部下に『ちょっと』話しかけるコツ – 「大丈夫?」と聞かない!?

部下に『ちょっと』話しかけるコツ - 「大丈夫?」と聞かない!?

アイディアポイント岩田です。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。職場におけるコミュニケーションはどんな組織でも課題になっているのではないでしょうか。

私自身は、講師やコンサルタントとしてお客様の前で話したり、聞いたりという点に関しては慣れていますが、職場での「普段の」コミュニケーションがそれほど得意ではありません。

コミュ障というほどではありませんが、自然に振る舞って上手ではありません。がんばればできるががんばるとちょっと疲れてそれ以外のことが疎かになってします or 自分にストレスが溜まるくらいのレベルです。これくらいが普通だと思うのですが、いかがでしょうか?

そんな私でも、先日の朝礼で『褒めて』もらったので、今回は調子に乗って、『部下とのコミュニケーション』について、自分が普段、意識して / 無意識に行っている工夫?を書いていこうと思います。全国、いや、全世界の悩める上司のみなさん!参考にしてください!

『部下とのコミュニケーション』に関しては、商売柄、いろいろと勉強していますが、今回は、ものすごく主観的に書いていますので、超我流です。当社に研修を発注いただいた際には、私ではなくプロフェッショナルな講師がきちんと全体像を提示して、理論も含めて網羅的にきちんと説明してくれますので、もっとよい内容です。

目次

基本的には、「短く」、「細かく」を意識して、事前に決めておけることは事前に『決めて』おく

コミュニケーションに関していえば、「溜めておいて」よいことはほとんどありません。某CMではありませんが、「それ早く言ってよ~」というケースがほとんどです。

他人事には思えませんね ↓

なので、「特に用事がなくても」話すタイミングを持っておくことは大事です。「用事がなくても話してもいいのか」と思うのですが、別に、構いません。何かあってからでは遅いですからね。

ポイントは、「短く」です。「なんかある?」→「ないです」これでOKです。私の場合も何もなければ、10秒くらいで会話終わっています(測ったことはありませんが)。何もなければ、「あぁ、よかった」で十分です。

でも、上司にいきなり話しかけられるの、普通は嫌ですよね。ということで、できるだけ、事前に予告しておく、タイミングを決めておくのがお互いのためだと思います。

私の場合は、こんな風に決めています。

  • そもそも、きちんとした会議は、年間のスケジュール、月次のスケジュール、週次のスケジュールとして、事前にアジェンダとスケジュールを決めて、提示しておく。そこはできるだけ守る
  • 毎朝、朝礼でひと言話す。本当にちょっとした話は、朝礼 or 朝礼後、2-3分で解決する
  • 業務上の連絡(了解。はい。お願いしますくらいで終わるもの)は、基本、Slackで効率的に終わらせる
  • 朝礼で会えなくても、ちょっとした時間に電話して、必ず1日1回、話をする
  • ちょっとしていない話はきちんと時間をとって、ちゃんと話す(電話 or オンライン)
  • もっと込み入った話は、対面で会って話す
  • それとは別に、月1回、1on1で、ゆっくりと中長期的な話、仕事と少し離れた話をする

賛否両論ありますが、私の場合、ポイントは、『チャットツールに頼り過ぎない』ことです。

本当に連絡、承認だけで終わるものはよいのですが、「ちょっと説明しておいた方がよいこと」、「ちょっと確認したいこと」は、意外とあるものです。こういうものは、電話して30秒話せば終わるのですが、チャットだと何往復もして時間がかかったり、チャットは全員が自分のペースで打つので、意外とタイムリーでなかったりします。意外と電話の方が早いこともあるのではないかと思います。

ちなみに、上記は、部下とも話し合った(確認してOKもらっている)ので、合意しているものです。嫌がる人に電話はしませんので、ご安心を。


部下に合わせすぎないで、基本、部下に『合わせて』もらう

自分自身は結構、わがままです。基本、報連相は、『僕に合わせてね』でお願いしています。

なぜなら基本的に、私の方が忙しいからです(対外的な仕事も多いので)。部下の都合に合わせすぎると自分の仕事が回らなくなります。そうすると、そのことで部下に迷惑がかるので、これは、「みんなのためだから」ということで、自分で納得しています。部下のみなさん、いつもありがとうございます。これからも私に合わせてください。

