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【研修企画①】 研修を「企画する」ための基本的な手順、標準的なスケジュール


 
今回のテーマは、研修を企画する際の基本的な手順と、標準的なスケジュールについてです。研修を自社単独で運営する場合はもちろん、研修ベンダー等に外部委託する場合も、事前にきちんと考えておくことが大切です。本テーマはよくご相談をいただきますので、当社で実施している基本的な考え方をご紹介します。特に、研修を企画する役割・ポジションのみなさんのご参考になればと思います。


 

基本的な手順と最低限押さえておくべき項目

 
私たちが研修を企画する際に共通して確認する「最低限押さえておくべき項目」について説明します。その項目とは、①研修の目的 / ゴール、②関係者のニーズ、③受講対象者の情報、④研修プログラム、コンテンツ、⑤効果の検証、研修の振り返り、⑥各種制約、予算です。研修を企画する際の基本的な手順としてこれらの項目を確実に確認していきましょう。

① 研修の目的/ゴール

研修を企画する際に、一番、最初に考えるのは、下記の2点です

  • 何のために研修を実施するのか?(目的)
  • 研修受講後の姿は?受講者にどうなってほしいのか?(ゴール)

これが最重要項目です。各関係者間で「目的」に対する認識の齟齬があってはなりません。必ず文章にして関係者で共有しておきましょう。

研修の「目的 / ゴールの設定」は必ずしも「受講者が受けたい研修」と同じわけではありませんので、注意してください(このような不一致は、十分、ありえます)。無理矢理合わせる必要はありません。目的 / ゴールを明確にして、しっかりと説明しておくことが重要です。

「どうやって目的やゴールを設定すればよいのか?」と疑問に思った場合は、以下の切り口を参考にしてみてください。これらの切り口について、それぞれ「どれくらいまで」というレベル感を設定します(研修前後での変化まで書ければベスト)。受講者の送り出し側の求めるレベルや受講者の現在の発揮レベルから検討してみてください。

  • どのような知識を習得してほしいか(知識、スキル)
  • どのように感じてほしいか(感情、マインド、気づき)
  • どのような行動をとってほしいか(行動)

 
② 関係者のニーズ

「ニーズ」とは誰のニーズでしょうか?「ニーズ」というと「受講者『が』どのような研修を受けたいか?」を想定しがちですが、どちらかというと「受講者『に』どのような研修を受講させたいか?」が重要です。

ニーズを確認する対象となるのは、以下の登場人物です。

  • 研修企画者(主に、人事)
  • 受講者の現在の上司(送り出す側)
  • 受講者(送り出される側

「受講者がどんな課題を持っているのか」、「受講者のどんな能力を伸ばしたいのか?」など、研修に送り出す側の考えがニーズとして表現されるので、丁寧に確認しておきましょう。

長期的な目的を掲げた研修であれば、「会社からの期待」、「受講者の将来の上司・部下」のニーズも想定しておくとよいでしょう。

それらのニーズを集めて、ニーズに従えばよい、というわけではありません。集めたニーズが、前項の「目的/ゴール」に合致するか?」そして自社の育成していきたい人材像と整合性をもつか?を確認する必要があります。
 
③ 受講対象者の情報

受講者の「知識レベル」、「スキルレベル」、「研修で受講したことを職場で活かす機会があるか(そのようなポジションか?)」を確認しておきましょう。確認したら、講師に正確に伝達しておきましょう。これは指名型研修、手挙げ型研修、どちらの場合も必要です。

例えば「入社3年目社員向け問題解決研修」を実施したものの、受講者がロジカルシンキングを習得しておらず(知識/スキル)、研修の途中でそのことに気づいた講師が慌ててロジカルシンキングについて説明。しかし想定以上にロジカルシンキングの講義にかなりの時間を割くことになり、本編である「問題解決」まで到達しなかった・・・なんていう事象もありえます。逆に「既に知っていて、実戦していることばかりだった」ということも。それはそれでおさらいになりますが。
 
④ 研修プログラム、コンテンツ

テーマにあわせて最適なコンテンツを選択し、組み立てていきます。コンテンツは、どんな時間配分で、どんな順番で、どんなワークを行うか?などを決めていきます。本項目だけでそれなりの情報量になりますので、別の機会でもう少し掘り下げてご案内する予定です。また、具体的な研修ごとのコンテンツは、個別にご相談させていただきたくよろしくお願いします。
 
⑤ 効果の検証、研修の振り返り

研修は手段であって、目的やゴールではありません。研修が「やりっぱなし」になるのを防ぐべく、「いつ、何を使って効果を検証するのか?」について、企画段階から検討しておきましょう。検証には様々な方法がありますが、「受講者の行動が具体的にどのように変化したか?」を中心に、一定期間、定量的・定性的に検証しましょう。よく研修アンケートで効果を検証することがありますが、必ずしもアンケートだけが正しい方法ではありません。「研修に送り出す側」である上司と受講者で、継続して対話しながらフォローアップしていくのが有効でしょう。
 
