講師、受講者からの信頼を得られる研修事務局の動き方

講師、受講者からの信頼を得られる研修事務局の動き方

研修事務局の仕事として研修の企画や講師のアサイン、会場の準備など、研修前に大きな山場がありますが、いざ研修が始まれば、あとは講師に丸投げ、それで仕事が終わったと思っていませんか?確かに事前準備は細かい調整など一番気を遣う部分ではありますが、研修当日にも非常に重要な役割があります。

連続で予定されている研修でない限り、講師と受講者は研修当日に初めて会うことがほとんどだと思います。もちろん講師と受講者がその場にいれば研修は成立しますが、講師、受講者ともに研修の背景や目的、狙いを十分に理解して、集中して、リラックスをした状態で研修に臨んでもらうことが、研修の効果をより高めます。

通常の業務でも、常に緊張した状態でいるより、なぜその業務に取り組むのかを理解して、集中、リラックスした状態の方が、より効率が良く生産性の高い仕事ができるものです。

同様に、研修事務局は講師、受講者のつなぎの役割を果たし、双方にとって「安心、安全な場」づくりをする役割があるのです。安心、安全な場づくりに必要な要素として、講師や受講者に信頼をしてもらう必要があります。今回は、講師や受講者が気持ちよく研修に参加でき、かつ信頼を得られる研修事務局の研修当日の動き方について、1日の研修の流れに沿ってご紹介いたします。 

目次

会場入り時間は遅くとも60分前に

講師や受講者が会場に到着するまでにいかに早く準備を終わらせられるかが肝です。遅くとも研修開始時間の60分前(可能なら90分前)には会場入りし、レイアウトや備品配布などの準備を開始しましょう。早い方だと、研修開始30分前には来場される受講者もいます。準備をしながら受講者の出欠チェックは至難の業ですし、落ち着きがなく、バタついた印象を与えてしまいます。

バタついた中での準備は必ずヌケモレが出ます。会場の予約の関係などで時間に十分な余裕をもって準備を始められない場合は、前日のうちに準備を済ませたり、予め受講者に開場時間を伝えておいたり、複数人で対応したりといった工夫をしましょう。全ての準備を整えた状態で講師や受講者が会場に入ってきた時に、余裕を持ってさわやかに「おはようございます」と言えるようにすることが理想的な状態です。


講師との打ち合わせ

講師には研修開始30分前には来場してもらいましょう。まずは気持ちよく登壇いただけるよう、ご挨拶と感謝の言葉をお伝えしましょう。投影資料の確認などが一通り終わったら、当日の研修の大まかな流れや事務連絡をします。研修前に既にお伝え済みの内容の再確認程度にとどめましょう。

講師によっては、研修開始まで必要以上にコミュニケーションを取りたがらない方もいます(逆に、話したい方もいます)。何度も五月雨に話しかけるのではなく、必要な情報は一回で伝え、講師が最大限パフォーマンスを発揮できるよう、集中できる環境を整えましょう。


受講者の受け入れ・出欠確認

レイアウトや研修備品の準備は万端!いよいよ受講者を受け入れましょう。研修準備で元気がなくなっていたとしても、研修事務局は疲れを見せてはいけません。受講者の方は気になる通常の業務を置いて研修に来てくれていますから、研修事務局の元気がないと不安になります。いつもよりテンションを上げて、一人一人の目を見ながら、しっかり挨拶しましょう。久しぶりに会える受講者もいるかもしれません。時間や人数に余裕があれば、最近の業務の様子など、一人ひとりにプラスの一言をかけてみましょう。


事務局挨拶・講師へのバトンタッチ

いよいよ研修の開始です。事務局挨拶で、受講者へ研修開始前に動機づけをしましょう。時々勘違いをされる方もいらっしゃいますが、講師の担当範囲はあくまでも研修本編で、受講者への動機づけは研修事務局の仕事です。必要十分な情報量で必要最低限の動機づけと事務連絡をし、受講者の研修スイッチを入れましょう。

なお、事務局挨拶でお困りの方はこちらのブログをご参照ください。
事務局挨拶で必要最低限意識すべきこと、より成功させるためのポイント


研修中の動き方

研修中も事務局の役割は盛り沢山です。意識すべきこととよくある良くない例をお伝えします。

  • 意識すべきこと
    • 企画した研修内容が意図した通りに進んでいますか?内容が理解できず取り残されている受講者はいませんか?
    • 講師や受講者が事務局にヘルプを求めていませんか?
    • 照明や空調など、講師や受講者が集中できる環境になっていますか?
    • 目立つ必要はありません。黒子に徹し、必要な時に動けるようにましょう
  • よくある良くない例
    • 研修や受講者の様子には目もくれず、メールの確認や別業務の対応
    • 研修内容への過度な介入
    • 事務局ではなく受講者になりきっている

研修中は事務局の休み時間ではありませんし、受講者も自身の仕事を置いて研修に参加していることを忘れてはいけません。事務局が研修内容に無関心で自身のパソコンに集中して内職をしてしまうと、受講者のモチベーションを下げてしまうことも十分あり得ます(意外とわかるものです)。

基本的には顔を上げて講師や受講者の様子に気を配り、研修内容に関心を持ってにこやかに見守りましょう。何もしていないようで、研修という場に常に気配りをしているのが理想的な事務局の姿です。もし判断に迷う事象が発生した場合は、受講者が気持ちよく集中して研修を受講できるにはどうすればよいかを考えてみることをお勧めします。


クロージング & 当日、フォロー

企画から準備してきた研修も無事に終了しました。1日頑張った受講者には御礼とねぎらいの一言を伝えましょう。また、事後課題や事務連絡は口頭にて簡単に伝え、研修終了後すぐ、もしくは遅くとも翌営業日の午前中までにはメールで連絡するようにしましょう。講師と受講者を笑顔で会場から送り出し、これで1日が終了です。事務局の皆さんも、朝早くからお疲れ様でした!この後のフォローアップや当日の振り返りも気になるところではありますが、まずは当日が無事に終わったことを喜んで、自分をたたえましょう!どんな仕事もしっかり区切りをつける、終わらせるということが翌日以降の活力となります。

研修事務局の対応は、講師や受講者のモチベーションへ影響します。当日はバタバタせず、研修の場を作るプロデューサーとして、講師や受講者から信頼を得られる研修事務局を目指しましょう。

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株式会社アイディアポイント
企画開発部
藤原 梢

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