ということで、もちろん、これは私の都合なので、私なりに以下のようなことは努力(当たり前?)しています。

  • カレンダーはきちんと最新の状態にしておく(自分が、どこで、何をしているのかわかるようにしておく)
  • 自分が普段、考えていることや問題意識はできるだけ共有しておく。今、何に忙しいのか、今度、何をしなくてはいけないのか話しておく。これは主に全体会議や朝礼で話しています
  • 準備が必要そうなことは、「来週 or 来月くらいに、〇〇やろうとおもっているよー」と事前にアンオフィシャルにでも話しておく。昔、上司に、いきなり、「明日までに〇〇やって、できるでしょ」言われたのがすごく嫌だった経験からです。『急に、言うなよ。こっちも忙しいんだよ』って、言わなくても思いますよね
  • 「いつならゆっくり話せるよ」というのもできるだけ伝えておく。これもお互いのためです。自分も余裕のあるときに話しかけられたいし、部下もカリカリしている上司と話すのは嫌ですからね。聞く態勢になっているときに話しかけた方がお互いのためです
  • 「こういう風に伝えてほしい」というのも事前に伝えておく。私の場合は…↓こんなところです。これは、これまでまとめて伝えたことはなかったかもしれないので、今度、きちんと話してみようかなと・僕は結論から知りたいです。僕に何をしてほしいのか知りたいです(報告なのか、相談なのか、アクションが必要なのか最初に言ってほしい)。急ぎなのか、そうでないのか知りたいです
  • 表現の配慮は不要です。この無礼者!みたいなことは言わないので、私にはできるだけはっきり書いてください
  • 私も同じように率直に書きます。書いた内容に「裏」はありませんので、深読みしないでください。やらなくてよいと書いてあるけど、本当はやってほしいみたいなことはないです。不安だったら確認しにきてください。まったく、他意はありません
  • 基本、配慮される / 気をつかわれるのも嫌です。聞きたいことは聞いてください。言いたいことはいってください。それで怒ることはありませんので、ご心配なく
  • 逆に、配慮する / 気を使うことも苦手なので、配慮して欲しいこと、気をつかって欲しいことがあったら教えてください。僕は、「言えばできる子」なので、きちんと努力します
  • 自分にとって一番ストレスなのは、『自分がネックになっている』ことです。多少、乱暴でも構わないので、僕に必要なことは要求してください。「忙しそうだったので言わなかった」が最悪です
  • よくないニュースは、あとで、『あのとき、実は、XX』みたいな形で聞くのは嫌なので、早めに教えてください。大抵のことは自己申告してもらえれば、「ドンマイ→再発防止」でOKです。くれぐれも、私が確認したら、「実は、うまくいってなくて」みたいなのは避けてください。

ひとまず、こんなところですね。書き出したら止まらなくなった。結構、面倒くさい上司かもしれない…みなさん、いつも合わせてくれて、ありがとうございます。部下のみなさん、冷静に考えて、優秀です。
ここまで書いておきながら、実は、お互いにメリットがあると思っています。部下のみなさんも、『どうせなら、先に言っておいてくれよ』ということで、事前にわかっていた方が対応しやすい…ですよね?と思っています。


部下とのコミュニケーションは『自分』の責任。部下任せにしないで『自分から』する

実は、部下とのコミュニケーションは『自分の仕事』だと考えた方が、業務上 / 精神衛生上楽になるのではないかと思います。私はどちらかというと、部下のためにではなく、自分(と自分の仕事)のために、『自分から』話しかけるようにしています(もちろん、部下のことも考えていますが。と言っておく)。

上司が『自分から』話しかけるメリットは結構、あります。

  • 自分が『話を聞ける』コンディションを選んで話を聞くことができる(集中していたり、他のことを考えているときに話しかけられると、ものすごいストレスではありませんか?)
  • 部下の報告を待っていて、「まだ、報告がないな」とイライラすることがなくなる。自分のタイミングで『聞きたい』ことを聞ける
  • そのタイミングで、ちょっとした相談や確認が入ったり、事前のアドバイスができるので、その後の部下の作業が効率的に進む。結構、進んでから「あぁ、違うんだよなぁ」→「申し訳ないけど、直してもらえるかな」が圧倒的に減る
  • 気の利いた部下(当社だと、みんな気が利いています。いつもありがとうございます)だと、声かけたタイミングで、用事を全部やっつけてくれるので、結果的に、仕事の進みが早い

私自身は管理系の業務や新規事業を担当している関係で、目の前のお客様向けの仕事以外にも、結構、「作業としてはちょっとしたことなんだけど、落ち着いた状態で取り組まなくてはいけない作業(実は、事務作業が苦手)」だったり、「自分で完結するので、後回しにできるんだけど、中長期的にはやらなくてはいけない仕事」があったりします。

自分にとっての「手の付きにくい仕事」をチェック、つついてもらったり、自分だけではどうしても進まないときにちょっと意見交換するのは、短くても大切な時間です。

「部下のため」だけではなくて、「自分のため」にも、コミュニケーションは自分からとった方がよいのではないでしょうか。何事も受け身だと大変なので、自分からやるべし。


声をかけるときは、『大丈夫?』と聞かない。『困ってることない?』、『僕がやることない?』が基本

これは、自分ではまったく意識していませんでしたが、先日、褒めてもらったので、紹介しておきます。どうやら、私の声のかけ方は上手らしい。ポイントは、

『大丈夫?』と聞かないことらしい… 『大丈夫?』と聞かれると、とっさに、『大丈夫です』と答えてしまう or 普通の人は、『だいじょばない(そんな言葉はありませんが)』とは答えにくいそうです。私は普通に、『大丈夫なわけないでしょう』と答えていたので、その気持ちはわかりませんが…。

