「社内研修がつまらない」
これは、多くの企業が直面する人材育成の課題です。
最近では、ゲーム感覚で楽しめる社内研修が数多く実施されているため、社内研修のマンネリ化やアイディア出しに困っている方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
今回は、社内研修のネタの探し方や、おすすめの社内研修のネタ10選、社内研修を実務に活かすためのポイントなど、すぐに役立つ情報をまとめました。ぜひ参考にしてください。
1. 社内研修のネタの探し方
まずは、社内研修のネタの探し方を紹介します。マーケティングの考え方を取り入れ、研修対象者のニーズに合った社内研修の実施を目指しましょう。
他社の事例を参考にする
他社が実際に行った社内研修の事例からアイディアを得ることは、最も効率がよいネタ探しの方法です。本記事でも具体的な事例を紹介しています。
社員の悩みや関心事を探る
管理職や経営層が企画する社内研修は、相手のニーズに合っていないことがあります。また、ユニークな社内研修は、「楽しかった」で終わってしまうケースもあるので注意が必要です。
研修対象者となる社員が今まさに悩んでいることを、直接聞いてみましょう。相手の悩みや関心事を深掘りすることで、意外なニーズが見えてくるかもしれません。
過去に実施した社内研修のアンケート結果を見てみる
研修後に実施するアンケートは、効果測定だけでなく、改善点や問題点の発見にも役立ちます。社内研修の実施後は毎回忘れずにアンケートをとり、今後の社内研修についての意見や要望を書く欄を設けるとよいでしょう。
2. 社内研修のネタ10選!事例を紹介
ここでは、社内研修のネタ10選を紹介します。
①謎解き研修
数人がチームになって、謎解きにチャレンジします。仕事上の顔しか知らない同僚と協力して謎解きをすることで、相手の意外な一面を知る機会になり、チームワークも自然と生まれます。普段は交流がない部署の人同士をチームにしてもおもしろいでしょう。謎解きのネタは、インターネットで検索すると数多くヒットします。
②NASAゲーム研修
NASAゲームとは、故障した宇宙船が母船から離れたところに不時着したという想定のもと、手持ちのアイテムに優先順位を付けて母船への帰還を目指すものです。このゲームにはNASAによる正式回答があり、NASAの回答に最も近い優先順位を付けたチームが優勝となります。複数人で1つの結論を導き出すコンセンサス(合意形成)ゲームの一種で、自分の意見を伝えながら相手の意見を受け入れる練習になります。
③ペーパータワー研修
複数の紙だけで制限時間内にタワーを作り、高さを競うゲームです。より高いタワーを作るためには、コミュニケーションを取りながらチームワークを築く必要があります。また、作業を進める中で、クリエイティブな意見を積極的に出す人や、全体の意見をまとめて実行に移す人など、自然と役割分担ができてきます。参加者がお互いに個々の隠れた能力を知る機会となり、より効果的なチームビルディングに役立てられるでしょう。
④マナーファイト研修
マナーファイトとは、ビジネスマナーの間違いを探すゲームです。各チームでビジネスマナーをテーマに動画を撮影し、その際にわざと間違ったマナーを取り入れます。その後、ほかのチームが撮影した動画の中で、どのビジネスマナーが間違っているのかをディスカッションします。基本的なビジネスマナーをゲーム感覚で楽しく身に付けることができるため、新人研修に向いています。
⑤野球のポジション当てゲーム研修
野球のポジションに関する情報が書かれたカードが、各参加者に3~4枚ずつ配られます。本人以外、そのカードを見ることはできません。参加者は、自分の手元にあるカードの情報を口頭のみで相手に伝え、チーム内で誰がどのポジションなのかを当てます。
ジグソーメソッドと呼ばれる手法が活用されたゲームで、バラバラになっている情報をつなぎ合わせることで正解にたどりつけるようになっています。野球のルールを知らなくても楽しむことができ、コミュニケーションの活性化に有効です。
⑥ものづくり研修
ものづくり研修には、さまざまな方法があります。実際に竹とんぼなどのモノを作る研修のほか、普段はものづくりのプロセスに関わらない社員を対象として、具体的なテーマをもとに新商品の企画書を作成する研修などが行われています。ものづくりのプロセスを体系的に理解できるだけでなく、他部署の仕事内容に触れる機会にすることも可能です。
⑦芸術研修
美術品や音楽を鑑賞しながら、作者の思いやメッセージを感じ取ります。感性を磨くのに有効な研修で、商品開発やマーケティングなどに必要な想像力・発想力を育む手助けになります。
⑧即興(インプロ)演劇研修
インプロとは、台本を使わない即興のお芝居のことで、海外では欧米を中心に公演が数多く行われています。インプロでは、自分の動きやセリフを自分で考える必要があり、相手が何を言うかもわかりません。観察力を磨きながら、複数人で1つの作品を作り上げるためチームビルディングの効果も期待できます。
⑨台本ありの演劇研修
実際の演劇の台本を使い、参加者がそれぞれの役になりきって読み合わせや立ち稽古を行います。台本がない即興演劇とは異なり、登場人物の人柄や舞台の背景を把握する必要があるため、他者理解に役立ちます。台本を作るところからチームで行ってみてもおもしろいでしょう。
⑩漫才研修
参加者が2人1組になって漫才のネタを考え、披露します。新入社員同士でいきなりコンビを組ませ、トーナメント方式で優勝を目指す本格的な企画を行っている企業もあります。ビジネスに必要なコミュニケーション能力と度胸を磨ける、ユニークな社内研修です。
3. 社内研修を「楽しかった」で終わらせないためには?
ユニークな社内研修は「楽しかった」で終わってしまい、実務に活用されないケースもあります。ここでは、社内研修を実務に役立てるためのコツを紹介します。
研修の目的を明確に示す
社内研修には、スキルの向上、社内の意識改革、コミュニケーションの促進など、いくつかの目的が考えられます。企画する側が目的を明確にすることはもちろんのこと、対象者にも目的をしっかりと共有し、必要性に気づいてもらうことが重要です。
社内研修の基本的な設計方法を理解する
社内研修の基本的な設計方法を押さえることで、より効果的な企画が可能になります。
- 現状の課題調査
- 課題の抽出と分析
- ゴール設定
- 企画(研修の方法、テーマ、実施日時、対象者など)
- 運用ルールの決定(対象者への事前告知、準備の手順など)
- 実施後のアンケート作成
企画から始めてしまうと参加者の課題解決につながらず、目的もはっきりしない研修になるため注意しましょう。
研修後に振り返りを実施する
社内研修は、実施後に振り返りを行うPDCAサイクルで効果を高めていくことが重要です。研修から一定の期間が経過してから、再度フォローアップのための研修を行うのもよいでしょう。
実務に役立つ社内研修を企画しよう
社内研修は、楽しみながら参加しているうちに実務で役立つ学びが得られるという形が最も理想的です。
そのためには、事前のヒアリングや正しい手順での設計が欠かせません。他社の事例を参考にしながら、企画者・参加者の双方にとって満足のいく社内研修の実施を目指しましょう。
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