そろそろ「仕事が忙しいオレ / ワタシ」を卒業しよう!

アイディアポイント岩田です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。年末に向けて、忙しい日々を送られていることと思います。忙しいですか?忙しいですよね!毎日、忙しい!?ですよね。

ということで、本日は、『忙しい』について、書きます。ほとんどの人は、仕事がたくさんあって、ヒマなことはないでしょう。この状況をどのように考えて、どう振る舞うべきでしょうか。今回は、仕事の減らし方、ヒマになるための方法を書いているわけではありません。仕事が多い状況をどう理解して、周囲にどのように見せるのかについて書いていきます。


目次

『「仕事が忙しいオレ / ワタシ」がかっこいい』は卒業しませんか?

私自身は、若い頃からあまり、「仕事が忙しいオレってかっこいい!」という価値観を持ち合わせていません。「仕事がないなんて、あいつかわいそうだな」と思われたくない、「オレ様はこんなに必要とされている人間だ」という自己顕示欲もなく、「仕事が溢れかえって、アドレナリン出まくりの修羅場」が大好きなわけでもありません。これは本当です。卒論、修論なんか、二度とやりたくない… これは、社会人以前の話ですが。私自身は、仕事が忙しいことが好きではありません。文字通り、『心を亡くすと書いて、忙しい』。心は亡くしたくないものです。

「仕事が忙しいオレ / ワタシ」が大好きな方、理想の姿だという方は、一旦、ここで読むのを止めてください…。好きなら止めないですし、それで充実感を感じられるのならよいと思います。但し、周囲の迷惑にならないように気をつけましょう。自分が忙しいことで、意外と周囲に迷惑をかけていることもありますので、これには気をつけてください。

私自身は、仕事がある、やるべきことがある点では、『忙しい』のでしょう。仕事は途切れることはないですし、経営者なのでやろうと思えばいつまでも、どれだけでも仕事をすることが可能です。それでも、自分を「忙しい人」ではなく、「忙しくない人」に分類しておく、周囲にそう見せるメリットは大きいのではないかと考えています。

社会人になって仕事をスタートしたときには、「忙しい」のもよいと思います。しかし、ある程度経験を積んだら、「忙しい」を卒業してもよいのではないでしょうか。今日の文章を読みながら「忙しい」を卒業してみることも考えてみてください。


「本当に忙しい」人と「自分は忙しいと言っている」人は違う

現代社会において、「ヒマな」人はほとんどいないのではないでしょうか。実際に話を聞くと結構いるとのことですが、それは、周囲から見て「あいつ、ヒマなんじゃないか」と見えるだけで、本人が「ヒマだな」と思っている人はごく少数なのではないかと思います。ヒマな人は、「私、ヒマです」とは言わないので実際にはいるのかもしれませんが、多くの人の悩みは「忙しすぎる」ことではないでしょうか。

ここでは、極端な2人を想定してみましょう。仕事量は同じで、同じように成果を挙げています。Aさんは、超忙しい人です。本人も「忙しいなぁ」と思っているし、「毎日、忙しいなぁ」と周囲にも言っています。毎日、バリバリ仕事をしながら働いています。周囲からも「忙しいだろうな」と見えています。大変そうですね。みなさんの周囲にもいるのではないでしょうか。Bさんは、忙しくない人です。確かにやらなければいけないことは多いはずなのに、なんだかんだ言いながら仕事はきちんと成果を挙げています。余裕もありそうです。本人に「忙しいですか?」と聞いてみても涼しい顔で「忙しい気もするけれども、まぁ、そんなに忙しいわけではないよ」とのことです。このようなタイプも皆さんの周囲にはいるのではないでしょうか。

この2人、本当に『忙しい』のはどちらでしょう?おそらく、『忙しさ』自体は、2人とも同じなのでしょう。本人の認識の仕方と周囲の見せ方が違うということなのではないでしょうか(ちなみに、そうは言いながらも仕事の絶対量はあるので、能力に対する仕事の多さが非常識なレベルだったらやっぱり忙しくならざるを得ないですね)。

Aさん、Bさん、どちらが幸せなのでしょうか?あるいは、みなさんは、どちらになりたいでしょうか?私はBさんのようになりたいなぁと思います。AさんとBさんの違いはどこからくるものでしょうか。


僕が『忙しいから』と言わない or 言いたくない6つの理由

それでも、やはり、「忙しい」。気持ちはわかります。忙しい…です。ですが、忙しくしていてよいことはあまりありません(ヒマでもよくありませんが)。「忙しい」を連発したり、それを理由に仕事を遅らせることは避けた方が賢明です。ここでは、本当に忙しくても忙しいことを言い訳にしてはいけない理由について書いていきます。

