、『示唆』のある交流とは
講師、企画側が頭を悩ますのが『交流』の設計です。「同じテーブルに座って何か話せば仲良くなるだろう」、「懇親会、飲み会をやっとけば、仲良くなるだろう」みたいな乱暴な考え方もありますが、真剣に考えると結構、悩みどころだったりします。「知り合いは増えたけど、役に立ったのかな?」、「飲み会で話せて楽しかった」というだけでは、さすがに、プログラムを組んで研修をする意味はありませんね。
実は、バックグラウンドが異なる人同士がいきなり話だして、仲良くなったり、ビジネスの話をしたりするのは意外とハードルが高いものです。もちろん、ケースバイケースではありますが、例えば、下記のような工夫をしながら、ステップバイステップで、ビジネスに直結するような『実質的な』話ができるように考えていきます。
- 安心で安全な『場』であることを宣言して、そのための雰囲気づくりをする
- 同じレベルで自己開示していく
- 共通の『言葉』、『ルール』を設定する
- お互いに興味を持って「聞きたい」こと、「話したい」ことを整理する
- 落ち着いて、時間を持って、自由に話す時間(対話)の時間を設ける
- 『気づき』、『示唆』を整理する時間を持つ – 整理をするためのフレームワークを提供する
- 率直に議論する時間を持つ
講師やファシリテータはその様子を注意深く見守り、全体を仕切ると同時に、必要に応じて、最低限の介入をしていきます。ここは声を大にして言いたいのですが、「何もしていないように見えるかもしれないけど、ものすごく注意深くプロセスを見て考えている(そして、必要に応じて、十分なサポートをする)んだ」と…サボって見ているわけではないんですね。
このように段取りしながら、丁寧にコミュニケーションするよう工夫していくと… 当然、時間が足りません。この辺りをどのように工夫しながら効率よく交流すのか、きちんとしたプログラムは相当、気を使っていると思います(私が参加しているプログラムは、大変、気を使っていただいていて… いつも本当に感謝しています)。こればっかりですが)。
それでも『楽しい』異業種で学ぶ時間 – 新しいことを考えるなら、いつもと『違うメンバー』と『違う場所』で!
これまで、複数社が集まるプログラムは、『結構、大変ですよー』という話をしましたが、では、なぜ、そんなプログラムを企画するかというと…それ以上に企画サイドも『楽しい』『やりがいを感じる』からだということなのだと思います。
私は、立場上、「新しいことをやっていこう!どんどん、よいものに変えていこう!」 というタイプのプログラムにお声がかかることが多いのですが、やはり、「新しいことをやろう」と思ったときには、新しい環境が必要だと感じます。
アインシュタインが言ったと言われる言葉で、本当はアインシュタインは言っていなかったという有名な言葉、すなわち、アインシュタインなら言いそうだと多くの人が騙された言葉で
「狂気とは即ち、同じことを繰り返し行い、違う結果を期待すること
(The definition of insanity is doing the same thing over and over and expecting different results)」
というものがあります(詳細はこちらで)。
やはり、新しいことをやろうと思ったら、新しい仲間、いつもとは違う場所が必要なのではないかなと思います。
ということで、私の方はこれから異業種型のプログラムがスタートしますが、今年も楽しんで精一杯、がんばってこようと思います!ということで、今回は、少し宣伝 & 異業種交流研修のすすめでした。雨降ったり、暑かったりしますが、体調には気をつけて、夏を乗り切りましょう!
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株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