⑥ 各種制約、予算

主に「時間の制約」と「お金の制約」を考えます。時間については「当日までの準備にどれくらい時間を掛けられるのか?」と「実際の研修の所要時間(期間)」の2つを考えます。
「準備」については是非次項をご参考にしていただければと思います。このブログでは一貫して丁寧に準備することをおすすめしておりますので、次項を参照いただきながら、企画作成、講師スケジュール、会場予約、受講者募集期間、事前課題取り組み期間などを網羅した「準備期間」を検討しておきましょう。
「研修の所要時間」については、研修のコンテンツ、会社のイベント、繁忙期などを参照しながら「1日研修×〇日間、を△月~◇月までに実施する」を確認しておきましょう。
その他あまり詳しく書きませんが、会場キャパ(いわゆるディスタンスも含め)、事務局人数、オンライン回線、宿泊費・移動費など、いわゆる物理的制約になります。
 
以上、研修企画の基本的な手順をご案内しました。「毎年、入社〇年目社員に『〇年目社員向け□□研修』を実施しているから、今年もやろう」というケースも多く見受けられますが、あらためて、ご紹介した項目を一つ一つ確認してみてください。すべての項目が完全に埋まらなくても、確認することで、より具体的に検討することが可能になります。
 


 

標準的なスケジュール

 
続いて、研修前後のスケジュールについてご案内します。踏むべき手順を洗い出し、確実に準備していきましょう。特に目新しい特別な表を作成する必要はなく、いわゆるガントチャートのような形式で「いつまでに、誰が、何を」を網羅し、関係者が進捗を確認できる状態にしておくことが重要です。
最初に全体の手順を把握しておきましょう。当社では、大きく下記のように分類して準備を進めています。

  • 研修前
    -企画
    -募集・集客
    -実施準備
  • 研修当日
  • 研修後

    もう少し詳細にしたものを下記に掲載いたします。項目は、多少、追加 / 削除していただいても構いませんので、抜け漏れなく準備するための参考にしてみてください。


     

    具体的なスケジュールの目安

     
    当社では、「研修日」をスケジュールの基準日として、「n日」「n-1日」・・・に、洗い出した手順ごとに標準的なスケジュールを定めていきます。複数の日程に及ぶ研修の場合は「初日と最終日」、複数のクラスで実施する場合は、「各クラス間のタイムラグ」などを確認しながら調整していきます。下記に当社での目安を掲載しておきますので、準備の際の参考にしてみてください。
     

    • 目安として、研修当日3か月前までには、「企画骨子の確定」を終え、研修当日1か月前には受講者を確定し、事前案内 / 事前課題を発信できている状態が望ましいでしょう。事前課題の内容や分量次第で調整しましょう
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    • 研修直前~当日については、定めておくべきことが目白押しです。開始時間、会場、入室可能時刻、講師との待ち合わせ時間、待ち合わせ場所、会場のセッティング・・・などなど。とにかく「受講者や講師に研修直前に余計な事を考えさせないように」「研修に集中できるように」、事前に取り決めしておきましょう
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    • 2020年からは、上記に加えて「オンライン形式or集合形式実施の判断」も重要なポイントとして追加されています。社内の規定を確認しつつ、「緊急事態宣言」など、予定変更のトリガーとなる事象を想定して、「〇日前の時点で〇〇〇となったらオンライン形式とする」など、あらかじめ決めておきましょう。直前に「どうしよう・・・」と悩まなくてよくなります。とにかく事前に決められることは決めておき、関係者と合意しておきましょう
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    •  オンライン形式の研修については別の機会でご案内予定ですので、本ブログでは簡単に触れます。オンライン形式特有の項目は、企画骨子が完成するタイミングで確認しておくとよいと思います。「使用ツール(セキュリティ、社内システムとの親和性)」、「受講者の環境 / オンラインスキル」、「講師の環境 / オンラインスキル」などは必須でしょうし、その他「オンラインなら地方や海外の受講者も募集できる!」「受講者の移動や宿泊のコストは軽減できる!」というポジティブな面なども見落とさないことも重要です
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    • 集合形式で実施する場合も、会場の消毒や換気、パーテーション、マイクなどの取り扱い、当日の体温測定・・・など細かい点まで準備しておかなければならない世の中です。受講者や講師が安心・安全に参加できる環境を整えておきましょう
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    • スケジュールを作成するものの、ある程度のトラブルも想定してきちんと手順を確認して、どの手順にどの程度の時間がかかるかを想定、余裕をもってスケジュールを組むことが重要です(一般的な、プロジェクトマネジメント同様です)

     
     
    以上、本ブログでは研修を「企画する」ための基本的な手順、標準的なスケジュールについてご説明しました。企画の段階で「必要項目とスケジュールを丁寧に定めておく」ことが重要です。中でも「目的 / ゴール」をしっかり定めて、関係者間で共有しておくことは絶対に忘れずに。当たり前のことのように見えますが、きちんと取り組むことを『凡事徹底』していきましょう。
     


     
    今回は、当社で実施する際に実践している内容の概要をご紹介しましたが、個別に不明な点やご相談事項がある場合には、ぜひ、お問い合わせください。

    本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

    株式会社アイディアポイント
    企画開発部
    川村 明之

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