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アイディアポイントセミナー「事業を創るヒトの育て方・見つけ方」を開催しました

2019年6月28日(金)に、グローバルデジタルハブ・東京(神保町、三井住友海上火災保険株式会社様)において、アイディアポイント主催による「事業を創るヒトの育て方・見つけ方」と題したセミナーを開催しました。

第一部では、立教大学経営学部助教授の田中聡氏より「事業を創る人を科学する」と題して、新規事業を推進するために必要な、『創る人』と『支える人』について、多くの企業にて調査を行ってきた結果をもとにお話いただきました。

 
 

期待を背負って乗り込んだ新規事業村の実態は“死の谷”だった!?

立教大学経営学部助教 田中氏による講演

 
 

事業のエースがある日突然に、新規事業村へ行かされた。そもそも彼らは、新規事業をやりたいと思って、行く人はあまりおらず、いきなり放り込まれるケースが多いようです。放り込まれた理由としては、最初は既存事業村にいる事業のエースが神様(経営者)の計らいによって、急に救ってあげるつもりで、新規事業村に送りこまれることが原因だそうです。実態としては、既存事業村へのはしごを外されるような物で、放り込まれた人は、最初に頭に描いていた新規事業との勾配格差にショックを受け、中々既存事業村に戻れない。これが多くの新規事業の実態であるとお話されました。

また、田中先生は、新規事業村に送られた人が一番悩んでいるのは「今後のキャリア」であると話しました。「あれ?俺干されてるんじゃないか」「新規事業村でキャリアアップしている人はいないのか?」そう考えるようになります。

この実態の一番怖いところは、「新規事業村へ行くと損をする」との認知を組織的に学習することにあるそうです。今日は皆様に、ここをしっかり覚えて帰ってほしいと強調されていました。

 
 

事業を創る人に大切な特性は業績志向ではなく“成長志向”

会場の様子

 
 

データとして、新規事業を創る上での会社の不満は、「事業を創れる人がいない」との声が一番多いそうです。本当にそうなのでしょうか?世間では、必要な能力は、推進力、構造力、挑戦心とあります。こちらについても、本当にそうなのでしょうか?成功した人の実態は、豊臣秀吉的な人であると田中先生はおっしゃいました。

新規事業を成功に導く人とは、組織の状況を観察し、周囲をうまく活用しながら泥臭くインディケートできる人。つまり、「身内」を仲間にする必要があり、他社活用力が重要であるとおっしゃいました。

社内に味方をどれだけつくれるか、思いがけない社内の敵は、ノープラン風見鶴上司、無責任な有難迷惑ノイズ、同じ釜の飯を食った敵であり、彼らに、一回新規事業に関して、そっぽを向かれてしまうとつらい。なぜならば、新規事業を推進していくためには、既存事業のリソースを使うからです。結論としては、新規事業を推進できる人は、既存事業のネットワークをうまく持っている人が向いているということになります。

また、現状、事業を創る人の多くは「会社都合の異動」で連れてこられた人であるとのデータもあります。ただ、安心して頂きたいのは、異動したとしてもそれらの方々は、成果を上げているかが分かっているそうです。

では、どういう人が成果を出しやすいのか?新規事業に前向きじゃない人はまず成功しないそうです。成長するために新規事業をやりたい!との方は、実績がある。つまり、前向きであることが重要であるということです。

言い換えるならば、新規事業に適しているのは成長志向人材である。業績に対する志向は成功の可否に影響していないそうです。これはなぜか?成長志向の人材は以下の4つの観点において、新規事業とマッチする特性を持つためです。
・目標の捉え方 : 学習目標志向
・知能に対する捉え方 : 拡張的知能感
・好んで行う仕事 : 成長できる仕事=未知で挑戦的な仕事
・失敗に対する捉え方 : 努力が足りない

 
 

経験上見えてきた成功する新規事業担当者の特徴はしなやかな志と柔軟性・実行力

株式会社アイディアポイント代表取締役社長 岩田による講演

 
 

続いて第二部では、弊社岩田の講演を行いました。自身で2社会社を立ち上げた経験と、コンサルタントとして事業開発の現場で自身の経験から見てきたことをメインに、岩田が今まで事業を創った人を見て思う事について話しました。

新規事業に向かない人は、不真面目な人、自由が極端に苦手な人、決まったことをやるのが好きな人、文句の多い人、仕事の遅い人である。新規事業に向いている人は、基本的には、向いてない人の真逆であり、以下の3点がポイントになるとのことでした。
・しなやかな志
・柔軟性が高くて、実行力のある人
・ビジネス戦闘力の高い人

また、これまでの経験として、事業を創る人の素質について2つの仮説を話しました。

仮説の一つ目は、『偶然を上手に引き寄せて、実現した人』。方向性は決めて将来の職業は決めない、出来事や出会いは決めない、オープンマインドを持ち続けるというような、プランドハプンスタンスに極めて近い要素が大事であるということです。

仮説の二つ目は、『全体的なバランス感覚に優れている人』。オールラウンドな戦闘力を持って、柔軟な運用ができるかが重要であり、構想段階・計画段階・実行段階のそれぞれにおいて力を発揮できる人材が向いているという主張です。また、マインドとしては、何とかなる主義タイプ、完璧主義タイプ、前進主義タイプの3つをバランスよく持っている人は、新規事業における様々な苦悩を乗り越える素質があると伝えました。

 
 

経営人材の育成と同じようにイノベーション人材の育成を偶然から“必然”に変える

グローバルデジタルハブ・東京

 
 

また、最近業務を通して思う事としては、多くの企業で、新規事業に取り組むのは当たり前になってきており、アイディア出しに価値はなくなり、実現できるかどうかが勝負になっているという点でした。

その中で、イノベーション人材は育てられないという風潮から、育てなければいけない、という流れに変わりつつある。これは以前、「経営者育成」でなされた議論と同じ現象が起きていると言えるのではないかと主張しました。つまり、イノベーション人材の育成は、偶然から必然に変わるかもしれない。

新しいことは一人、一組織では、中々実現できない、効率が悪いのでみんなで議論しおうとの言葉で講演は終了しました。以下は、第三部のトークセッションにおけるQ&Aの内容です。

Q. 事業を創るヒトの評価は?
A. 事業を創る人が不安に思わないように評価に対する注意をそらしてあげて、安心して事業に取り組むことができるようにするといいのでは(田中氏)また、既存の事業と同じ評価制度ではなく、新規事業に取り組む人が損しないように、小さな成功に対しても評価してあげるべき(岩田)

Q. 社内の提案制度は人材の育成・発掘に有効?
A. 有効ではあるが、初回の提案数をいかに多くするかが重要、多くの大企業では初回から回を重ねるごとに提案件数が減ってしまう。初年度の提案数をいかに多くできるかが肝となる。肝は提案した方にどれだけ経営層がしっかり見て、赤ペン先生のような添削を丁寧に行えるかが重要。事例の数が風土を創っていくので、まずは事例の積み重ねを行うといいのでは。

Q. 新規事業担当者は兼任・専任どちらが良いか?
A. 専任か兼任かというより、最後に事業の責任者となる人は必要。

Q. 役員を説得するときにマインドセットするためのパワーワードやコツみたいなものは?
A. 役員に早めに話しておく、新規事業は役員も含めて分からないことが多いので、既存事業よりも密にコミュニケーションとることがポイントである(岩田)。No2の役員を抑えて巻き込んでおくことや、経営陣が何を考えているかをしっかり理解することが重要(田中氏)

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