研修事務局を担当される方は、社内手続きや調整、研修会社や講師との打合せ、開催、立会い、事後処理などとかなり忙しい上、研修だけではなく他業務も兼任していることが多いと思います。忙しい中、せっかく準備をした研修なのに、研修内容とは関係ない部分でクレームになり、受講者の満足度を下げてしまったらとても悲しいですよね。研修準備では細かい部分が非常に大切です。一つ一つおろそかにせず、どんな準備をしておけばより効果的に慌てずに研修が実施できるのか、ポイントをまとめます。
事前の準備をしっかりして、当日はバタバタせず、立ち会いのみに集中できる事務局を目指しましょう。
研修を運営する際の研修事務局の役割とは
研修事務局の役割は、受講者が研修に集中して臨めるように、環境や受講者のマインドを整えることです。研修当日、事務局が忙しくしていては、受講者の様子への気配りや、想定外のトラブルへの対応が難しくなります。どれだけ優れた研修コンテンツだったとしても、安心して学べる環境でなければ、受講者は効果的に学ぶことができません。受講者にモチベーションを高く学んでもらえるよう、事前に以下のことを伝えておきましょう。
①基本的な情報を連絡する
研修時間は何時から始まり何時に終わるのか、集合なのかオンラインなのか、どこに何時にいればいいのか、何を持ってくればいいのかなど、受講者が迷いなく気持ちよく研修に参加できるように、研修の目的やゴール、集合時間や持ち物など、基本的な情報は早めに連絡しておきましょう。
②受講者にとってのメリットを発信する
研修が受講者にとってどんなメリットがあるのかを明確に発信しましょう。研修はイベントではなくプロセスです。研修の告知、受講者募集、参加者への研修の案内などを事務的な内容に留めず、参加することのメリットが実感できるような内容を含むことが大切です。例えば、受講者が抱えているであろう課題を具体的に表記したり、過去の参加者の声を紹介したりすることも有効です。
③研修を受講するにあたっての期待を伝える
なぜこの研修を受講するのか、受講者が研修を受講した後に組織でどうなっていてほしいのか、研修を通じて学んでほしいこと、身につけてほしいことなどの周囲からの期待を明確に伝えましょう。上司からお伝えいただくのが効果的です。
⑤研修後のフォローアップ方法を伝える
研修後に何をどう実践してどんな成果を出したいかをイメージして取り組む方が、より成果に近づけます。受講者を再度集合させ成果発表会を実施したり、発展的な内容を学ぶような機会を設けたりするなど、事前にフォローアップの内容は企画をしておき、受講者に内容を伝えておきましょう。
上記をしっかり受講者に伝え、十分に研修の目的や位置づけの理解をした上で、研修に参加してもらいましょう。
集合研修の場合は環境や備品の確認を念入りに
一つ一つは大したことがないのですが、当日嫌な汗をかかないよう、以下についてもしっかり確認しておくと安心です
①映像・音響設備
- いざ開始となってからプロジェクターからの画像が写らないというトラブルが多いです。事前にテストしておきましょう。
- PCを講師が持ち込む場合、PCの種類や接続端子も確認しておきましょう。
・投影する資料に動画はあるか・音声データはあるのかを確認しておきましょう。
・プロジェクターからPCまでなど、ケーブルがしっかり届くのかを確認しておきましょう。
②チェックが漏れがちな備品例
- ホワイトボードマーカー:インクが全部出るか、必要な色が揃っているか
- レーザーポインタ:電池が切れていないか
- 延長コードは必要か
オンライン研修の場合は特に事前案内が明暗を分ける
最近はオンラインの研修や打ち合わせに慣れている受講者も多いと思いますが、オンラインの場合は受講者の参加場所もそれぞれ異なるため、集合研修のように会場に来てもらえさえすれば何とかなる、ということがありません。受講者への事前案内には以下の内容をしっかり盛り込みましょう。
①研修を受講する環境をしっかり準備する
- 講義形式の研修であれば問題ありませんが、グループワークを実施する場合、内容によっては周囲に人がいることで発言しづらくなり、それが受講者の不満になることもあります。発言する研修ではしっかり声を出せる環境で受講いただきましょう。
- ご自宅での受講の場合、家族のケアをしながらでは集中できません。業務と同じく集中できる環境で受講いただきましょう。
- 安定したネットワークを確保できる環境で受講いただきましょう。ご本人だけではなく、他受講者に影響する可能性もあります。
②当日の緊急連絡先を明記しておく
回線トラブルや急な電話対応による離席など、オンライン研修では集合研修よりも受講者の状態を把握することが難しくなります。電話番号やメールアドレスなど、事務局の連絡先を必ず事前に連絡しておきましょう。
③名前の入力ルールを案内しておく
受講者のオンラインツールでの表示名の入力ルールをあらかじめ提示しておきましょう。出欠確認が容易になり、入室許可がスムーズに実施できます。また、グループワークを実施する場合は、各部屋(ブレイクアウトルーム)への振り分けが容易になるため、負担がぐっと減ります。
④受講者が共同編集できるツールの確保
研修にてグループごとに成果物を作成する必要がある場合は、受講者が共同編集できるツールがあるとスムーズに進行します。初めて扱うツールだと受講者が研修の内容に集中しづらくなりますので、受講者が普段から使い慣れているツールを確認し、準備しておきましょう。
本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社アイディアポイント
企画開発部
藤原 梢