忙しい人ほど、「とっとと」やろう – さっさと決めてとっととやる(後編)

アイディアポイント岩田です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。今回は、前回の続きで「とっととやる」編です。当社では、今年のテーマのひとつに、「さっさと決めて、とっととやる」ということを決めました。

前回のブログでは、「さっさと決める」をテーマに書きました(詳細はこちらへ)。今回は、前回の続きということで、「とっととやる」について書いていきます。言い出したのは私ですが、実際にやるのは難しいですね。今回は、若干の反省や言い訳と同時に、私が仕事上で工夫していることを書いていこうと思います。


目次

「とっとと」やる = 四の五の言わず、その場でやれることはその場ですぐにやる

忙しい人のところに仕事は集まります。しかも、こちらの都合は関係なく、じゃんじゃん仕事はくるし、知らないところで勝手に発生しています。何も工夫しないでいるとあっという間に仕事は積みあがります。

仕事の中に、「とっととやる = 四の五の言わず、その場でやれることはその場ですぐにやる」仕組みを入れないと仕事は消化できません。

「後でゆっくり考えてやりたい」、「きちんと段取りをして進めたい」、「とりあえず、自分一人でやりたい」、「自分のペースで取り組みたい」気持ちもわかります。

ですが、私自身の経験でいうと「一度、自分のところで止めて、後でじっくり考えてよかった」ことはほとんどありません。逆に、「どうせできないんだったら、あのときその場でやっておけばよかった or 他の人にお願いしてしまえばよかった」と思いながら、夜中に泣きながら間に合わせる… ことばかりです。

今回は、「仕事は素早くやらなければいけない」といった説教ではありません。仕事が忙しい人にとっては、「とっととやる」ことが「現実的な対応」であることをお話ししていきます。


忙しい人ほど「とっとと」やるべき4つの理由

「いや、それでも、やはり、じっくり考えた方がよいのではないか」、「いやいやわかるんだけど、できれば自分のペースで取り組みたいよ」という人のために、仕事は「とっととやる」方がよい理由を説明します。

1.仕事は遅れだすと連鎖的に遅れる

みなさんは仕事とそのシステムについてどのようなイメージを持っているでしょうか。私はサッカーのようなイメージを持っています。相手からボールが飛んでくる。それを受け止めて、適切に処理する。そして、それをベストなタイミングでベストな場所にパスをする。そんなイメージです。日々、それを複数同時に行っている状態です。

落ち着いてプレーできているときには問題ないのですが、一旦、自分の気持ちが「いっぱいいっぱい」になってパニックになるとさぁ大変。パスの受け方も雑になるし、いつどこにパスを出してよいかもわからなくなるし、パスもいい加減になり、その結果、上手にパスも通らないし、自分の周囲にはよくわからないボールが転がってしまいます… 。おそろしいですね。

仕事が遅れたり雑になったりすると予定外の手戻りも発生して、さらに予定が乱れるという悪循環。遅れると周囲から仕事を要求されるし、より焦る…という地獄の悪循環が起こります。

私のイメージでは仕事のシステムは極めて不安定(現時点で辛うじてバランスが取れているだけ)で、一度、遅れだすと一気に遅れだす…という脆弱なシステムになってしまいます。

なので、常に、仕事の遅れは最小限にしておかないとシステム自体が成り立ちません。大惨事になってしまいます。常に、仕事が遅れていない状態をキープすることが大事です。

2.意外と「その場で手をつければすぐ終わる」仕事は多い

実は盲点だと感じますが、意外と「その場で手をつければすぐ終わる」仕事は多いものです。メールやチャットで、他の人に依頼をする、とりあえず返事する、カレンダーに入力する等、その場で3分-5分、時間をとれば作業として終わるものは意外と多いものです。

打ち合わせの際にも「持ち帰らずに、その場で決めてしまう」ことができれば、仕事はその場で終わります。

特に、日々の業務の中で「コミュニケーション(人に連絡する、依頼する)」ことが多い人は、「その場で手をつければすぐ終わる」仕事が結構あると考えてよいと思います。

日程調整はその代表例で、理由がない限り持ち帰らないでその場で決めて、カレンダー入れて、さらにオンラインの場合にはその設定もして、情報を共有してしまいましょう。こういう仕事はその場で終わった方が全員のためです。資料の修正も同じです。その場で作業するのは他の人が見ていてプレッシャーを感じて嫌かもしれませんが、関係者がいるその場で修正してしまいましょう。