1.相手には関係ないので、実はあまり同情されない

「忙しいので」と言えば、ほとんどの場合はねぎらいの言葉が返ってくるでしょう。「大変ですね」、「お体にお気をつけください」くらいでしょうか。しかし、ほとんどの場合は、あまり、同情されません。「私が忙しい」ことは、相手には関係ないからです。相手にとって重要なのは、「その仕事ができるのか(いつできるのか)」なので、できない理由に興味はありません。「今、時間がないんだなぁ」くらいにしか思われないので、同情してもらおうと思うのであれば、あまり有効な手段ではありません。実際問題、現代ビジネスにおいて、忙しくない人はいないですから、「いや、あなただけではなくて、みんな忙しいから」と思われるのがオチです。

2.意図しないメッセージが伝わってしまうことも… ヒマならやる、お前はヒマだからやっているんだろ

自分では意図しないことですが、「忙しくて仕事が遅れる」というのを連発すると、相手には「他の仕事の優先順位が高いのであなたの仕事は優先順位が低いです(なので、遅れます)」、「私は忙しいので、その仕事はヒマになったらやります」と伝わります。下手すると、「お前は、その仕事、ヒマだからやってるよな。オレは忙しいからそんな仕事やってられないんだよ」とまで伝わってしまいかねません。意図する / しないに関わらず、その仕事に対する「敬意」が低いのが伝わってしまいます。おそらく、多くの人にとっては本意ではないでしょうが、よくよく注意すべきでしょう。

3.このタイミングでなくした信用は挽回に時間がかかる

本当に忙しくてその仕事ができなくても「忙しいから遅れる」というべきではありません。「あの人は忙しくなると仕事が遅れる」という評判がついてしまいます。「やれるときはやるけど、やれなくなったらやらない」、「できればやる(できなければやらない」人物だという評価を受けるのはビジネスパーソンの信用問題としては、大きなダメージです。成果物が安定しないビジネスパーソンにはなかなか仕事を預けられません。何度も言いますが、「忙しい」と言いたくなる気持ちはわかりますが、ここは「歯を食いしばって」でもその言葉は言わない方が得策です。

4.「忙しい」人のところに相談は来ない

多くのビジネスパーソンにとって「周囲から相談を受ける、話しかけられる」ことは重要です。メンバーであれば社内社外の一緒に働いている人から、管理職であれば上司、部下、外部のパートナーから、経営者であれば、社員や外部パートナーから、『気軽に相談を受ける』ことは大事なスキルです。その人がどんな人であれ、自ら「忙しい」宣言している人に、気軽に相談する人はいません。忙しくしている人に、きちんと決まっていないことや相談等、まだ、「ふんわりした」話を持ちかけるのは躊躇されます。周囲から相談を受けることが重要であれば、「忙しい」人にならないように気をつける必要があります。

5.一度、「忙しい」を言い訳にすると、自分の中で、それがすべての「免罪符」になってしまう

「忙しいから仕方ないよな」と一度でも自分に許してしまうと、未来永劫、それが理由になってしまいます。よく考えてみると、実は、「忙しい」という言い訳は、どんなときも成立してしまうので、これはとても怖いことです。実際に、「忙しい」そして「時間がない」という事象はその通りなのですが、それが「できない理由」となってしまってはいけません。よく考えたら、「忙しくない」ときは、ほとんどきません。時間はある程度意識しないと作れないものです。ということは、いつも「忙しい」ということになってしまいます。なので、はやり、「忙しい」はできない理由に入れるべきではありません。

6.『ここで僕(と我が社)のキャパオーバーです』と実質的に宣言するのがすごく嫌

ここは変なプライドだと自分でも認識しているのですが、『もう無理です』というのは基本的には嫌なんです。だって、嫌ではありませんか?自分だけならまだしも、会社の能力がここまででおしまいという宣言はしたくないというのが本音です。もちろん、キャパシティーオーバーであれば仕事は断りますが、それでも、納期や金額、様々な条件を調整しながらなんとかできる方向で考えたいものです。難しいことをなんとかやりくりして実現できること、できる方法を考えることに価値があるのではないかと考えています。仕事では、「これはできなくても、こんな風になら実現できる」ということを考えられるような人物、チームになりたいなと思っています。ここは当然、異論、反論があると思いますが、やはり、簡単に「忙しいから無理」ではなくて、「今はできないけれども、〇〇だったらできる」と考えるようになりたいものです。


『あの人はいつも忙しいから』と言われないために僕が心がけていること

1.意識的に「忙しい」という言葉を使わない – 口癖にしない

仕事が多いという事象は事実でも、それを「忙しい」と解釈するかどうかは個人が決めることです。「忙しいですか?」と聞かれても、「やることはたくさんありますが、忙しくはありませんよ。どうしました?何か面白い話がありますか?」と返すようにしたいものです。少なくとも周囲に「忙しい」とアピールすることはしないようにしています。

2.水面下でバタバタしていても歯を食いしばって表向きは白鳥のように優雅に過ごすのがカッコいいと思い込む

もちろん、日々、仕事はありますが、「あなたのために、いつでも時間とりますよ」という姿勢は重要です。「あの人、忙しそうだなぁ」と思われると、話しかけられなくなりますよね。なので、どれだけ大変でも、歯を食いしばって余裕を見せるように意識します。社内でも同様にしたいものです。

