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【異業種交流研修成功のカギ①】異業種交流研修は「交流」させてはいけない?

異業種交流研修というと聞こえは良いが。。。

既存事業を守るだけでは生き残ることの難しい昨今、人材育成においても社内に閉じて行われるインハウス型の研修だけでなく、異業種との交流や刺激を狙いとした研修のニーズが高まりつつあります。

当社においても、事業戦略策定のアクションラーニング、ある職種・業務に特化して専門知識を学ぶ研修、ビジネススキルを他社と一緒に学ぶ研修、同じ企業グループの連携を高めるための場、近しい業界同士の情報交換、大企業とベンチャーの掛け合わせ、など様々な引き合いをいただいて研修をアレンジしています。

たしかに、普段会うことのない業界・業種の人材と一緒に研修を受けることで、社内では得ることのできない刺激を受けることが期待できる一方で、人材育成担当者としては「何から始めたらよいのか」、「相手企業はどこが良いのか」、「どうやって相手企業を探せば良いのか」などなど考えることが多すぎて中々一歩を踏み出せないケースが多いのではないでしょうか。

本記事では、異業種交流研修を企画・実施するにあたっての、いくつかの重要なポイントをご紹介します。なお、ここでの異業種交流研修とは、いわゆる研修会社が提供しているパッケージ型・公募型の研修ではなく、独自に設計して実施する研修を想定しています。

まずは目的の設定。実は3択しかありません。

まずは研修の目的をきちんと設計して、それを軸に具体的に考え始めることをおすすめします。至極当たり前のことを言っているのですが、異業種交流研修は通常の研修と異なり、検討を始めるきっかけが様々あるケースが多いので、慎重に進めるのが肝要です。事例(https://president.jp/articles/-/15734)を見た、経営陣から振ってきた、他社と意気投合した、など当社に寄せられる声も本当に様々です。

ここで断言しておきますと、異業種交流研修の目的は大きく分けると3つしかありません。「学び」と「交流」と「成果物」です。

「学び」は説明不要ですね。ビジネススキルや専門知識、アクションラーニングにおける実践的な学びもこちらに含まれます。

「交流」は、研修名にもついているとおりで、他社人材との議論や情報交換、いわゆる「外の世界を知る」、「刺激を受ける」という類のものが含まれます。

「成果物」は、アクションラーニングにおけるチーム単位での発表内容や、個人で何かしらの提言をするケースなどです。

この3点、もちろんどれも大切なのですが「全部取り」はできません。なぜならば、この3つの目的は絶妙なバランスの上に成り立つものだからです。
研修レビューあるあるで、
「良い経験はできたけどすぐ実務に活かせるかはわからないなー」
「盛り上がってはいたけどアウトプットはイマイチだったかも」
「色んな部署の人と議論できたのは良かったけど新しい学びがあったかは微妙」
こういった声をよく聞きませんか?目的の設定が曖昧な異業種交流研修は、このような声があがる確率が非常に高いのです。

交流は結果でしかない

では3つの目的のバランスとは何なのか見ていきましょう。

まず大切なのは「交流」をどう考えるかです。実は、異業種「交流」研修と言いながら、交流させようと思って実施すると、その意図が受講者に透けて見えてシラケてしまうことがよくあります。

我々は、交流とは「学び」あるいは「成果物」の結果であると考えています。一緒に「学んで」問題を解くための議論をした結果として交流がなされる、あるいは、一緒にひとつの「成果物」を出すために一丸となって活動した結果として交流がなされる、ということです。

相手探しは勇気をもって、こだわりを捨てる。

少しずつ実務的な内容に入っていきます。次は相手企業探しです。勇気をもって、銘柄や格といったこだわりを捨てて、目的ドリブンで相手に掛け合うことをおすすめします。

他社の人事部にコネクションが少ない場合は、気の利く研修会社に相談するのも良いでしょう。研修会社は数十社から100社以上の顧客リストを持っていますから、ざっくりとした条件だけ伝えて、数を当たってもらった方がマッチングの確率は上がります。その際の注意点は、手を挙げてくれた企業を値踏みしないことです。不安なら、一度面談をセットしてもらって、目的や課題意識に共感してもらえるか否かで判断しましょう。

実際は、相手企業がどこなのかを気にする企業は体感値で半数以下です。半数以上は、そこまでこだわりを持っていません。意外かと思われるかもしれませんが、こだわりが強ければ強いほど、マッチングする確率は下がりますので、なかなかマッチングできずに苦い想いをした企業が、どんどんこだわりを捨てていくのです。

また、いきなり全くの異業種に声を掛けるのではなく、グループ会社に当たるのもひとつの手です。同じグループでも、業種業界が遠い企業はあるはずですし、ビジネスが近しいグループ企業だとしても、採用の入口が違うので人材特性や風土が全く異なるケースは多く、一考の価値はあります。特に、M&Aした企業などは狙い目です。

さらに、グループ企業の場合、人事制度が共通であるため、人材育成における課題意識も自社と近い可能性が高いです。

事務局運営は綿密に、任せるところは任せる。

事務局となる各社の人材育成担当者同士は綿密にコミュニケーションを取りましょう。研修会社に仲介してもらっている場合でも、必ず対面で会うべきです。

事務局運営で難しいのが役割の分担です。通常の社内研修で培ったオペレーションはほとんど使えず、各社と合意を取りながら進める必要がありますので、非常に手間がかかります。日程調整、会場確保、受講生への案内、講師との調整、懇親会、コスト計算、、、挙げるだけでもゾッとします。

実際は、研修会社へ運営を委託する以外には、どこかの企業が貧乏くじを引いて幹事を引き受けるしかありません。幹事を持ち回りでやっているケースに遭遇したことがありますが、負荷がかかる割に参加できる受講生の人数が少ないので、割に合わない仕事だとおっしゃっていました。

研修会社も引き受けたがるところは少ないので、当社のような物好きな会社に相談して任せてしまいましょう。多少の運営委託費を払うことをお忘れなく(笑)

次回は、目的別の研修プログラムの企画ノウハウ、講師の選び方、現場でのオペレーションについてお話します。

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