3.後回しにすると忘れてしまい、次に『思い出す』のに時間がかかる

2.とも関連しますが、仕事の中で、実は、一番、面倒で手間がかかるのが「思い出す」作業なのではないかと思います。

特に、忙しい人は、様々な案件を抱えているので、次の仕事に取り組むときに、「あれはどうだったっけ」と思い出すのが結構、大変なのではないかと思います。

面倒な気持ちもわかるのですが、少しでも時間を使ってその場でできることはやってしまう方がよいのです。

「あれ、なんだっけ?」、「いつまでに何をしなければいけないんだっけ?」と考えるのは、結構、脳ミソの負担になるし、実際問題、その仕事、「面倒くさく」なっていませんか?(少なくとも、私は、面倒くさくなったり、億劫になります)。この『思い出す』負担は結構、大きいので、やはり、仕事はその場で取り組んだ方がよいでしょう。

4.今、ここで、終わらせれば済むものも時間をかけると手間がかかるし、期待値もあがる

実は、その場ですぐに済ませてしまえばすぐに終わるのに、時間をかけるとややこしくなる仕事は結構あります。

最たる例は、日程調整なのではないかと思います(若干の恨みと共に…)。しかるべき人がその場で話せばすぐに決まる(あるいは、チャットでも1往復あれば終わる)のに、その日程調整が2-3日かかることがあります。「関係者と施設が空いているところをとって、一番、近いところに設定する」という解ける問題をなんでこんなに時間かかるんだろうと思うのですが、これは、流動的なものに時間をかけてしまうせいで話がややこしくなっているからです。

資料の作成であればすぐ対応すれば10くらいで感謝されるのに、1週間かけたら100くらいのものを期待されたりします。これ、負担、大きくないですか。すぐやって10で十分感謝されるのに1週間かけると100やらないと感謝されない… ということを考えると、やはり、すぐにやる方がよいのではないでしょうか。

もうひとつ指摘しておきたいのが、「岩田さんがとっととやってくれれば、次の仕事ができるのに」という状態が周囲には結構、ストレスを与えているということです。欲しい返事が欲しいタイミングでもらえないのは非常にストレスです。「まだ、返事ないかな」と思いながら過ごすのは嫌ですよね。

全員がその仕事に意識が向いているときであればすぐに済む話が、タイミングが遅れると「あれ、なんだっけ?」が続いて、大した意味もなく時間のかかる作業になりがちです。

意思決定者や上席に当たる人は気をつけなくてはいけません。自分は周囲の人がスムーズに働けるようにするためにいるのに、自分がネックになっていては本末転倒です。自分がネックにならないように気をつけましょう。大事なことなので、もう一度、書きます。『上の人は、自分がネックになってはいけません』。


仕事を「とっととやる」ために私がやっていること

では、仕事を「とっととやる」ためにはどうしたらよいのでしょうか?よい方法があったら、ぜひ、教えてもらいたいというのも本音ですが、ここでは、私がやっていること / 気をつけていることを書いておきます。業務の内容、種類、ポジションによって違うと思いますが、ぜひ、参考にしてみてください(役に立たないものもあるかもしれませんが、できるだけ、生々しく…)。