ちなみに、大丈夫とは、大きな(立派な)丈夫(学識や人徳の備わった人物)という意味で、仏教と共に日本に伝来した言葉で、仏の呼び方のひとつだったそうです。ということで、「大丈夫です」とは、「オレ様は、立派な男(女)だぜ」ってことらしいです。余談です。

では、どんな声かけをしているのか、どんな声かけがありがたいのか聞いたところ、こんな感じのようです。

  • 仕事で「つっかかってる」ところはない?「困っているところ」はない?
  • 僕が「忘れていること / 返事してないところ / 僕のところで止まっているところ」ない?
  • 僕が「やらなくてはいけないこと」ない?
  • 僕に「確認しておくこと」ない?
  • 僕に何か「言っておくこと」ある?

文字にするとふざけだ上司のようですが、サラッと爽やかに言っていると思います。

私としては、『部下が話しやすいように』しているつもりはありません。とにかく、「結論」が知りたいので、「聞きたいこと」を聞いているだけです。

「大丈夫?」→「うーん、大丈夫なような気もするし、そうでない気もするし、大丈夫ってなんなんですかね~」みたいなやり取りにもの凄いイライラするし、「大丈夫だと思います!」→(あっ、こいつ、だいじょばないかも。でも、本人がそう言っているから見守っておこうかな)→炎上! みたいなやり取りでもの凄い自己嫌悪になった経験(あのとき、言っておくべきだった)から編み出された技なのだと思われます。

ちなみに、↑のように聞いても、あるときはあるし、ないときはないです。ほとんどの場合、「うーん、特にありません」です。そうしたら「OK。それはよかった、じゃあね(ガチャッ)」でおしまいです。今日も平常運転、よかったなと思って自分の仕事に戻ります。


ちょっとした仕事のお願いや確認も「ついでに」、「サクッ」としてしまう

声をかけたタイミングで、私から用事があるときには、「あぁ、そうそう、〇〇の件、〇〇しておいてね」、「〇〇の件、その後、どうなってる?」くらいの会話をします。仕事を振るときは、直接、話すのは意外と大事です。

よくあるのは、「この仕事やると他の仕事が遅れるけどよいか」という問題です。業務の優先順位や成果物は部下だけでは判断できなかったり、調整ごとや仕事の配分は上司の方でやれることもあるので、ここは話すタイミングです。これをチャットでやると正確に書くのも面倒くさいし、状況確認していると何往復も必要で、結構、時間がかかります。パッと話して終わることは、直接話して、さっさと決めましょう。

仕事の振り方としても、『溜めてためて、ドカン!』と落としたり、チャットでマシンガンのようにダダダダッ!と連発で仕事撃ち込まれるよりもスマートなのではないかと思います。

文字に残して正確に仕事をするために、チャットやメールで送ってもひと言話す&確認する時間をとって、落としっぱなしや打ちっぱなしにならないようにするのが大事です。チャット送りつけて、「やっておけ」だけだと迷うし、腹立ちますよね。


最後は、『人間だもの』。全員の思いやりと努力でよいコミュニケーションを維持しよう!

今回は、朝礼で、コミュニケーションを褒めてもらったので、普段、やっていることを書きました。当社?私?の働いている雰囲気を少しでも感じてもらえたならうれしいです。

結局、コミュニケーションは『お互い』の問題です。人間なのでコンディションのよい / 悪いもあるし、仕事をしていれば、当然、「あぁ、これ話したくないなぁ」と思うことも出てきます。失注の報告なんて、「話しやすいわけない」ですよね。それでも、話さなければいけないことはあるということを前提に、みんなで努力してコミュニケーションしやすい環境を維持することが大事だと思います。

最近、職場のコミュニケーションが悪いのは上司のせいになっているのが気になりますが、もちろん上司も責任はありますが、全員の責任なのではないかと思います。とはいえ、上司のみなさんもがんばってくださいね。

最後に、ツールについて。「早くて残るチャットがベストの選択肢」、「わざわざ人の時間をとる電話は最悪」みたいな言説もありますが、世の中全員に当てはまる法則ではないので、それぞれの業務、それぞれのチームや個人が好むコミュニケーションスタイルに合わせて、最適なツールを選んでみるとよいと思います。

ということで、今回は、ごく個人的にやっていることを書きました。全世界、全国の上司のみなさん(とこれから上司になるみなさん)、参考にしてみてください!

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

目次