3.本当に忙しいときには、「今、忙しいので、〇〇までにやります」で対応する。そして、その約束は絶対に守る

それでも本当に忙しいときもあると思います。そんなときには、正直に「今、できない」旨を伝えます。そうしないと迷惑をかけてしまうので早めに対応しましょう。必ず不義理をしないようにします。「今、忙しいので、〇〇までにやります、回答します」とクイックに誠実に返事します。気持ち的には「いやー、いつもなら時間あるんですけどね。たまたま、仕事が集中しちゃったので、すみません、すぐやっつけてそっちにいきまーす」くらいの気分です。そして、その約束は必ず守ることが重要です。

4.それでもツラいときは、近しい人に「実は、今、忙しいんだよね」とそっと弱音を吐く

実際には、それでも、仕事が集中してしまい、手元の仕事が溢れかえって精神的にツラくなることはあります。その際には、きちんと弱音を吐くことも精神衛生上、重要です。その際は、本当に必要最小限の範囲で、かつ、ほんの少しだけ「今、このタイミングでちょっと忙しいんだよね」と話して、少しだけ同情してもらってください。 大事なのは、あまり、おおっぴらにしないことと、あくまで一時的なことであるということを忘れないことです。そうしないと、「あの人は忙しい(と言っている)人だ」という評判がたってしまうので注意が必要です。


仕事の経験の長い人、できる人は、自分が「忙しい」に逃げ込んでないかチェックする

自分がつい「忙しいから」と考えるときには、何かしらの『逃げ』が働いている可能性があります。忙しいから今できない、忙しいからやらないでおく、忙しいから後でやろう。人間は言い訳の天才です。その中でも、心地よい言い訳が「今、忙しいから」です。

特に、仕事ができる人や仕事の経験のある人は、実は、「できる仕事に取り組む」、「わかっている仕事だけやる」方が時間はかかっても、精神的に楽なことが多いのも事実です。実際問題、頼られるし、成果はあがるので手応えがあるので自分ができる範囲で忙しくしている方が楽なケースもあるのです。

みなさんは「忙しい」ことが言い訳になっていませんか?自分が「できる」とわかっている仕事で時間を潰して、自分の本当にやるべき仕事、チャレンジするべき仕事から逃げていませんか?ぜひ、意識してみてください。私の場合は、「忙しいから仕方ないなぁ」と思う時は、大体、何かから逃げています。これは、意識していなくてもよく考えるとそうなってしまう…ので意識することが大事です。チョクチョク、反省します。まだまだ、修行が必要です。


本人が「忙しい、忙しい」と言っていて、バタバタしていてつかまらない(時間がとれない)、落ち着いてゆっくり話せないビジネスパーソンが好きな人はいない

私自身、今、一番、気をつけているのが「いっぱい、いっぱい」になってしまわないことです。特に、コミュニケーションすることが仕事に入っている人、部下がいる人は注意しましょう。「落ち着いて話せない」人、「イライラしている、不機嫌な」人と話したい人はいません。「あの人に話してみようかな」そう思ってもらえるためにも、「忙しくない」人でいられるように意識しましょう。


本当に大事なのは、「忙しすぎて余裕がない」状態を避けるように業務を設計すること

今回は、「忙しくても忙しくないフリをする」ことの効用、そのために日々、工夫していること、心がけていることを書きましたので、少しでも参考にしてください。もちろん、できることからで十分です。他にも、様々な工夫があると思うので、みなさんがされている工夫があれば、ぜひ、お聞かせください。

最後になりますが、そうは言っても、やはり、「仕事の量を適正な量にコントロールする」ことも大切です。そのためには、チーム全体の業務を見ながら、自分の仕事の範囲を決める(やるべきこと / やらないこと を決める)、その上で適切に自動化・外注化する、それが周囲からわかる状態に「見える化」しておく等、仕事の整理整頓が必要です(もちろん、不要な業務を止めることも重要です)。

その上で、仕事を計画する、決められるものは「さっさと決めて」、やれるものはその場で「とっととやる」ことも重要です。詳細は、こちらのブログも参考にしてください。

あなたが『さっさと決める』人になるべき理由とテクニック(と心構え)
忙しい人ほど、「とっとと」やろう – さっさと決めてとっととやる(後編)

ということで、みなさん、日々、お仕事お疲れさまです!仕事は多くあっても、「忙しい=心を亡くす」日々は、卒業して、日々、楽しく、前向きに充実した気持ちで働きましょう!ということで、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。急に寒くなってきましたが、元気にやっていきましょう。

 本記事に関するご質問やコメント、疑問に感じた点がございましたら、ぜひ、お問い合わせフォームより連絡ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社アイディアポイント
代表取締役社長
岩田 徹

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