  • 「自分は、仕事はとっととやる、とっととやる、とっととやる」と毎日唱える。周囲にも言い続ける。意識づけは大事です。そして、人は弱い方に流れるので何度も刷り込み、思い込むことが重要です
  • その仕事をその場でやるのか / 後でやるのか、判断する基準は、「わざわざ、後でやる明確な理由があるか or ないか」です。明確な理由がなければ、その場で、「とっととやりましょう」
  • 何か仕事を依頼されたとき、発生したときには、①すぐに自分でやる、②人にお願いする、③後で自分でやる の三択で選ぶ
    • ①の判断基準は、「3-5分で終わる」かどうか。終わるものはその場ですぐやる or 次の隙間時間で終わらせる
    • ①でないものは、② or ③。②と③は、基本的には仕事の種類で決めておく。私の場合には、「できるだけ人にお願いする」ように考えています。部下がいるのと、自分の手元が一杯になるのが一番のリスクなので、できるだけ部下に動いてもらうようにします
    • ②はその場ですぐに依頼する。そのときに、「いつまでに」、「何をして」、「どんな成果をだしてほしいのか」明確にお願いする。結構、忘れがちですが、一方的に依頼しない。『了解です。理解しました & 受け取りました』までが依頼です(重要)
    • ③はタスクリストとスケジュールに入れる(いつやるか決める)
    • 同時に、はじめの一歩だけ手をつける。フォルダやファイルを作る、資料を集める、ノートにアイディアをざっと書くなど5分だけやる。これをやると少し頭の中にスペースができるのと、この後、作業するときに、「よっこらしょ」という最初の億劫さが少なくなる(と思う)
  • 上記を繰り返しながら、毎日、タスクリストを見直しながら、常に、「遅れないか」注意しながら、日々、がんばって働きます。本当にがんばっています。タスクを処理するときには以下のようなことに気をつけています
    • 似たような作業は、できる限りまとめて処理する。E-mail、ビジネスチャット、電話等は、朝、昼、夕方にまとめて
    • 一度に取り組むのはひとつ。いろいろ手をつけて、結局、何もできてない…ことがないように注意
    • 調子が出ないときは、簡単なこと / やればよいだけのことからスタートして、勢いが出てきたら、時間のかかること、難しいことに取り組む
    • 集中力、考えることが必要なことはできるだけ朝 or 午前中にやる。午後は情報収集、発想するものを中心にやる(といいなぁと思いつつ、毎日過ごしています)
  • 社内、社外の会議では、可能な限り「その場で解決する」、「持ち帰らない」。特に、社内会議では、みんな嫌がっても、「その場で完成させる」。以前は、会議の後、作ってもらったのを確認するという方法だったのですが、それだと面倒で… 多少、無駄に感じてもその場でやってしまった方が早いという結論になりました
  • それでも仕事が溢れることがよくあります。なんだかんだ言いながら、仕事は溜まるし、なんとなく後回しになっていた仕事が締切直前!というのはよくあります。そのときは、一旦、手を止めて、「タスクを整理する」時間を作って、仕事を整理する。これは、結構、勇気が必要です。パニックになった状態で仕事するよりは、一度、落ち着いて整理する方が最終的には効率がよいのではないかと思います。周囲の人が「仕事が忙しすぎる」ときも、落ち着いて仕事を整理してもらうことは有効です。落ち着いて、ひとつずつ対応すればよいものが、パニックになっていると手がつかないことはありますので… 勇気を持って「作業しないでかなえる」ことも大事です
  • できるだけ、自分一人で仕事は受けない。複数人で受けるようにする、周囲がわかるように仕事を受ける。これは、チームで働いている人にとっては重要です。「自分、一人しか知らない」、「周囲から見たときにわからない」ことは、本人にとってもチームにとっても非常にリスクです。チェック機能が入らないと危ないし個人能力以上の仕事もできません、いざというときにチームに助けてもらえないし、責任もとれません。周囲から見えるように働くことも重要です
  • 悩まないで考える。『悩む = 結論が出ないことに困り続けている』のはムダです。それよりも「どうするか考える」、そして「とっととやる」ことが重要です。自分で考えていて「あれ、これは結論がでないものだな」と思ったら、一旦、考えるのを止めて、「どう対応するか」さっさと決めて、とっととやってしまった方が健康です

みなさんはどんな工夫をされていますか?ぜひ、仕事を「とっととやる」工夫を教えてください。


さぁ、とっととやってスッキリしよう!!

今回は、前回の続きで「とっととやる」をテーマに私自身の工夫を書いてみました。仕事、楽しいですよね。でも、やることたくさんありすぎて、「あれ、仕事多すぎない?」と思うこともあります。

よく考える / しっかり思考することが大事なときもありますが、『そんなことより、とっととやるべし!やるべし!やるべし!』なときもあるのではないでしょうか。今回は、「とっとやる」方法について書きました。

仕事に関しては細かいノウハウがたくさんありそうです。業種、業務によっても違いがあると思うので、ぜひ、みなさんの工夫も教えてください。最近、急に寒くなってきましたが、元気にやっていきましょう!

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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